「腰と膝関節の痛み」について専門医がアドバイス【諸岡整形外科病院・クリニック】

腰痛と膝痛は関節への負担が増加することで、症状が出やすくなります。しかし、複数の要因が関与している場合もあるそうです。症状が軽減しない時にどうすればいいのか。諸岡整形外科病院・クリニックの諸岡孝明先生にうかがいました。

出典:西日本新聞
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【整形外科専門医】諸岡整形外科病院・クリニック 諸岡孝明 先生

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 福岡県出身。九州大学医学部卒業、同整形外科入局。米フロリダ大学、九州大学外科勤務などを経て現在、諸岡整形外科副理事長。病院全体の年間整形外科手術は800 例超。日本リウマチ学会認定指導医。日本体育協会スポーツドクター。日本整形外科学会専門医。

誰しも感じうる症状の腰痛、膝痛。原因は様々。

痛みが長引く時には受診・相談を

 腰痛の有病率は年齢とともに増加し、女性に比べて男性の方がやや多いというデータがあります。とはいえ、腰痛は性別・年齢を問わず、あらゆる人が感じやすい症状のひとつです。  一方、膝関節痛をきたす最も多い病気である変形性膝関節症は、男女比1対4で女性に多く見られ、高齢になるほど罹患率が高くなります。  腰痛、膝痛ともに、肥満、筋力低下などによって関節への負担が増加することで、症状が出やすくなります。しかし、複数の要因が関与しておりいくつもの病型があるので、症状が軽減しない時は病院を受診し、診断をつけることが大切です。

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痛みの強い腰痛の場合、入院・手術を要することも

 腰痛の原因として、結石や動脈瘤など内臓の疾患が隠れていることもありますが、多くの場合、整形外科領域の筋肉や腰椎の異常であると考えられます。  整形外科領域に限っても、腰痛を引き起こす病気は腰椎椎間板ヘルニア、腰椎分離症、腰椎すべり症、化膿性脊椎炎、脊椎骨折など種類が多く、治療法もそれぞれ異なります。  多くの腰痛は、投薬、神経ブロック注射、コルセットの着用、リハビリテーション、自主トレーニングなどで症状が軽減しますが、まれに入院や手術が必要なケースも。診察とエックス線検査だけで鑑別できない時は、MRI検査を行って診断します。  特に、腰椎椎間板ヘルニアや脊椎の骨折の場合は痛みが強く、体に合ったコルセットの作成や入院治療を要することがあります。  また、10代の頃に気づかぬうちに腰椎疲労骨折を発症し、慢性腰痛の原因となる腰椎分離症という病気に移行することもあるため、若年者でも慎重に検査を行い、しっかり治療しておくことが大切です。腰痛は誰もが経験しうる痛みですので、完全に腰痛が出ない体にすることは難しいのですが、動けないような強い腰痛は治療で軽減することができます。

痛みの原因や年齢を考慮し最適な治療法を判断

 膝関節痛の原因も様々です。最も多いのは、軟骨がすり減る変形性膝関節症で、その前段階では半月板の変性・損傷などの病態もあります。  年齢とともに半月板や関節軟骨の質が劣化し、断裂したりすり減ったりすると、膝を曲げ伸ばしした時の動作時痛や、階段の上り下り、正座、長距離歩行など、膝に大きな負荷がかかった時の痛みを自覚するようになります。これが変形性膝関節症です。  変形性膝関節症の診断は、診察とエックス線検査で行います。治療は鎮痛剤の投薬、ヒアルロン酸関節内注入、リハビリ、自主トレーニングなど。疼痛が強い方や、痛みのために生活に支障をきたしている方には、MRI検査で詳しく評価し、手術に進むこともあります。  軟骨がなくなって著しい生活制限が出ている高齢者に対しては、人工関節置換術を行うことも。また、運動や重労働を求められる方には、過度なO脚、X脚を矯正する骨切り術を実施します。  膝関節痛の原因には、結晶性関節炎、化膿性関節炎、関節リウマチなど、関節組織の炎症を伴う病気もあるので要注意です。炎症が疑われる場合、血液検査を行い、最適な薬物療法を行います。  若年者の膝痛の多くは、腱や靭帯付着部の炎症、疲労骨折などの反復刺激によるものです。骨格が未発達で、靭帯断裂や半月板断裂といった、大きなけがをすることもあります。  オスグッド病という腱付着部の炎症や疲労骨折の治療は、安静とスポーツ中止が原則ですが、程度によってはリハビリ、クーリング、テーピングなどを行いながらスポーツを続けることも可能です。

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適度な運動、続けていますか? 痛みが出にくい体づくりで予防に努めましょう。

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日頃から程よい運動を

 以上のように、腰痛・膝痛が発症するメカニズムは様々ですが、多くの場合は、過度な負荷がかかっていることが原因です。  大切なのは、負荷がかかっても痛みが出にくい体づくりをすること。そのためには適度な運動を継続し、筋力や柔軟性を保ち、過度な肥満にならないようにすることが有効です。

諸岡整形外科病院・クリニック

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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