楽しいはずのお祭りで起こった出来事です。「疲れたから帰りたい」と言う11歳の息子に、つい「そんなに嫌なら帰りなさい!」と言ってしまった私。ところが自宅にも、家の周囲にも次男の姿は見当たらず行方不明に…。「強く怒らなければ良かった」と反省した私が、その後気を付けていることをお話します。
祭りに参加したくなかった次男
私が住む地域の秋祭りでは、花や人形などで派手に装飾された山車(だんじり)を子どもが曵いて、町内を一周します。岸和田のだんじり祭りが有名ですが、私の住む地域では小学生以下の子どもが曳くため、ゆっくり歩いて回り、毎年みんな楽しく参加しています。
3兄弟の三男、9歳の息子はとても楽しみにしていました。しかし、13歳の長男、11歳次男はどうやら家にいたい様子。しかし「小学生は出来るだけ参加しないといけない」という雰囲気なので、長男のみ留守番で次男は説得して連れて行くことにしました。
夫はお祭りの運営に参加しているので、私が息子たちの付き添いをすることに。
朝7時頃からだんじりを曵き始め、最初はそれなりに楽しんで参加していた次男ですが、お昼を過ぎた頃から帰りたいとぐずり始めてしまったのです。
「そんなに嫌なら帰りなさい!」
他の子ども達にも聞こえる声で
「帰りたい」
「疲れたし楽しくない」など言うので、周りの子ども達も少しオロオロ…。
大人の私でも疲れているので、気持ちはわかります。
しかし次男より小さな子達も一生懸命だんじりを曳いているし、次第に次男の態度に腹が立った私は
「そんなに嫌なら帰りなさい!」と怒ってしまいました。
ちょうど自宅に近い場所を歩いていたため
「周りの迷惑になるから、ずっとそんな態度なら帰りなさい!」と再度言うと、次男の足は止まり、その場で別れることになりました。
少し歩いた所で、振り返ると次男は自宅方面へ歩いていました。
次男が行方不明に?!
10分ほどして集会所で休憩になったため、三男をママ友に預け、次男が帰っているか確認するため自宅へ向かいます。しかし長男に尋ねると
「帰ってきてないよ」という返事が! 私は心配になり、急いで次男と別れた場所へ向かいました。
次男は普段から外遊びもせず家にいる子なので、あまり遠くには行かないと思い、とりあえず周辺を探します。15分経っても見つからず「このまま見つからなかったら…。家まで連れて帰れば良かった」と不安と後悔でいっぱいでした。
急いで夫に電話すると、夫も合流してくれることに。捜索範囲を拡げますが、なかなか見つけることが出来ません。
30分を過ぎた頃、長男も
「俺も探しに行く!」と3人で探すことに…。時間の経過とともに、どんどん不安が増していきます。
発見した場所は?
探し始めて1時間。「周辺を車で探して、見つからなかったら警察に相談しよう」と話し、3人で車に乗りました。
すると、出発して100mほどで、遠くに次男の後ろ姿を発見! 車の窓を開け、私は周囲の目も気にせず大声で叫びました。
「今すぐ家に帰りなさい!!」
泣きながらトボトボ歩いていた次男…。
「家に帰ると怒られると思った。近くをウロウロしてた」と言われ、思わず
「どれだけ心配したかわかってるの!?」とまた怒鳴ってしまいました。その後
「お願いだから二度と黙っていなくならないで…」と泣きながら伝えると、
「ごめんなさい。もうしないよ」と約束してくれました。
しっかり者の長男は、泣いている私の代わりに
「帰らなかったら、もっと怒られるとか思わなかった? みんなすごく心配したんだから!」と少しお説教。
私は無事に見つけることが出来て安堵すると同時に「あの時、強く怒らなければ良かった。もっとちゃんと話を聞いてあげていたら…」と反省せずにはいられませんでした。
子ども叱る時は、冷静に話を聞いてから
今では
「あの時、行方不明になったよね~」など笑い話になっていますが、あのような思いは二度としたくありません。
この出来事以降、息子達とは
「出かける時は、誰とどこへ行くのか、だいたいの帰宅時間は伝えてね」と約束をしています。
そして、息子達を叱る時は、感情的にならず冷静に話を聞いてから、と心に決めています。
(ファンファン福岡公式ライター / 降谷あいり)