親戚付き合いの多い義実家は、よく大勢が集まって酒盛りをしています。お酒が入って気の大きくなった義父たちからはとんでもない発言が飛び出すことも多々。ただ、ある日飛び出した発言は到底酔っているから…。と許せるものではなく、思わず耳を疑ったエピソードです。
集まると飲みだす義父たち
その日は何組かの親戚が集まっていて、義父を含めて4人が一緒にお酒を酌み交わしていました。そして私の他にもう1人お嫁さんのAさんがいて、2人でお酒や食事の用意をしたり、親戚たちの話し相手をしていました。
Aさんは私と年が近く、お互い子どもが小さいということもあって、会えばよく話をします。その日もひととおり親戚の相手が終わってから、宴会をしている部屋の隅で楽しくおしゃべりしていました。
集まれば酒盛りが始まったり、頻繁に親戚の集まりがあることにはうんざりする一方、同じ立場のママ友ができるのは嬉しかった私。この日も、お互い姑の愚痴を言い合ったりして、スッキリした気持ちになっていたところだったのですが…。
大声で義父たちが話し始めたのは
急に義父たちが何やら盛り上がり始めたのです。義父たちの話し声は、少し遠くにいた私たちにも聞こえ、
「嫁のAさんがさぁ~」などと話しています。思わず、
「しっ! ちょっと待って…。なんか私たちのこと言ってない?!」と、思わず声のボリュームを落とす私たち。
聞き耳を立てると何やら大声で、私たち嫁の話をしているようでした。Aさんと顔を突き合わせながら義父たちの方に聞き耳を立てていると、とんでもない内容が聞こえてきたのです!
「俺はBさんのとこの嫁がタイプだな!」「プロポーションで言ったらCちゃんだろ」「Aちゃんは白衣の天使ってのがいいよな」「あと20歳若ければDちゃんに行くな」など、義父たちは嫁たちを比べていました。
これを聞いて私とAさんは思わず鳥肌!
「うそでしょ!」
「信じられない! 気持ち悪い!」と小声で叫び、驚きを隠せませんでした。その後も義父たちは嫁たちを「あの子は気立てがいい」「あの子は肌がきれい」など散々比べているので、聞くに堪えられなくなった私たちは子どもたちを連れてそっと部屋を出ました。
ささやかな仕返し
外で子どもたちを遊ばせながら、
「しんっじらんない! こっちは誰もお前らを選ばないっつうの!」と怒り心頭のAさん。私は怒りというよりも、義父たちの完全アウトなセクハラ発言に寒気がとまりませんでした。
しばらくして片付けのために呼ばれて戻ると、できあがった義父たちがいました。すでに酔いつぶれて寝ている人もいます。すると義父が戻ってきた私を見て
「お、帰ってきた」と言い、
「俺は嫁ちゃん(私)が推しだからネ。付き合うなら嫁ちゃんだな」とにやにやしながら腕を触ってきました。
これを聞いてまた寒気! そして隣にいたAさんの怒りがメラメラと再燃したのを肌でひしひしと感じました。さらにそこにいた義母たちは、あろうことか義父たちと一緒になって
「よかったね! 嫁ちゃん! 離婚しても大丈夫だ!」とはやし立てる始末。
そこで思わず、先ほどのAさんの言葉を借りて
「えーやだぁ、私にも選ぶ権利があるんですけど」と茶化すように言ってみました。すると
「たしかにっ!」と義父や義母たちは大爆笑。その後、義父たちから離れたところでAさんに
「よく言った! ちょっとスッキリした」と言ってもらえたのもあって少しだけスカッとした気持ちになりました。
酔っぱらい義父たちのデリカシーのない絡みには嫌気がさしましたが、ささやかでも言い返すことができたので、なんとか気持ちは落ち着きました。ただ、義父たちのとんでもない発言は今に始まったことではありません。毎回親戚が集まると、「今日はどんなセクハラ発言をかましてくるのか…」と憂鬱です。
(ファンファン福岡公式ライター/K)