子どもには「小さい時からお金の知識が身についてくれればいいな」という私の考えもあり、おつかいをお願いしています。何回も行って、慣れてきた矢先に起きたほっこりハプニングをお話ししたいと思います。
兄妹でおつかいへ
うちの子は小学2年生のちょっと恥ずかしがり屋さんの息子と、お手伝いが大好きで兄のマネをしたがる5歳の娘がいます。
息子が学校で算数を習うようになると、お小遣いを自分から数え始めたり
「お手伝いしたらお小遣いくれる?」と、お金に興味を持ったりするように。その頃から、私は「おつかいに行ってもらいたいな」と思っていました。
息子もおつかいに興味と恐怖心と半々といったところですが、1人では勇気が出ない様子でした。そんなある日、娘が急に
「じゃあ、〇〇が一緒に行ってやる!」となぜか上から目線で一言。
その言葉に後押しされ、息子は
「〇〇が一緒なら、おつかい行く!!」と決意。息子よりしっかり者の娘が一緒に行くなら大丈夫かなと、私も不安な気持ちが軽くなりました。
お店までは子どもの足で約15分ほどです。
ほとんど小学校の登下校の道と一緒なのですが、横断歩道や車には十分注意するように話をしました。そして息子には万が一のために子ども用の携帯電話を持たせて、おつかいに行ってもらいます。
買う物に迷った時は息子から連絡があるので、回数を重ねると安心しておつかいを任せることが出来るようになりました。
子どもにとっては大人の仲間入りといったかんじで新鮮なのでしょうか。帰ってきた時は、
「お母ちゃんのためにお菓子買ってきた!」と表情がとてもイキイキとしており、誰かのためを思いながら買い物をするということが身に付いたのかなと感じました。
レジでお金が足りない!?
大きなハプニングもなく安心しておつかいを任せることが出来るようになった頃でした。
ある休みの日、子どもたち2人でこそこそと何やら計画をたてている様子です。
「2人でおつかいに行っていい?」と言ってきたので
「えのきと白菜を買ってきてもらおうかな。余りのお金で、1人ずつ好きなお菓子を買ってね」とお願いしました。
今までは1人ずつにお金を渡して好きなものを買ってくるという方法だったので、初めての方法に少し心配でした。
予算の範囲で上手く買い物出来るだろうか。余ったお金の使い方でケンカになっていないだろうか、ケンカして息子が娘を置いて帰ってこないだろうか… と心配になりました。何度も携帯に電話しようかと思いましたが、ここで私が手を出したら2人で考える力を台無しにしてしまいそうなのでぐっと我慢して家で待ちました。
1時間も経っていなかったと思います。2人が元気に帰ってきました。
「ただいまー」という2人の元気な声を聞いてひとまず一安心。と思ったら息子がニヤけた表情で
「お金足りんかった」と一言。娘の方は真面目なので少し不安そうな表情でした。でも、えのきと白菜も、自分たちのお菓子もしっかり手に持っています。
話を聞いてみると、頼んだものを一度レジで清算。その後、余ったお金を確認しお菓子を選んだそうです。ところが、娘が予想以上に高いお菓子を選んでいたらしく、レジでお金が足りないことが判明! 店員さんに
「返します」と言ったところ、後ろに並んでいた女性が
「100円やるけん」と言って100円を息子に渡してくれたとのことでした。
初めての出来事に
「知っとる人やったと!?」と息子に聞きますが、
「知らん人」と一言。名前も聞いていないということで、心の中で「そうよね~」と思いながら、買い物の仕方をもう一度子どもたちと確認しなきゃな、という反省と、女性への感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。
「困っている人がいたら、自分が出来ることをしていける人になりたいね」と家族で話しました。コロナ禍で人とのつながりが希薄になっている昨今ですが、このように見ず知らずの人からの愛の手があり、1人で子どもを育てているんじゃないなと、つくづく感じました。
この出来事からがあってからというもの、おつかいに行く際は多めにお金を持たせて、値段を見てから買うようにと口酸っぱく伝えています。
(ファンファン福岡公式ライター/S.happylife)