娘が小学3年生になった春、初めてのクラス替えがありました。新クラス発表当日、学校から帰って来るなり元気が無い娘。予想はしていましたが、仲良くしていたお友達はみんなバラバラになってしまったとのこと。ところが、それよりも最悪だったのが、子ども達や保護者からも評判の悪い先生が担任になってしまったことでした。このピンチを、わが家はどう乗り切ったのでしょうか?
評判の悪い先生が担任で、落ち込む娘
担任の先生は、50代半ばくらいで、見た目も怖そうな女の先生。噂では、とても怒りっぽく、他のクラスにまで怒鳴り声が聞こえて来るんだとか。子ども達も怖くてあまり近寄れない雰囲気。保護者に対しても声を荒らげる事もあったそうです。
内心は私も不安でしたが、あえて先生への悪い先入観を払拭しようと
「大丈夫! ママは優しい先生って聞いてるよ。怒るのは理由があるからだよね。お友達に話しかけるように先生にも話しかけてみたら?」と、言いました。娘は
「え、あの先生優しいの?」と、まだ信じられない様子でしたが、私は
「本当だよ。ママはいい先生としか聞いた事ないな」と言い続けました。
これから2年間、毎日、先生と一緒に過ごすのは娘なので、一緒になって先生の悪い噂話をしていては、余計に不安にさせて学校へ行くのが嫌になってしまうだろうと思っての対応でした。
先生に変化が?
元々、社交的な性格の娘は、お友達はすぐに出来ました。ですが、先生に話しかけに行くのは少々勇気がいったようです。娘なりに、話しかけに行くきっかけを探し、最初は授業で分からなかった所を聞きに行ったとか。それから徐々に先生に話しかけに行くようになったそうです。
娘は
「ママが言った通りだった。先生優しいよ! 怒ると怖いけど…」と、言っていました。
その後も、お友達と一緒に先生に話しかけに行き、時には先生からお手伝いを頼まれたり、休み時間にはクラスみんなで遊んでもらったりと、帰って来る度に嬉しそうに話す娘。
その様子に、私も内心ほっとしましたが… わが娘の行動力と、悪い噂とは違い過ぎる先生の様子に驚きを隠せませんでした。
娘によると、先生の話を聞かない子や、宿題をしない子、忘れ物が多い子には容赦無く怒鳴るそうです。その分きちんと出来ていれば褒めてくれるそう。
「先生に褒められたい!」気持ちを大切に
その頃から、娘は自ら机に向かうようになり、テストも高得点を取るようになりました。その度に
「先生が『よく頑張ってるね』って褒めてくれた!」と報告してくれました。娘にとっては、私より先生に褒められた方がやる気に繋がったのかもしれません。
個人面談で先生は
「娘さんが毎日話しかけに来てくれて、おかげで私も楽しませてもらっています。私は怖がられているので… 娘さんみたいに来てくれる子は初めてなんですよ!」と言って下さいました。その事を娘に伝えると、とても喜んでいました。
クラスみんなが先生大好きに!
3年生のクラス替えで先生が担任と知り、ガッカリしていたクラスメイト達が、5年生のクラス替えでは「先生と離れたくない」と思うくらいに、みんな先生が大好きになっていたようです。幼いながらも、自分で考え行動し、良い方向に持って行った娘がとても頼もしく、私も見習わなければ… と、思いました。
相手の見た目の雰囲気や、悪い噂に惑わされず、相手の良い所を見て付き合って行く事は、大人になっても大事な事ですよね。今回の出来事で、私の方が娘から学ばされました。
(ファンファン福岡公式ライター / パール)