ママの中には、子どもを保育園に入れるための「保活」に、一喜一憂した人も多いのでは? しかし保活が終わっても悩んだり、迷ったり、ママの戦いは続くのです。
仕事したい! でも子どもに悪い?
あるママ友Aさんは妊娠・出産を経て育児休業中でした。バリバリ仕事をこなす女性だったため、早期に仕事復帰したかったようなのですが、保活激戦区であえなく撃沈…。その後育休を延長し、1歳で入園に再チャレンジ。またしても落選してしまったのですが、その年からAさんの職場に設置された託児所に預けることができました。
Aさんの自宅は会社の近くで、電車で15分ほど。しかし、通勤ラッシュで満員の電車に子どもを乗せることへの罪悪感が大きいらしく、いつも
「子どもに悪くて…」と申し訳なさそうでした。
ある日、ママ友同士で子どもの食事について話をしていたときです。ひとりのママ友さんの
「ついつい冷凍食品やお総菜に頼っちゃうんだよねえ」という言葉に、大きくうなずく私たち。
「でも、保育園で栄養満点の給食を食べてくるから、そのぶん気が楽よね」と笑いあっていると、Aさんが
「私はお弁当を作って持たせているの」とポツリ。
「え、給食は出ないの?」と私が聞くと、
「保育園の給食は味が濃いから。給食を辞退して、お弁当を持参しているのよ」とのこと。その場にいた全員がビックリしました。給食が出るのにわざわざ辞退してまでお弁当を持参するなんて、私には考えられません。
頑張り過ぎ! ママ友みんなで口々にアドバイス
しかも、Aさんは満員電車に子どもを乗せたくないので、出勤時間よりかなり早く家を出ていると言っていました。加えてお弁当作りも… となると、相当大変なのではないでしょうか。みんなが心配すると
「託児所に預けているのは親の都合だし…。早起きやお弁当作りがつらいなんて言ったら、子どもに申し訳ないから」という言葉が。
Aさんはとても真面目で、何をするにも手を抜けないタイプ。でも、子育てにおいては手を抜けるところは抜いていかないと、このままでは倒れてしまう! と危惧した私たち。そもそも、子どもを保育園に預けることに、罪悪感を持つ必要はありません。
みんなで
「栄養のバランスを考えた給食が出るんだから、そこはお任せしていいのでは」
「ママが頑張って仕事をしていて、笑顔で迎えに来てくれれば、それは子どもにとって不幸なことではない」と力説。周りからの言葉に、Aさんは少し気が楽になった様子でした。
さらに私が
「味付けが濃いなんて言ったって、子どもはすぐにファストフードを食べるようになるよ!」と、少々荒っぽいアドバイスをすると、
「確かに」と笑ってくれました。
まずは給食を利用してみる、とのことでしたが、「ここまで自分を追い込むことはないのに」と少し同情してしまいました。もっと気軽にママが働ける環境が整い、そのために子どもを保育園に預けることが“普通”の世の中になるといいな、と思った出来事でした。
(ファンファン福岡公式ライター/フルサワ)