「PTAは暇な人がやればいい」発言にざわついた懇談会

 PTAの運営委員は、5月に行われる懇談会で決められます。毎年なかなか決まらないのですが、今年はある正社員ママの一言で大荒れの懇談会となりました。

出典:iStock.com SDI Productions

 わが子が通う小学校では、子どもの在学中に親は運営委員を1回は務めなければいけません。それでも6年間で一度も委員に当たらなくて済む人もいるので、やりたくない人は影を潜めてやり過ごしています。  私は去年の段階でPTAの役員に決まっていたので、委員決めの懇談会は見守っているだけだったのですが、やっぱりなかなか立候補する人がおらず、時間ばかりが過ぎていきました。こうなると、できない理由の発表会のようになってしまいます。  「仕事を休めないから」  「持病があって」  「介護をしているので」  そんな中、ある正社員のママが爆弾を投下したのです。  「大体PTAって、無駄なことばっかりして時間を取るのに、自分の仕事を休んでまでできるわけないでしょ。そんなの、やりたがりの世話好きな人とか、暇で時間を持て余している専業主婦がやればいいと思います」  仕事をしている人は、平日の昼間に行われるPTA活動のために、ときには仕事を休む必要があり、もちろんそれは簡単なことではありません。でも今の時代、パートや正社員の違いはあれど、ほとんどの家庭が共働きです。  私はフリーランスの仕事で、比較的都合をつけやすいのでPTA役員を引き受けましたが、専業主婦も決して暇なわけではなく、小さな子どもを抱えて他に頼る人がいないなど、働けない理由があって専業主婦をしている人も多いのです。  この爆弾発言に懇談会が紛糾したのは言うまでもありません。それぞれの立場からの不満が噴出しました。

出典:iStock.com kali9

 「正社員は有給があるけど、パートは休んだらその分給料が減るのに!」  「乳児を連れての委員活動は難しい」  「6年間のうちのたった数日が取れないわけない」  結局、先生の「私たち教員も、親である場合は、PTA活動は無関係ではありません。今も娘の学校では委員決めが行われているので、私にも委員になったという連絡がくるかもしれません。それでも、委員に当たったら仕事を調整して協力させていただきます。PTAは子どもたちのために活動をしています。自分の子どももお世話になっています。どうか皆さんのご協力をお願いいたします」という言葉でなんとか落ち着き、くじ引きで委員を決めることになりました。  その後PTAの活動をする中で、「PTAって『私やりたい』っていう、もの好きな人がやってるんやろ? 私は忙しいし無理やわ」というような言葉を何度となく聞きました。それを聞くと、自分たちが時間を割いている活動って意味があるんだろうか、とむなしくなることもありました。  しかし、PTAの役員としてさまざまな会議や地域の人との協議会に出席すると、子どもたちの学校生活に、こんなにたくさんの大人が関わってくれているのかと驚くことが多くありました。  見えないところで、子どもたちの安全のために見守り活動をしてくれていたり、収穫体験や職業体験などの授業に関わってくれていたり。そこには損得勘定はなく、「子どもたちのために」と無償で動いてくれていたのです。

 今年はPTAとして、学校のトイレの改修を市にお願いしました。今年度中には洋式トイレが増える予定です。こうした要望は学校から出すよりも保護者側(つまりPTA)から出す方が通りやすいのだそうです。その要望書も、事務職として働いている役員が作ってくれました。  役員も委員もそれぞれに仕事を持つ中で、なんとか時間をやりくりして活動しています。「やりたくてやっている」のではなく「子どもがお世話になっている学校だからできる範囲でお手伝いしたい」と思って活動しています。  子育て世代はみんなそれぞれ忙しく、日々の生活に精いっぱいです。だからといってPTAに関して否定的になるのではなく、「どんなことをしているのだろう? 自分にできることはあるかな?」と関心を持って、面倒な役を引き受けてくれている人に対する感謝の気持ちを忘れなければ、こんな殺伐とした懇談会にはならなかったのではないかと思うのです。

ワーママに厳しすぎる!小学校PTAの恐怖のペナルティ

※この記事内容は公開日時点での情報です。

目次
閉じる