<離婚で転校することになった息子たち> 私が大号泣した友達との別れ方とは

 仕事の都合や家庭の事情で、引っ越し・転校をしなければならないこともありますよね。わが家は離婚が原因での転校が決まりました。申し訳ない気持ちでいっぱいのなか、息子達のそれぞれのお別れの仕方に成長を感じた出来事をお話しします。

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出ていかない元夫

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 元夫の嘘や金銭問題から離婚した私たちですが、元夫は家を出ず
 「父親は側にいる権利がある!」と言い出す始末。籍が抜けただけで変わらない状況にうんざりした私は、小学3年生の長男と1年生の次男を連れて引っ越しを決めました。

 息子達には離婚の理由と転校になることを丁寧に説明。
 「一緒に住めないけど、パパとママなのは変わらないよ」と伝えると、残念そうですが納得してくれたようでした。

 すると次男が急に何かを決意したような表情になり、メモ用紙に「まま たすける」と書きました。文字を書いて気持ちを伝えることをあまりしない次男の行動に“一人でもこの子達を守っていこう”と強く決意したのでした。

子ども達それぞれの別れ方

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 元夫とできるだけ離れて引っ越して穏やかに暮らしたいと思い、そして保育士として働きたいと感じた素敵な保育園を見つけたことから、県外への引っ越しを決定。

 新しい家は「自分たちの部屋がほしい!」という息子たちの要望を叶え、少し古い3LDKのアパートになりました。契約をすませ、引っ越しすることを学校に連絡すると先生は驚き、残念がっていました。
 「お別れ会はどうしますか?」と聞かれたので息子と話して決めてもらうことにしました。

 次男は「思い出を作りたい」とお別れ会をしてもらうことを選び、長男は「いつも通りに過ごしたい」としないことを選んだと数日後先生から連絡がきました。
 「お別れ会楽しみ!」と笑顔の次男は、まだ転校の実感が湧いていないように見えました。一方で長男は、少し寂しそうな様子でした。

次男の別れ方

 最後の登校は、3月末の終業式。帰宅した息子達は、いつもと変わらない様子です。

 そこに、次男の担任の先生から電話がかかってきました。
 「今日、お別れ会をしました。最後に挨拶をしてもらったんですが… とても素敵な挨拶でした」先生は電話越しに泣いていました。
 「泣きながら、でも真っ直ぐみんなを見て『仲良くしてくれてありがとう。僕と、友達になってくれてありがとう』と言っていました… すごく立派でした。クラスのほとんどの子が泣いていました」

 転校させてしまう申し訳なさと、いつの間にか大きく成長していた次男に気づき、胸がいっぱいになった私は電話しながら思わず泣いてしまいました。

長男の別れ方

 長男は、どんなお別れをしたのか気になっていると… ピンポーン!!

 外を見ると、長男の友達とお母さんたちがズラリ。慌てて長男と家の外に出ました。
 「引っ越すの、言ってよ! 友達じゃん!」1人の子が、泣きそうな声で言います。

 「ごめん」苦笑いをする長男。今度はお母さんが口を開きました。
 「ほら、うち兄弟で同じクラスでしょ? 弟のほうで、引っ越すからお別れ会したって聞いて。でも兄は何も知らないって言うのよ。」

 「えっ、言わなかったの?」驚いて長男を見ると、今にも泣きそうなほど目が潤んでいます。
 「だって、言うと寂しくなるから。最後を悲しい思い出にしたくなかった。楽しい思い出のままサヨナラしたかった…」

 「急にいなくなったら悲しいだろ!」
 「離れても友達じゃん! これからもさ!」友達が口々にそう言い、長男を囲みました。

 「うん、ごめん…」堪えきれず泣き出してしまう長男を見て、大人たちも顔を見合わせて涙するのでした。聞けば、弟のクラスでお別れ会をしたことを知ったお母さんが声をかけ、7組も集まったのだそう。とても嬉しかったです。

いつのまにか成長していた息子たち

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 この一件で、それぞれ“引っ越し”という状況を自分たちなりに乗り越えようとしていたことに改めて気づきました。まだ小さいと思っていた息子達の成長に驚かされた出来事でした。その後、
 「寂しい思いさせちゃったお詫びにプレゼントをあげる。何がいい?」と息子達に尋ねると、口を揃えて

 「Nintendo Switch!」
 これから母子家庭になるのに痛い出費…! と苦笑いしながらも発売したばかりのSwitchを買ってあげたのはいい思い出です。

(ファンファン福岡公式ライター/さとう なつこ)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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