夫が働くのは、義両親が経営する小さな会社です。そこで同僚からのパワハラが続いていたため、やめるよう本人に伝えてほしいと義両親に訴えた際、ドン引きする対応をとられた話です。
夫の働いている環境
私は夫と結婚して6年になります。以前、義両親の会社で事務を手伝っていたことがあり、その時の経験です。
夫が働くのは、義両親が同族経営する小さな会社。書類上は、役職もあって「取締役」となっていましたが、実際には会社内でも特別な権限や仕事内容はなく、給料も他の従業員と同じ待遇でした。
職種は男性多数の技術職の仕事。従業員は他に3人いました。その中に夫より5歳上で、義妹の元夫でもある男性Aがおり、他にアルバイトとして義妹、私が働いていました。
Aは義妹とは既に離婚していましたが、夫とは元義家族の関係です。横柄な態度は日常茶飯事。しかし
「あなたのために言っている」と言うなど口が達者な人でした。
義両親も「ゆくゆくは夫に会社を任せたい」と公言していましたが、実際には会社内で技術も権力も持っているのはAだったので、私たちには「会社を継いでからも厄介なことになるだろうな…」と危惧している状態でした。
夫は紛れもなくパワハラを受けていた
Aのパワハラは、自分が不機嫌な時に、夫に苛立ちをぶつけるパターンが多かったです。陰湿な面もあり、義妹や他の社員の前で見せしめのように叱責を繰り返したり、義父がいない時に無意味な罵倒を繰り返したりしていました。私がいない時にすることも多く、後から聞いて腹が立ちました。
ある時、夫の友人が事務のサポートで会社に出入りすることになり、その友人を夫が皆の前で紹介しました。社長が不在だったため、夫が仕切ったのですが、友人が挨拶をしても、Aは無言で夫を睨みつけていたのです。夫が仕切っていることに苛立っているようでした。私は身内のみっともなさに恥ずかしくなってしまいました。
改善を求めて義両親に直訴
ついに夫は鬱状態に。私も自分が暴言を受けていなくても、その様子を目にするだけで疲弊する状態に陥っていたため、義父と義母に改善を要求しにいきました。その際、夫はもちろんのこと、私の母にも付き添ってもらいました。ことはそれだけ深刻だったのです。
ですが、義両親は夫に
「嫌ならお前が辞めろ!」と言い出したのです。
「Aが偉そうにしているのは、お前が頼りないからだ。お前がもっとしっかりしていればAにも言えるのに!」と。
私も私の母も、それは違うと反論し、なんとか会社として対応させることを約束させましたが、結局2カ月待っても何の改善も報告もありませんでした。
再度話し合いを行うと、それでも夫をなじって責任転嫁してきたので、私達は苛立ちがピークに達し、夫も私も会社を辞めました。
「会社を辞めるということは、縁を切るということだ」と、義両親からは言われました。
辞めた後に噂で聞いたのですが、義両親は私達に戻ってきてほしいと懇願していたそうなので、仕事が回らず困っていたようです。
今は夫も転職し、人間関係の良い職場で、楽しく働いています。
無理はしなくて良い
義両親だから、夫のことに親身になってくれると思っていたのですが、所詮自分たちの利益ばかり考える、『毒親』だったようです。私達は義両親と縁を切ることができ、心底楽になりました。義両親だからと自分を押し殺し、無理して付き合うことはないのです。
(ファンファン福岡公式ライター/冬野 はな)