思ったことをズバッと言う性格の義母にはドン引きすることばかり。オブラートに包まないどころか、傷つけにいっているのではないかと思うくらいはっきりと言う義母は「思ったことを言っただけ」「ズバッと言ってやったんだ」と私たちの気遣いなんてお構いなしの人です。今回はそんな義母の発言でその場の人たちが凍りついたエピソードです。
大人しくてぽっちゃり体型のお嫁さん
その日義実家にきていたのは、私たち家族と親戚のひと家族。親戚家族は、義両親の年代の夫婦に、その息子さんとお嫁さんでした。息子さんとお嫁さんは30歳前後。もうすぐ結婚式を挙げるということで、義両親にお嫁さんの顔見せを兼ねて遊びに来ていました。
お嫁さんはとてもおしとやかな雰囲気で、みんなで話していてもあまり声を出しません。なんとなく気を遣ってお嫁さんに
「結婚式どこで挙げるか決まってるんですか?」
「こだわり始めると費用もかさむから難しいですよね」などと話かけても
「はい」
「そうですね」など短い返事が返ってくるのみです。
そしてこのお嫁さんが少しふくよか。旦那さんが細身なので余計にそう見えたのかもしれませんが、ぽっちゃりしていて心なしかお腹が出ているように見えた気がしました。
思ってたけど、言わなかったのに!
そんなお嫁さんを見て「もしかして妊娠してるのかな? まあでも、どっちかわからないから言わないでおこう」と思っていた私。夫もこそっと私に
「お腹… もしかして、妊娠してるのかな?」と耳打ちしてきましたが、決してみんなの前で口には出しませんでした。
みんなで楽しく話していたとき、義母がお嫁さんに話しかけ始めました。
「仕事は何してるの?」
「出身はどこだい?」と質問攻め。遠慮なくあれこれと聞いてくる義母に、お嫁さんが少し困っているように見えました。
そして突然義母が
「あんたのその腹は赤ん坊? それともただの脂肪?」と聞いたのです。一瞬その場にいたみんなの動きが止まり、義母とお嫁さんに注目が集まります。お嫁さんは驚いた顔をし、そのまま黙り込んでしまいました。
慌てて旦那さんが
「あははっ、おばさん相変わらずだなー、子どもはまだですよ」と割って入ります。
「あ、はは、すみません…」となんとか声を出すお嫁さん。
変な空気もどこ吹く風… 止まらない義母
気まずい空気を感じられない義母は
「なんだ、そうか。ただ太ってるだけか。どっちなんかと思ったよ」とガハハハと笑い
「いや、孫はいいよ! 本当にかわいいから!」と話を続行。
「でも、その状態から妊娠したらお腹はどうなるんかね?」と真顔でお嫁さんに聞きます。
お嫁さんは
「えぇ、えっと…」としどろもどろ。明らかに困った顔をしているのに、義母はさらに
「太ってると難産になるから、今からその脂肪落としておいた方がいいやね」と追い打ちをかけます。そんな義母の怒涛の攻撃に焦った旦那さんが
「そういえば! おばさん、この間…」と話を変え、義母のオブラートに包まない発言はようやく終わりました。
旦那さんが義母の話をどうにか終わらせてくれてみんな一安心という様子。ただ、お嫁さんは恥ずかしさからなのか、その後ずっとうつむき気味でいて、そこにいた義母以外のみんなは気まずい雰囲気に包まれました。
よく義母は「私は素直だから」と言います。よく言えば素直ですが、私から見たらデリカシーのない人。必死に笑顔を張り付けて答えようとしていたお嫁さんが、不憫でなりませんでした。
お嫁さんの体型をさんざん口にしていた義母。実はそんな義母はお嫁さん以上に、でっぷりとふくよかな体型です。今回目の前でお嫁さんの体型を指摘していた義母に、心の中では「あんたに言われたくないわ!」とツッコまずにはいられなかった私でした。
(ファンファン福岡公式ライター/K)