早期発見につなげる画像診断とは?【吉田クリニック】

 画像診断と言ってもCTとMRIの違いがわからない、など意外にも知らないことが多いのではないでしょうか?そんな画像診断について吉田クリニックの吉田守克先生にお聞きしました。

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【放射線科専門医】吉田クリニック 吉田守克先生

 長崎県出身。熊本大学医学部卒業後、同大附属病院や熊本労災病院に勤務。地域専門医推進学寄附講座特任助教、熊本大学命科学研究部画像動態応用医学共同研究講座特任助教、天草地域医療センター放射線科・放射線部部長を経て、2022年に吉田クリニックを開院。

精密な画像診断なら早期発見につながりやすい

 一般的ながん検診では、胸部レントゲンや腹部エコーでがんの有無を調べます。しかしながら、早期の小さながんをレントゲンで見つけるのは難しく、ある程度の大きさになったがんを見つけることができるのも全体の6~8割だといわれています。また、腹部の超音波検査でもいろいろな臓器の奥にある膵がんは見つけにくいもの。膵臓の中でも膵体部や膵尾部になるとさらに発見が難しくなりますが、その部分にもがんは出てきます。

 胃の調子が悪いと別の内科を受診した患者さんの場合、たまたま内視鏡検査でピロリ菌が見つかり、除菌することで痛みを少し改善できましたが、それでも調子が悪いと内科を再受診。当院を紹介していただき画像診断したところ、膵がんが進行していたことがわかりました。症状が出て当院で画像診断を受けるまで約2カ月。結果的に治療法は変わらないかも知れませんが、精密な画像診断で早期発見できることも多くあると考えています。

毎年健診を受けているのに診断が難しかったケースも

 鎖骨のできものが気になると当院を受診し、画像診断で肺がんが見つかった患者さんの場合、毎年健診でレントゲンを撮っていましたが、異常を指摘されたことはなかったといいます。このケースでは心臓や大血管がある縦隔と呼ばれる場所にできた肺癌であり縦隔が少しずつ拡張していたはずなのですが、レントゲンでの発見は難しく、毎年の健診でも見落とされていました。もし、どこかでCTを撮り早くに発見できていれば、違う治療法を選択できた可能性もあります。

 がんが進行すると治療するにも身体への負担が大きく、がんをいかに早期発見できるかが大事になります。レントゲンや超音波だけでは診断の難しいケースもあるため、CTやMRIを駆使しながら診断することで安心を確保できる面があると思います。肺がんが心配であるため画像診断するとなると、保険診療の対象になりません。しかし、健康への投資ということでCTやMRIを用いた人間ドックも一つの有効手段だといえます。

わかりにくい痛みの原因を精密画像で的確に診断

 女性の患者さんで腹部に痛みの症状がある場合、胃腸科系と婦人科系、どちらの疾患なのか判断が難しく、クリニックを梯子してしまうこともあるようです。最初は内科にかかり、腹部エコーで卵巣が腫れているようだと婦人科を受診。検査しても原因を特定できず、ホルモンバランスの問題かもと抗生剤と痛み止めを処方されましたが、症状が改善されないと当院へ。CTを撮りわかったのは大腸の炎症でした。

 また、同じようなケースで血尿が出て泌尿器科を受診。膀胱炎だろうと抗生剤と痛み止めを飲むけれど改善せず、次に婦人科を受診。それでも特定できないと当院でCTを撮ると、虫垂炎が確認されました。炎症が膀胱の近くで起こったことで、二次的に膀胱炎となり血尿が出ていたと思われます。

 このように特定が難しかった病気を画像診断により特定できるケースも多くあります。

少しでも早く画像診断にアクセスして早期治療へ

 ひと昔前は、CTやMRIを簡単に撮ることができない時代でしたが、近年は画像診断が医療のスタンダードとなり、設備さえあればクリニックでも精密な画像診断が可能です。脳ドックで脳動脈瘤を見つけ、くも膜下出血が起きる前に治療することでリスクを抑えるなど、画像診断の恩恵は広がっています。

 そもそも何が原因で痛みがあるのかわからない患者さんにとって、症状を早く改善するために原因を早く特定したいのは当然のこと。現代医学では、診断により治療や薬の内容も大きく異なるため、原因特定が必要な患者さんが少しでも早く画像診断にアクセスでき、できるだけ素早く正確な診断につながることも大切だと考えています。

 画像でより正確な診断や治療を行うことが、当院のコンセプトでもあります。受診と人間ドックを上手に使い分けていただけたらと思いますね。

こんなときはすぐ相談を!

 大学病院と同等の高性能装置を備え、内科受診から人間ドックまで実施しています。すべての症例で見落としがないよう放射線診断専門医が2名体制でダブルチェック。早期治療や予防のためにも画像診断を上手に利用していただきたいと思っています。お気軽にご相談ください。

CTとMRIの違いって?

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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「こんなとき、だれに相談すればいい?」
気になる病気や症例を専門医がアドバイスします。

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