子どもが生まれると用意するものがたくさん。お祝いを頂けたらありがたいですよね。現金や商品券なら「何に使おうかな?」というワクワク感も。ところが私は、義父のある行動のせいでモヤモヤする展開となってしまったのです。
わが家に歩行器は必要?
娘が生後5カ月のある日、市が主催するママ講座へ参加しました。地域支援室に新米ママが集まって保育士からベビーマッサージや離乳食について教えてもらい、最後は質疑応答の時間。あるママが
「歩行器はあった方がいいですか?」と質問すると、保育士は
「どちらでもいいけど、もし使うなら時期と場所に注意が必要」と答えていました。
理由は2つあるそうです。
1つ目は「使い始めるのはおすわりが出来るようになってから。下半身に筋肉がしっかりつく前に歩く練習を始めると、歩き方に悪い癖がつく可能性があるから」。
2つ目は「安全に使用できるスペースを確保できないと、歩行器が頻繁に壁や家具にぶつかってしまい、赤ちゃんが怪我する恐れがあるから」。
当時のわが家は賃貸住宅。12畳のリビングダイニングには食器棚やレンジ台など、ぶつかると危険な家具が置いてあり、他の2部屋はベランダに繋がる大きなガラス窓があります。その日の夜に夫婦で話し合い「わが家は歩行器を使わない」という結論になりました。
数週間後、コロコロ寝返りする娘を見た義父から
「歩行器は買わないの?」と聞かれました。義父が言うには、夫が赤ちゃんのとき、歩行器で楽しく遊んでいたそうです。夫が
「うちは狭いし買わないよ」と答えると、義父は
「子どもが喜ぶから、歩行器は絶対あった方がいい!」と強く薦めてきます。
自分が絶対こうだと思うことについて、義父は普段から聞く耳を持ちません。何度も薦める義父に夫がやんわり断る姿勢を貫き、その日は義実家を後にしました。
義父がとった驚きの行動
ところがさらに数週間後…。私が外出している間に夫と娘の2人で義実家へ行っていたのですが、帰宅した夫から驚きの報告が!
他県に住む義父の姉が「なかなか会えないから」と、出産祝いの商品券を義父に預けていたそうです。しかしすでに使われており、使い道はあれだけいらないと伝えていた歩行器!
義父の強い意思に、義母も止められなかったそうです。
「もう買ってしまったから仕方がない」と夫は諦めモード。しかし私は、義父の行動を受け入れられずにモヤモヤしてしまいました。
翌月に義実家へ行くと、娘はすぐ義父に抱えられ、リビングの真ん中に置かれた歩行器へ。不思議そうな顔をしながらも、よちよち歩いたり音が鳴るボタンを押したりして遊び始めました。
義父のとても満足そうな姿を見て、義実家で娘を遊ばせる道具になるならいいかと思い直すことにしました。
ところが、夕食中に義父が
「歩行器持って帰ってもいいよ」と言うのです。夫が
「うちには置くスペースがないからいらない」と言いますが、義父は
「おもちゃの部分を取り外すと食事用のテーブルになるし便利だよ」と引きません。
「食事用テーブルと椅子はもう持っているから…」と夫が答えても効果なし。
私は夫の横で苦笑いしながら聞いていました。しかし、繰り返される同じようなやり取り、引かない義父と強く断らない夫に段々イライラしてきました。人に強く意見するのは苦手な私ですが
「うちで使ったら食器棚とか窓にぶつかっちゃいそうで危ないです!」と思い切って発言すると、義父はようやく諦めたのか何も言わなくなりました。
歩行器の行方は…
義実家に置きっぱなしになった歩行器を娘が使用した回数は、結局5回ほどでした。
2年後に息子が誕生して出番再来かと思いきや、息子が乗っている歩行器を娘が勢いよく押してしまう事態に…。何度も息子の足が巻き込まれそうになって危ないため、すぐに片付けられました。以降、登場の機会を失った歩行器はキレイな状態で義実家に眠っています。
義父がお祝いをそのまま渡してくれていたら、可愛い洋服など、もっと実用性が高いものに使えたのに…。自分がこうだと思ったら、相手の意見を聞き入れず行動してしまう義父の性格は困りものです。通用するか分かりませんが、今後は義父に対してはっきり意思表示をしていくつもりです。
(ファンファン福岡公式ライター/坂 真琴)