「いい物は売り切れるよ!」情報通なママ友 セールに強制的に行かされる羽目に

 ママ友って、どんなイメージですか? 学生時代からの友人と違い、いろいろと気を遣う事も少なくないと思います。これは私の、初めてできたママ友と、うまく距離をとれず失敗した話です。

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明るく話やすいAさん

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 3番目の子どもの育休中、子ども達と公園に行くと、同じく子どもを連れていたAさんが話しかけてくれました。
 明るく、話しやすいAさんも3人の子どものママでした。真ん中の子どもと、私の1番上の子どもが同級生だとわかり、連絡先を交換。これまで、保育園と職場の往復ばかりでママ友がいなかった私。初めてのママ友だ…! と舞い上がりました。

 Aさんは、上の子が4年生ということもあり、ママ友が多いようでした。そのため、良くも悪くも顔が広く、情報通で噂好き。
 「Cさんの住むあそこの家は家賃ウン十万だよ」
 「Dさんの子どもはみんなから好かれてないから気を付けて!」といった返事に困るような噂話から、
 「××の上靴、安いし汚れが落ちやすいよ」
 「役員になるなら△△委員がおすすめ!」など、かなり助かる情報もありました。
 
 合わないかも… と感じることもあるけど、根が悪い人じゃないし、子ども同士仲がいいし…。今のような付き合いも育休の間だけだろうと割り切り、お互いの家でしばしば遊んでいました。

行かなきゃ損する!? お得情報

 Aさんの家に遊びに行き、そろそろ帰ろうかな、と考えていた16時過ぎ。車で30分ほどのところにある、お店の話をAさんが始めました。
 「見て、これ。うちの母親が行って、送ってきたんだけど、安くない?」携帯で見せられたのは、6割引きの値引きシールの張られた絵具セットの写真。

 「在庫処分で、いろいろ今安いの。私も今日の午前中行ってきてこれ買ったよ」
 「いいね~。明後日くらいに行けたら行ってみようかな」帰った後の家事の段取りを考えつつ、暇だったら行こうかな、くらいの空返事をしていました。
 「明後日だともういい物は売り切れてるよ! あ、今から行ってくれば?」
 
 「え、今から?」
 「うん、せっかくだし行っておいで! 上の二人はご飯食べさせとくし」末っ子のご飯もあるし、今から一番忙しい時間だし、Aさんに悪いし、とやんわり伝えて断ろうとしましたが、いいから、いいから! と聞く耳を持ってもらえず。
 「やったー! ご飯ここで食べる!!」やり取りが子ども達の耳に入ってしまい、後に引けない状態に…。

 「今からとか無理! 帰る!」とは、その空気の中、できたばかりのママ友には、とても言えませんでした。
 
 「行ってらっしゃい!」あっという間に私と末っ子は家の前に放り出されました。時刻は16時半。往復1時間、帰宅後の段取りを逆算しても18時過ぎには自宅に帰りたい…。

セールに行って、学んだこと

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 私は車を飛ばし、お店へ向かいました。
 「着いたよ、子ども達迷惑かけてないかな?」LINEで様子を確認しつつ、ご飯を食べさせてもらっているんだしお礼がいるか… と考えていると、
 「まだ残ってたら、これ買ってきてもらえる?」Aさんから値引きされた簡易テーブルの写真が送られてきました。

 末っ子を連れた状態で、テーブル? ともやっとしましたが、私はセールに来させてもらっている立場…。言われたものを探したり、遠くまで来たからには色々見たい! と欲が出たり、時計とラインを気にしながら早足で歩きまわり、もう汗だく。指定のものは見当たらず、少し安くなっていた日用品を自分用に、掃除用品をお礼に買って、お店を後にしました。
 
 Aさん宅に戻ったのは結局18時すぎ。子どもたちは楽しい時間を過ごせたようで、まだ遊びたいというのを追い立て、自宅へ帰りました。超特急で末っ子のご飯をすませ、お風呂、着替え、寝かしつけ…、すべてが終わった後、どっと疲れが出たのは言うまでもありません。これまで友人にここまで強く何かを押し付けられたことがなかったので、かなり衝撃を受けました。

 その後、数回Aさんと遊びましたが、育休が終わると、ぱたっと遊ばなくなりました。会えば軽く話はしますが、お互い誘うことはありません。たまに公園でママ友数人と話し込んでいるのを見かけますが、ささっと通り過ぎるようにしています。

 合わない人はやっぱり合わないし、ここぞの時は自分の意見をはっきり伝える! Aさんとの出会いはママ友付き合いについて勉強するいい機会になりました。

(ファンファン福岡公式ライター/かきくけ子)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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