娘が入学した公立中学校は、地域で一番評判が良く、募集定員数を超える人気ぶりでした。数年前までは素行の悪い生徒が多く、荒れていた学校が劇的に改善したのは、ある先生が赴任してから。そのT先生は、熱血教師と評判の男性教師です。40代半ばで体格も良く、一見無愛想な印象。体育教師で、女子バレー部の顧問でもありました。ちょうど娘の学年主任という事もあり、娘は「中学に入学したらバレー部に入る!」と、とても楽しみにしていたのですが…。熱血教師の裏の顔が明らかになっていきます。
熱血教師の本性とは
その年、バレー部に入部した生徒は、娘含め6名。
しかし、部活が始まってみると、T先生は普段の練習には全く顔を出さないようでした。娘達はまだ入部したばかりなので、キャプテンの指示のもと、壁打ちやパスなど簡単な練習だけをやらされていたそう。
そんな中、他校との練習試合の前日になりました。先輩達の練習優先のため、娘達は見学です。ようやく顔を出したT先生は、練習している先輩達に向かって突然
「声が全然出てねぇんだよ!」と怒鳴り、近くにあったパイプ椅子を投げつけたというのです! さらに、自分の携帯も投げつけ壊れてバラバラになった部品を先輩達に拾わせていたそう。体育館での出来事だったので、他の先生や生徒も目撃していたようでした。
でも他の先生達は、見慣れた様子で苦笑いしていたそう。
ショックを受けながらも辞めない娘達
娘はとてもショックを受けた様子だったので、私は
「すぐ辞めなさい!」と言ったのですが
「友達もいるし頑張る!」と言って聞きません。
ママ友の子も同じバレー部の一年生だったので、連絡をとり今回の出来事を話すことに。ママ友は
「それは聞いてない!」と驚きを隠せない様子でした。ママ友の子は
「親に話したら辞めさせられる…」と思って言えなかったというのです。
ママ友と相談し、もう少し様子をみようという事になりました。
暴力教師を庇う先生や先輩
練習試合当日、娘達も会場で応援していました。ところが試合の途中に、ミスをした生徒を蹴るなどエスカレートするT先生の暴力。試合に負けてしまい、他校の生徒が帰った後も、先輩全員に往復ビンタをしていたそう。中でもキャプテンには一番当たりが強く、倒れても髪をひっぱり引きずり回したというのです!
それを目の当たりにした一年生は、怖くてみんな泣いてしまったといいます。その話を娘から聞き、「このまま続けさせるわけにはいかない」と強く思いました。
娘によると、先輩達は
「普段は優しい先生だから…」と庇っていたそう。驚く事に、先輩達の保護者も黙認し、T先生の事を悪く言わないのです。練習試合の帰りには、奢ってくれたり、冗談を言うなど優しい所もあるというのですが…。
私は、人の子に暴力をふるう先生に対して不信感しかわきませんでした。
ようやく体罰が表沙汰に
娘を説得し、暴力の件は言わない約束で他の部活へ転部させました。娘はバレー部に残った友達の事をとても心配していました。結局、その後に友達も転部したようです。
娘達が辞めた後、体罰や暴言を目撃した他校の生徒や保護者が報告したようで、教育委員会からアンケート調査が来ました。その時もT先生は、自分が見ている前でアンケートを書くよう、生徒達に指示したといいます。
しかし、アンケート調査の数カ月後、T先生は他校へ異動になりました。噂では異動先の学校でも問題を起こし、今では先生を辞めたとか…。今まで何年も問題にならなかったのが不思議です。
私からすれば“熱血教師”をはき違え、暴力で脅し怖がらせて、言う事を聞かせていただけの先生でした。
そんな先生でも、なぜか慕っている生徒や保護者も多いから厄介です。暴力教師から子どもを守るために、なるべく関わらせないように導くのも、親としてできる事なのかもしれません。
(ファンファン福岡公式ライター / パール)