結婚して3年の32歳の友人が「そろそろ赤ちゃん、ほしいなあ」と思っているそうなのですが、なかなか授からないといいます。周囲からは何も言われはしないけれど、無言のプレッシャーを感じているらしく「不妊治療が必要かしら」と考えているとか。そんな話をしていたところ、気になる本を見つけました。福岡市・天神の「古賀文敏ウィメンズクリニック」院長の古賀文敏先生が書いた新刊です。
福岡市の「古賀文敏ウィメンズクリニック」院長が教える妊活習慣
これは、生殖医療のクリニックとしてよく知られた福岡市・天神の「古賀文敏ウィメンズクリニック」院長の古賀文敏先生が書いた「子宮内フローラを整える習慣『妊活スープ』で妊娠体質に変わる」(青春出版社、1540円)。 腸内フローラはよく聞くけれど、子宮内フローラって何? 早速、ググってみると、去年開かれた日本受精着床学会などでも多くの報告があった最新の研究成果といいます。子宮内フローラを整えることで妊娠体質に変わることができると、同書の「はじめに」にも書いてあります。
子宮内にも善玉菌。悪玉菌から子宮の環境を守る
そもそもフローラって、細菌叢(そう)のことですって。子宮内は無菌だといわれていたんだけど、健康な子宮にはラクトバチルスっていう善玉菌がたくさんいて、悪玉菌が増殖して子宮内の環境を乱すのを防いでいることが分かってきたのだそうです。本では、子宮内フローラが正常だと体外受精の妊娠率が70%だったのに対して、子宮内フローラが乱れると30%に落ちてしまった、というスペインでの研究結果なども報告されていました。 そうか、このラクトバチルスが大事なんだな。じゃあ、どうすればいいのでしょう?
食生活の改善が鍵。ボーンブロスと呼ばれる「妊活スープ」
古賀先生の本には、子宮内フローラは腸内フローラと関係する可能性が大きいと書いてあります。そこでタイトルにもある「妊活スープ」に注目。本では、やせすぎタイプ、ストレスタイプ、食べすぎタイプ、かためこみタイプといった食生活・体調チェック表が載っていて、妊活スープを軸に、それぞれのタイプ別の食生活の改善法が紹介されています。 妊活スープは鶏や豚、牛の骨をコトコト煮出して作る栄養たっぷりのスープで、欧米では「ボーンブロス」といって、よく知られた食事法だそうです。
いつも本を手元に置いて毎日の食事に取り入れよう
本には、たんぱく質や炭水化物、ミネラルなど、何をどのように食べたらいいかなど、もっと詳しいことがたくさん書いてあります。科学的根拠に基づいて、日本産婦人科学会の専門医で福岡大学産婦人科臨床教授でもある古賀先生が書いた本なので、読み飛ばすだけでは頭に入らないけれど、分かりやすい、やさしい言葉で書かれているので最後までしっかり読めそう。一度、通して読んでからはいつも手元に置いて、毎日の食生活に取り入れようと思いました。 赤ちゃんが欲しいと考えている人だけでなく、健康的な食生活をしたい多くの人に薦めたい本だと思いました。
<著者プロフィル> 古賀文敏ウイメンズクリニック院長。日本産科婦人科学会専門医、臨床遺伝専門医、福岡大学産婦人科臨床教授。大分医科大学(現大分大学)卒業後、久留米大学産科婦人科学教室に入局。国立小倉病院や久留米大学病院などで不妊治療にあたり、2007年福岡市に開業。丁寧な診察と高い技術が評判となり、遠方からも多くの患者が訪れている。 ―青春出版社「子宮内フローラを整える習慣『妊活スープ』で妊娠体質に変わる」より