息子が小学4年生の時のこと。PTA役員を決める保護者会に出席しました。私自身、もう4回目の保護者会で慣れたものです。ところが、私の予想をはるかに超えるドン引きママがいたのです。
緊張のくじ引き
毎年の事ですが、立候補者なんていません。何が嫌だという事もないのですが、とにかく面倒くさそうなので、私だってやりたくありません。結果的に、あみだくじで公平に決めることになりました。
私なりの必勝法は、何も考えないで引く事! 嫌だと思い過ぎたり、最後までごねている人が当たることが多い気がします。とはいえ、保護者会に来ているのは半数ほど。半分の人は委任状を出しています。くじ引きをして、役員4名が選出されることになります。
くじ引きの結果… 私はセーフ! 当たった人は肩を落としていました。私は「今年も一年平和に暮らせる」と喜んでいたのですが、翌日予想もしなかった展開が待っていました。
突然押しかけてきたママ友
家でのんびりしていると、突然インターホンが鳴りました。
見ると、息子と同じクラスの子を持つママ友、Tさんでした。私は「息子が何か問題を起こしたのか?!」と思い、急いで外に出ました。Tさんとは今まで話した事がなかったので、嫌な予感がしたのです。
「息子が何かしましたか?」そう言うと彼女は
「まさか! いつも仲良くしていただいてありがとうございます。今日は少し話を聞いていただきたく参りました」と一言。問題が起こっていないならよかった! するとTさんは、突然涙を拭いだしました。どうやら、一緒に役員に当たったHさんが嫌で困っているというのです。Hさんは、私も知っている人ですが、特に不快に思ったことはありません。
「役員を代わっていただけないでしょうか? 私は夜も眠れずご飯も喉を通りません…」と涙ながらに訴えるTさん。
本音は絶対イヤです。でも彼女が眠れないくらい悩んでいるのなら、同じ母親として無視できないと思いました。
「私以外にもあたってください。私も嫌ですが、どうしようも無くなったらまた考えます…」そう言って、Tさんには帰ってもらいました。
その晩。夫に話すと、呆れていました。
「眠れずにご飯も喉が通らないって… そんなの昨日の今日だからだって! 個人的に交代したら、今後のシステムにも支障が出るからやめたほうがいい」
確かに! そもそも、みんな嫌なのです。こんなやり方はズルいと思いました。
断ると逆襲がはじまった
翌日、
「やはり個人的に交代するのは無理だ」とお断りしました。すると、手のひらを返したかのように開き直ったTさん!
「分かってもらえないなら、もういいです!」と言って、電話を切られました。私は悪くないのに、後味の悪い話だなと思ていると…。
その一週間後、家に帰ってきた息子の元気がありません。なんと、Tさんの子どもに嫌がらせをされたというのです。いつも一緒に帰っていたのに、息子だけ無視して帰るのがもう3日も続いているとか。その子はガキ大将のようで皆を従えています。でも、そんなの黙っていられません!
旦那さんにも聞いてもらおうと、夜にTさん宅へ伺うことにしました。息子には聞かせたくなかったので私一人で参戦です!
旦那さんが出てきたので、役員交代のいきさつから、子どものイジメまで話しました。すると、旦那さんが息子さんを連れてきてくれました。
すると
「ママが〇〇くん(うちの息子)とは遊ぶの禁止、と言ったから…」と泣きはじめました。この事態に怒った旦那さん。今度は、私の目の前でTさんに怒っています! Tさんは私を睨んでいましたが、しばらくすると泣き始めました。
この光景は、さすがに他人に見られたくないだろうと思い、私は帰りました。
たかが役員、されど役員
後日、旦那さんに連れられたTさんが、わが家に菓子折りを持って謝りに来ました。
旦那さんが
「この度は、妻が申し訳ありませんでした。子どもの事も含め2人にはきちんと言い聞かせました。ほら、お前も謝れ!」と言うと、Tさんも謝っていました。
いつまでも引きずっても仕方がないし、正直関わりたくないけれど、子どもの事もあるので今回の件は水に流すことにしました。
「たかが役員、されど役員」。子どもより大人の方が厄介な事ってあるなと痛感した出来事です。
(ファンファン福岡公式ライター / まぁこ)