福岡市中央区大名にそびえ立つビルとコミュニティー広場。「福岡大名ガーデンシティ」タワー棟のオフィス入居が4月から始まり、4月6日にメディア向けの内覧会が実施され、ファンファン福岡編集部も参加しました。高さ111m、地上25階建てのタワー棟の施設紹介に加え、主催の積水ハウスのあいさつ、ステート・ストリート信託銀行取締役会長で福岡県国際金融アドバイザーの高橋秀行さんによる基調講演「ビジネス拠点としての福岡」も。講演の様子をリポートします。
開発企業・積水ハウスが期待する将来像「にぎわい創出しシナジー起こす場に」
「ビジネスチャンスを生む拠点に」 宮島一仁 積水ハウスマンション事業本部長
本日、タワー棟が正式にオープンしました。1、2階のビオスクエア、3、4階にDAIMYO CONFERENCE(大名カンファレンス)、5~16階にはSグレードオフィスを配置。17~25階のラグジュアリーホテル「ザ・リッツ・カールトン福岡」は6 月21日(水)のオープンを予定しています。
アジアのリーダー都市として成長し続けている福岡市は、新しい企業が進出しインバウンドが回復傾向にある今、国内外に向けてのビジネス拠点として魅力的な都市です。新たな挑戦をしようとしている企業は、当施設とコラボレーションすることによってビジネスチャンスを生み、成長につながると思います。
「福岡の人・モノ・コトが起こす“ミート シナジー”」 竹下盛人 積水ハウス福岡マンション事業部長
福岡市は交通の利便性や人口増加率が高く、天神と博多駅の再開発プロジェクトにより、さらなる経済成長が期待されます。中でも、城下町として栄えた大名エリアは鍵型路地の特徴により人が集いやすく、古くからにぎわってきた歴史があります。その後、九州の中心地として成長しました。
門をモチーフにした当施設のコンセプトは「MEET SYNERGY(ミート シナジー) 門をくぐって、次の福岡へ」。施設内にはラグジュアリーホテル、商業施設、公共施設、レジデンスなどを備えています。それらをつなぐ真ん中の広場では多様なイベントを開催し、にぎわいを創出します。福岡の人・モノ・コトが交流、融合、共鳴し、「ミート シナジー」という現象が起こる。それが福岡大名ガーデンシティの存在意義です。
アジア戦略、リスクヘッジ…金融のプロが見る、福岡という都市のポテンシャルの高さ
「企業にも働く人にもメリットある福岡」
福岡県国際金融アドバイザー、ステート・ストリート信託銀行取締役会長 高橋秀行さん
ステート・ストリート信託銀行は米国ボストンに本社を置き、約230年続く企業です。機関投資家(銀行、保険会社など)による株式や債券などの資産を一括して管理するビジネスを展開しています。日本への進出は1990年。2011年の東日本大震災発生時、東京の本店は六本木・東京ミッドタウンの40階にありました。資産管理ビジネスは顧客から預かった株や債券の、その日の時価をその日のうちに集計して伝えるのが仕事です。地震後に避難した社員は会社に戻ることができず、仕事ができませんでした。そのような事態を避けるために、東京都調布市と横浜市にバックアップオフィスを構えていたのですが、あれほどの大規模な震災に対応することはできなかったのです。
その経験からリスク分散の必要性を感じ、東京以外の場所にも拠点を置こうと候補地の検討を重ね、最後まで残ったのが福岡市、札幌市、神戸市の3都市でした。最終的には、(1)東京から離れているため業務分散が確保できる(2)多くの優秀な大学があり経済界としても多くの卒業生を輩出している(3)福岡そのものが東京、大阪に並ぶ優秀な金融センターである(4)働く従業員にとって魅力的な場所である(5)国際空港が近く、新幹線もあり交通の便が良い(6)アジア市場に有利な立地―といったメリットから福岡に決め、2012年に福岡営業所を設立しました。
現在、福岡営業所では20カ国の社員が働いています。男女比率は半々、日本と外国籍の社員は6:4で、ダイバーシティに対応したオフィスです。20カ国それぞれの文化をバックグラウンドに持つ人々が福岡で生活していますが、彼らから住みにくいなどと聞いたことはありません。福岡は長い歴史からみても、アジアのハブとして多くの国の人が行き交う場所であり、人々は外国人を受け入れるコスモポリタンとしての素養を持っていると感じます。
このように福岡はポテンシャルの高い都市。アジア戦略をはじめ、日本への投資を考える世界の企業にとって、外国籍の人も利用しやすいホテルや機能的な設備がそろう福岡大名ガーデンシティは、参考になる存在だと思います。