人間界では、積極的に育児に関わるダンナを「イクメン」というらしいが、わが猫界にも、イクメン猫が現れたぞ。ここ福岡にある、おれサニの家の庭でのさばる「うし」だ。
このサ日記読者なら毎度おなじみの、このホルスタインのような柄で図体もでかい猫がうしだ。何年か姿を見ないと思っていたら、半年くらい前から再びやって来るようになった。どこかに修行に出ていたものとみられる。
ちょっと前にうちの飼い主に捕まえられて、病院で去勢手術、地域猫の仲間入りをした。右耳が「さくら耳」になっている。捕獲かごの中に居るときも、ジタバタせず妙に落ち着いていたらしい。
そのうしが、いつの間にかマイホームパパになっていた。奥さんと子猫二匹を連れて、庭でしばしばくつろいでいる。
奥さんというのは、おれのところに弟子入りしてきたチョビのお母さん、通称「チョビママ」だ。数か月前に新しい子猫を二匹連れて来るようになった。
その後、チョビママもうちの飼い主により、病院に連れて行かれ、避妊手術をしてさくら猫(地域猫)になった。なので、うしとチョビ夫婦の子どもは今の二匹が最後ということになる。
それにしても、オスの親猫が子どもの面倒をみる家庭猫になるのは珍しい。かつてのうしがそうだったように、オス猫はだいたい風来坊のようにどこかに行ってしまうものだ。
チョビママは、いつも子猫を守る態勢をとってたくましい様子だが、一見すると、うしはただ近くで寝そべっているだけにも見える。だが、そう見えて、少し離れたところから子猫二匹を見守って外敵が近づくのを防いでいるという。
そのわりには、二、三日前、くまが子猫の近くで毛づくろいをしていたが。
この黒猫くまは久々に登場だ。うしと並んでこの近所では身体がでかい。しばらく見なかったのは、やはり旅に出ていたのか。
子猫きょうだいは似ているようで、ちょっと違う。
こちらが、白い部分が多い方。
チョビにちょいと似てるかも。
野良ではあるが、こいつの方が少し人間に寄ってくるそうだ。
そして、こちらが、黒っぽい部分が多い方。疑り深い目つきをしている。
足の模様が非対称なのが、特徴だ。
猫は少しでも高い所に登りたがる。
こんな狭いところも好きだ。
お母さんは、油断せず見張ってる。元々はこの箱はチョビママが愛用していたのだが、「気持ちがいいよ」と教えてやったのかもしれん。
梅棚に二匹して上がっている。小さいが、すばしこく高い場所も平気だ。
うしも、わが子たちの成長に目を細めているのか。ただ寝ているだけか。存在感はある。
一応家猫になったチョビも、うし一家の様子を見ておる。すぐ外に出たがるから、うらやましいのだろう。
これは、飼い主が洗濯物を干しているすきをついて脱走しようとしたものの、カギを閉められ、不満気な様子。
一度脱出に成功すると、半日くらい遊びまわっていたチョビも、最近はわりと短時間で自主的に帰って来るようになった。家の居心地の良さがわかってきたとみえる。
おれの先代猫のみぃさんもおれも使わなかった猫つぐらも愛用するし、キャットタワーも活用するので、飼い主も「無駄遣いにならんで済んだ」と、チョビを褒めたたえている。
「どういたしまして。あたたかいねぐらを与えていただき、ありがとうございます」と、チョビが言うわけはない。
当然のような顔でえらそうにしてる。
チョビは生まれて1年半近くなるはずなので、人間でいえば大人のはずなのに、まだ小学生のように「遊んでくれ」とちょっかいを出してくる。おれはいいトシだから、ゆっくりしたい。出来るだけ相手にしないようにしているが、時々ムキになって戦ってしまう。
夏みたいに暑い日があるかと思えば、急に寒くなったり。そんな日はふかふかの毛布の上で過ごすのがいちばん。
そうそう。4月の地域猫カレンダーだ。イタズラ子猫と落ち着いた猫の組み合わせだ。これがその1。
これがその2。上の猫は、なんか緑の草木を「はい、そうぞ」と渡してるように見える。下の猫はいかにも猫らしくのん気にまどろんでいる。
今回、うし一家の話が中心でおれの写真が少なかったな。だが、うしたちは珍しい夫婦一緒に過ごす猫家族なので、しばらくちょいちょい紹介していこう。
それではみなさん、ぼちぼち連休ですか。お達者で、またお会いしましょう。