親の頭を悩ませるPTAへの参加。役員をやることにしたママ友のもとに、ずっとあきらめていた第二子が宿ります。ところが、周りは良い顔をせず…。彼女は無理をしてしまい、大変なことになるのです。
PTA役員は早くやるほうがいい?
私の娘が通う小学校のPTAには「在学中に1回はPTA役員をやる」というルールがあります。幼稚園が同じだったA君のママ は、入学した時にこんな話を聞いたそうです。
「高学年ほどやる気のない人が集まるでしょ。全然仕事しない人がいたり、まとまらなかったりで大変らしいよ!」
真面目なA君ママは、「それなら早いうちに役員をしよう」と思ったようでした。
子どもが2年生になると、広報部に立候補。ただの広報部員であれば行事のお手伝いをする程度なのですが、そのなかでも部長、副部長、会計の三役になると大変だという話も耳にしていました。三役になりたがる人はおらず、くじ引きで決めることが多いそう。
そしてA君ママは運悪く、会計係のくじを引いてしまったのでした。
まさかの妊娠! つわりでも激務をこなす日々
1学期も後半になったある時、スーパーでA君ママに遭遇。一回り痩せていて、「どうしたの?」と思わず声をかけました。
「実は妊娠したの。まだ初期だけど、PTAが精神的にきつくて…。」
A君は一人っ子です。7年授からなかったので、2人目はもう無理だと思っていた様子。今回の妊娠は、A君ママにとっては本当に奇跡だったのです。
5月の頭に妊娠に気づき、思いのほか重いつわりに悩まされたA君ママは、
「会計を誰かに変わってもらえないか」と部長、副部長に相談したんだそう。ところが…
「大変なのは皆一緒ですし、特別扱いできないです。」と部長。
「大体、役員やるなら普通避妊しません?」と副部長。
それから役員業務をしていても、全く協力してくれなくなったと言うではありませんか。つわりと心労で3kgもやせてしまった様子…。
「確かにタイミングは悪いかもしれないけど、こんなに悪意を向けられるなんて…。でもやるしかないわよね」と、A君ママはため息をついていました。
大量の出血… 入院してもPTAは絶対?!
なんとかこなしていたA君ママでしたが、その間も部長、副部長からは冷たい対応が続いたそうです。
運動会の時期にさしかかり、記念品の購入、他の役員への仕事の割り振りなど、A君ママは1人で必死に忙しい日々を過ごします。
運動会の翌日、お疲れ様のLINEを入れたところ、返事が来ません。心配していると、2日後に返信が。
「あの後、家で大量出血して、今入院しているの。部長に、『他の役員に会計を代わってほしい』って連絡したんだけど… 『最後まで全うしてもらいます』だって。病院で業務やっているよ」
病院では、絶対安静だと言われているのに、パパに頼んでパソコンを持ってきてもらったとのこと。病院スタッフの目を盗んで作業し、なんとか運動会の会計報告をすませたと聞いて、私も驚いてしまいました。
出産後 部長の一言に驚愕
会議などに出席できない分、入院中もLINEやリモート電話の嵐だったようです。
結局無理がたたったのか、8カ月で出産。赤ちゃんはNICUに入院することに。
出産したことを部長に報告すると、
「それなら来月の会議には出られますね。必ず来てください!」とお祝いの言葉もなしに言われて、めまいがしたそうです。
「役員やるときはママ友を何人か引き込んで、一緒にやった方がいいよ、絶対!」と、A君ママ。私も不測の事態に備えて、絶対に気心知れた人とやらないと、と恐怖を感じた出来事でした。
(ファンファン福岡公式ライター / まゆり)