「休み時間1人だった…」新クラスに馴染めない小2息子に友達ができるまで

 進級時にクラス替えがあると、仲良しさんと同じクラスになれるのか、新しいメンバーに馴染めるのか、親は子ども以上に心配です。わが家の息子はクラス替えで友達と離れ、孤立することに。今回は、息子が新クラスで居場所を見つけるまでの奮闘記をお話しします。

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新クラス、1人で過ごす休み時間

写真AC

 息子の性格は、どちらかと言えばおっとりしていて、初めての場所に自分から入っていけないタイプ。よちよち歩きの頃から、初めて行く公園や児童館ではじっと周囲を観察し、自分なりに「大丈夫」と判断したら遊び始めていました。

 そんな息子にとって、恐れていた事態が起こります。2年生の進級時、仲の良い友達数名とクラスが離れてしまったのです。新クラスで顔見知りの子は、幼稚園時代の女の子が数名という状況で、始業式初日は落ち込んで帰ってきました。

 「話す人がいなくてつまらない」そう言って肩を落とす息子に胸を痛めつつ、
 「きっとすぐに仲の良い子ができるよ!」と励ましました。

 新クラスになって最初の週は、憂鬱な様子で登校し、同じような様子で帰宅する日が続きます。休み時間の過ごし方を聞くと、一緒に遊ぶ友達がいなかったのでしょう。「花壇のお花を眺めてた」と、寂しそうに答えます。1年生の頃は休み時間のたび校庭に飛び出し、鬼ごっこや遊具で遊んだと聞いていたので、胸が苦しくなりました。

 「学校行きたくないな」ある朝、息子が玄関で靴を履きながらぼそりとつぶやきました。
 「もし辛かったら行かなくてもいいよ」私が答えると、息子は少し考えて
 「… 行くよ」と立ち上がります。
 「いってきます」
 「いってらっしゃい」息子を見送った後、私のほうが少し泣きました。

めげずに登校していると少しずつ変化が

 息子はクラスに友達がいない状況でも休むことなく登校しました。新学期が始まって2週間目、転機が訪れます。
久しぶりに
 「ただいまー!」と明るい声で帰ってきたので、良いことがあったのだとわかりました。息子は帰宅早々、笑顔で今日の出来事を話してくれます。

 「休み時間にクラスの中にいたら、友達といっぱい喋れたよ!」
 今日の中間休みや昼休みは、自由帳にキャラクターの絵を描いて過ごしたそうです。すると友達に
 「これ○○の絵?」と声をかけられ、好きなアニメやゲームの話題で盛り上がったとのこと。

 「明日、○○君と一緒に絵を描くんだ!」
息子の楽しそうな様子にほっと一安心。翌朝は、元気に
 「いってきまーす!」と出ていきました。

 その後も息子は、お絵描きで友達を増やしていった様子。最初に仲良くなった友達と2人で笑いながら絵を描いていると
 「何描いてるの!?」
 「うまいね!」と声をかけられたそうです。数人で同じノートに鉛筆を走らせたり、描いた絵を交換したり。声を弾ませて話す息子の表情で、楽しく過ごす休み時間の様子が目に浮かびました。

自分で見つけた居場所

写真AC

 GW前になると、息子は1年生のときのような明るい表情で登校するようになりました。帰宅してからも、楽しそうに学校の様子を話してくれます。

 「××君と一緒に水やり係になって、毎日クラスのお花に水をあげてるんだ!」
 「今、○○君と交換で漫画を描いてる」
 「誘われてドッチボールしたんだけど、△△君のボールがすごく強かった」

 息子の口からたくさんの友達の名前が飛び出し、覚えられないくらいでした。1学期が終わる頃には、新しい友達と「放課後の何時に公園集合ね!」と約束し、遊ぶように。
 「ただいま!」と帰宅したと思えば、3分後に
 「いってきます!」と公園へ出かけていきます。進級当初の様子が嘘のように、元気いっぱいどころか、元気がありあまっている様子でした。

 私は息子を幼い子どものように感じていましたが、いつのまにか自分で居場所を作れるほど成長していました。
 親は、子どもの試練を見守ることしかできない歯がゆい立場です。クラスで孤立する息子のために「何かアドバイスできることはないか」「学校に相談したほうがいいんじゃないか」と考えたこともありました。しかし、息子は自分で状況を打破し、これからの人生に必要な力を1つ身に付けたように思えます。
 これからも子どもの力を信じ、試練や挫折に立ち向かう息子を陰から支えたいです。

(ファンファン福岡公式ライター/芦谷)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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