わが家では、息子が5歳のときゲレンデデビューしました。比較的雪が少なく、アクセスしやすいゲレンデへ毎年行っていたのですが、そろそろ違う場所にも行ってみようと考え、雪深いゲレンデへ。スタッドレスタイヤを購入し、準備万端で出かけましたが、道中危険な思いをすることになったのでした。
息子5歳でスノボデビュー! 近所のゲレンデでは物足りず…
自宅から車で1時間かからない場所に、造雪機械を使って安定した積雪量を確保したゲレンデがあります。コースは短いですが、手軽に楽しめるので気に入っていました。何より道中に雪が積もることが少ないので、行きやすいのがメリットでした。
わが家では息子にもスノボをさせようと、5歳の冬から始めさせました。まずは斜面の緩やかなキッズゲレンデで練習です。最初は立つことも難しく、何度も転んだり、できないと叫んだりしていましたが、1時間経たないうちにキッズゲレンデを降りられるように。私たち夫婦は「飲み込みが早いなあ」と感心しました。
息子も小さなゲレンデでは物足りなくなったのか、もっと広いゲレンデへ行きたいと言い出しました。そこで私たちはもっと足を延ばして、別のゲレンデへ行ってみることにしたのです。
事前にルートを調べると、道幅は狭く積雪量が多い場所でした。行けるかな? と不安がよぎりましたが、スタッドレスタイヤを装着してチェーンを巻いておけば大丈夫だろう…そう考えて、準備しました。
いざ出発の日がやってきました。山道を走るうちに、どんどん雪の量が増えていきます。慣れない事態に、徐行運転で細心の注意を払いながら、なんとか無事に到着。そこで私たちは「意外と行けるもんだ!」と軽く思ってしまいました。まさか帰りにあんな体験をすることになるとは、想像できていなかったのです。
雪道の恐ろしさを痛感! 帰り道の恐怖
初めて滑る、広く距離の長いゲレンデに息子は大興奮。親子ともに目いっぱいスノボを楽しむことができました。気温が下がると道が凍結してしまう心配があるため、午後3時ごろにゲレンデを後にしました。
「すごく楽しかったね」と車内ではスノボの話で大盛り上がりです。ところが出発してすぐに、一瞬にして空気が凍り付く出来事が起こりました。駐車場から車道へ出たすぐに大きなカーブがあったのですが、そこで突然ハンドル操作が利かなくなり、ゆっくりと車が回転し始めたのです。
一瞬何が起きたのか分からず、私はパニック状態に陥りました。運転していた夫が
「スリップした」とひと言。私は隣にいた息子に覆いかぶさり、万が一の事態を覚悟しました。
時間にすると数秒です。特に衝撃音など聞こえず、車が静止しました。確認するために窓の外を見ると、スリップ前と同じ風景でした。幸い壁にぶつかることなく、きれいに1回転したようです。
危うく大事故になるところでした。神様ありがとう…。こんな状況で無事でいられたことに感謝しかありません。夫は冷静を装っていましたが、内心はとても恐ろしかったはず。息子は相当怖がっていました。
「怖い思いをさせてごめんね」と、抱きしめるしかありませんでした。
路面が凍結したカーブの手前で強めにブレーキをかけたのが、スリップの原因だったかもしれません。雪道運転に不慣れなうえ、スタッドレスタイヤとチェーンを装着しているから安心、と思い込んでいたことから起きてしまったスリップ。雪道を甘くみていました。
この日を境に、わが家では行き慣れた最寄りのゲレンデにだけ行くようになりました。違うゲレンデへ行くときは、バスを利用しようと考えています。
(ファンファン福岡公式ライター/伊藤 優香)