「私は歌で生きていきたい」ソロアーティスト・竹渕慶インタビュー

 シンガーソングライターグループ「Goose house(グースハウス)」で活躍し、現在はソロアーティストとしてツアーを行いながらYouTubeなどで動画をアップしている竹渕慶さん。7月7日(水)には、待望の最新アルバム「OVERTONES(オーバートーンズ)」が発売されます。コロナ禍でなかなかライブ活動ができない中、楽曲やファンについての思いを、リモートで取材しました。

出典:https://fanfunfukuoka.aumo.jp/

―今回のアルバムについて、一番思い入れのある楽曲、お気に入りの楽曲は。  全部思い入れがあるので一番は難しいですね。ファンの方たちと一緒に作った曲もすごく思い入れがあるんですが、“推し曲”というと1曲目の「Trust You That You Trust Me」。これは(竹渕さんのプロデュース等手掛ける)YAMOさんがアイデアやメロディーを一緒に考えてくれた曲で、「私があなたのことを信頼していることを、信じてね。私も、あなたが私のことを信頼してくれていることを信じているよ」という、言葉にしたらややこしいけど、そういう気持ちを歌った曲です。  コロナ禍で、今までファンの存在を確かめる場所だったライブができなくなってしまって、SNS上でつながってはいても「自分の音楽は本当に求められているんだろうか」と不安になっていました。音楽って、どうしても“不要不急”のカテゴリに入れられてしまう。「こうやって忘れられていくのかな」って、思っていたけど、「いつまでもライブをしてくれるのを待っています」という声をいただいて、「私たちも変わらず作り続けよう、発信し続けよう、会えなくても」と思えました。その気持ちが詰まった、ファンと私たちの関係を歌った曲です。  メロディーも今までに歌ったことのない挑戦的な曲調で、サビで息継ぎするタイミングがなくてきついんです(笑)。でも歌うたびに成長させてくれる、成長しないと歌えない曲なので気合を入れて歌っています。

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―レコーディングの回数も重ねた?  一息で歌い切らないといけないサビの後半は、本当に息継ぎができなかったので何度も撮り直しました。でもライブではそうはいかないので(笑)、歌いきれるように特訓中です! ―竹渕さんの特訓法は。  私の場合は体を柔らかくしておくことです。喉をいい状態にしておくためにはストレッチが大事らしく、喉専門の整体の先生に診てもらったときに、「足の先から頭まで全部筋肉はつながっているので、筋トレよりも柔らかくすることを意識して。硬いとこわばって喉もほぐれない」と言われたんです。 ―今回のアルバムタイトル「OVERTONES」に込めた思いは。  「倍音」っていう意味があるんですが、ファンの人たちから、「竹渕慶」を知らない人たちにもどんどん音が広がっていってほしいという気持ちを込めています。ファンの人たちとの今までの絆というイメージもありますね。アルバムに入っている曲がどんどんつながりを増やしてくれるのを期待しています。

―音楽を始めたきっかけは。  自分でもここっていうはっきり言えるタイミングはなくて、幼いころから歌うことが自然なことでした。人前で演奏して初めて歌ったのは「バンドやらない?」って誘われて始めた、高校生の時。生まれた時から、両親が音楽をすごく好きだったので、家ではずっと音楽が流れていました。お母さんが洋楽を好きで、お父さんはフォークソング。だからずっと音楽のある環境だったことが大きいです。 ―よく聞くアーティストなどは。  このジャンルをよく聞くっていうのは特にないです。ハマった曲があればそればっかり聞いています。今よく聞いているのは、YouTubeで主に活動されていて独自で音源の配信もしているMadilyn Bailey(マディリン・ベイリー)さん。米ロサンゼルスで活躍しているアーティストで、ずっと尊敬しています。マディリンさんの作る音楽は声などももちろんですが、歌詞のメッセージ性がすごく力がある。そこも含めハマっています。

出典:竹渕慶

―竹渕さんの楽曲制作へ影響を受けることも?  メッセージの発信の仕方や、活動の形態が私たち(竹渕さんとYAMOさん)に似ているんです。スモールチームでいろんな人から力を借りているところとか。(マディリンさんの楽曲で)「Red Ribbon(レッドリボン)」という曲があるのですが、これは世界中のがんと闘う人たちにメッセージを送る曲。「すべての曲にメッセージがあり、出す曲すべてに意味がある」と、闘っている人たちに寄り添うような曲をずっと作っていて、そういうメッセージの出し方には影響を受けているかもしれません。せっかく歌を通して何かを伝えるなら、誰かの力になるような曲を私も作りたいと思います。 ―竹渕さんにとっての「歌」とは。  自己表現の手段ですかね。私はあんまり自分の言葉で思ったりしていることを伝えるのが得意じゃないので。人見知りではないし、ものすごくしゃべるほうなんですけど、核心を言えないというか…。「本当はこう思っている」というのを伝えられないんです。でも歌を通してだとやっぱり自分と向き合うことになるので、歌詞に出てくる言葉は普段の会話では口にすることのない言葉や思いで、自分の感情を表現するひとつのツールなんだと思います。 ―歌詞を書く時は。  散歩している時などにぼーっと考えています。そういう時に考えていたことや浮かんだ言葉を突き詰めていくと歌詞になります。浮かんだことはメモに取っているのですが、読み返した時に自分でもわからない言葉がありますね(笑)。最近だと「濡れたまましまった折り畳み傘」というメモがあったのですが、書いたときに何を思ってメモしたのかが思い出せないんです(笑)。書いたときは「めっちゃいいじゃん! 歌詞になるな」って思ったんですけど。その時の気持ちは忘れていても、そこから言葉を合わせて歌詞にすることもあるんですけどね。

出典:竹渕慶

―渡航がなかなか実現できない状況ですが、海外への思いなど。  コロナ禍前の2019年まではいろんな国で歌って、映像を作っていたことが今では夢みたいに感じます。きっと海外のファンの方たちも同じ気持ちなんじゃないかなと。何でもないような呟きでもSNSに投稿すると、海外の人たちのほうがコメントをくれたりするんです。すごく遠い場所にいるのに私を諦めないでいてくれる。そういう反応を見ていると絶対に行かないと、と日に日に思いが強くなっています。 ―コロナ禍を経て、自分の中で変わったと思うことは。  変わったこととはたくさんあるけど、自分の中での衝撃的な変化はなかったですね。生活面でいうと、私は元々自宅に引きこもって作業をするタイプ。ただ、ライブができなくなってしまって改めて自分が思っているよりもライブの存在が大切だったんだなと気づきました。ライブが自分のモチベーションだったし、ないことで「本当に自分は求められているのか」とか、すごく悩みました。でもライブができなくてもこうやって続けているということは、私は歌で生きていきたいんだなと認識しなおして。改めて歌への思いを考えるきっかけになったと思います。

出典:竹渕慶

―福岡への思い出などはありますか。  グループ(Goose house)時代にライブで何度か訪れました! 鍋焼き餃子が衝撃的においしかったことを覚えています。ぜひまた行きたいなと思います。 ―今後挑戦してみたいことは。  今回のアルバムの中で「24 Hours」という曲があります。これはファンの人たちから集めた歌詞をつなげて作った曲。歌詞はこの曲でチャレンジしたので、今度はみんなの中から出てきたメロディーをつなぎ合わせて1曲作ってみたいですね! あとファンの方の演奏をつなげた1曲なんかもやってみたい。私が歌って、ファンのみんなにコーラスも作ってもらう。結構チャレンジングだと思うけどやってみたいです。  あとは常々「飛びたい」と思っているので、スカイダイビングは絶対にやってみたいです。パラグライダーはやったことがあるんですけど、やっぱり飛ぶならスカイダイビング(笑)。毎日イメージトレーニングはしています(笑)。 ―最後に読者へ一言。  本当にいつもありがとうございます、という一言に尽きます。私が今こうやって歌えているのはファンの方がいるからです。私にとってあなたの存在は大きいんだよ、と伝えたい。まだ先は見えない状況だけれど、ライブをしにまたいろんなところへ行きたいので、福岡に行ったときはまた鍋焼き餃子を食べにいきます(笑)。ライブで会える日を楽しみにしています!

竹渕慶(たけぶち・けい)プロフィル

▼1991年7月11日生まれ、東京都出身。幼少期を米ロサンゼルスで過ごす。2011年よりシンガーソングライターグループ「Goose house」で活動。2014年Sony Music Recordsよりソロミニアルバムを発売。2018年11月よりソロアーティストとして活動を開始。

アルバム「OVERTONES」2021年7月7日発売

出典:https://fanfunfukuoka.aumo.jp/

M-1 Trust You That You Trust Me M-2 In This Blanket M-3 Torch M-4 Love M-5 24 Hours M-6 lofi M-7 糸 (カバー) M-8 あなたへ M-9 クリスマスの話 M-10 Invisible M-11 Tokyo 3,300円(税込み) 2021年7月7日発売

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