初めての出産は分からないことだらけ。特に男の人にとっては未知の世界かもしれません。雑誌やネットでサポート情報を探している人もいると思いますが、一番大事なのは出産に臨む奥さんにしっかり寄り添うことです。今回は、間が悪すぎてちっとも寄り添えなかった夫のお話をご紹介します。
予定より早く陣痛が始まる
妊娠中は切迫気味だったため、いつでも入院できるように簡単な準備は済ませていました。しかし、マイペースで、おしりに火が付かないと準備できない夫とは、いざという時の段取りや、打ち合わせは全くできていませんでした。
すると予定より3週間早く、早朝に規則的なお腹の張りを感じ、おしるしの出血もあったのです…! 「きっとこれは陣痛だ!」と思った私は、寝ていた夫を慌てて起こし、心の準備もできないまま急いで病院へ行くことになりました。
なかなか進まないお産
病院に着いてすぐ診察してもらったものの、まだ時間がかかりそうだったので陣痛室で待機することになりました。しかし一向に陣痛が強くならず、夫も私も眠気に襲われる始末。
お昼が近づき、私は病院が用意してくれた昼食をとることに。
「この様子だと、まだお産まで時間がかかるかも」と言って、早朝から病院に張り付いていた夫も、仕事の段取りと昼食のため一旦出かけることになりました。
30分もあれば帰って来られると思った夫は、私には断りを入れたものの、病院には声もかけずに出かけてしまったのです…。
まさかの展開! 忘れられる夫
昼食を食べている時もまだ「少し生理痛が重いくらいだな」と余裕に構えていた私ですが、食後にお手洗いに行った途端、感じたこともないような猛烈な腹痛が! 慌ててお手洗いから這うようにして陣痛室に戻り、助産師さんに助けを求めました。
「あら? なんだか急に辛そうになってきたわね。先生に診てもらうように段取りしてくるわね!」と言われたのち、陣痛室で一人にされてしまったのです。
不安を感じる余裕もないほど、経験したことのない猛烈な陣痛にただ耐えるのみ。息をするのもやっとで、起き上がることもできませんでした。それでも「お腹の赤ちゃんともうすぐ会える、一緒に頑張ろう!」とそれだけを頼りに耐え続けたのです。
「準備ができたから、そろそろ先生に診てもらおうか?」と助産師さんがお部屋に来たのは30分以上経ってから…。検査室へ入った途端に破水し、そのまま慌てて分娩室へ行くことに。
急すぎる展開に私の頭の中もパニック! 移動しながら助産師さんに
「あれ、そういえば、ご主人どこですか?」と聞かれて、やっと夫がいないことに気づいたのです。
お産の時に、夫は役に立たない…?!
夫は結局、たまたま戻ってきて、分娩室の前で産声を聞くのにはギリギリ間に合ったそうです。
出産後に助産師さんに呼ばれ、夫がノコノコと分娩室に入ってきた時
「一人にしてごめん!」とでも言うかと思いきや、そんなことはなく、まるで
「一緒に乗り越えたね!」とでもいうようにヘラヘラと笑っていて、イラっとしてしまいました。
その無神経な顔を見て「陣痛が辛い時に夫が隣にいたら、逆にイライラしてしまったかも…。本当に男の人は出産時には役に立たないな!」と思ってしまったのです。
今思い返してみても、初めての出産だというのになぜその場を離れても平気と思ったのか。出かけるにしても病院に一言
「出かけてきますが、何かあったらすぐ連絡ください」と声をかけて行かなかったのだろう!? と不思議でなりません。それくらい、夫にとって出産は自分ごとではなかったのかもしれません。
その後も夫は全く反省の色はなく
「間に合って本当に良かったよね!」と相変わらず自分の事しか見えていませんでした。私にとっては「この人をアテにしてはいけない!」と思う一生忘れられない出来事となったのでした。
(ファンファン福岡公式ライター / まゆみ)