子どもがお腹の中にいた時の記憶のことを「胎内記憶」と呼びます。とても神秘的で、一度は自分の子どもに尋ねたことがある人も多いと思います。わが家の長女が語ってくれた、衝撃の胎内記憶をご紹介します。
2歳の娘 突然話し始めた胎内記憶
わが家の長女は、お喋り好きで言葉を覚えるのも早く、2歳になる前から親子で簡単な会話を楽しむことができました。
ちょうどその頃、私は下の子を妊娠し、お腹が大きくなってきました。ままごとが大好きで、ぬいぐるみのお世話に毎日大忙しだった長女は、お腹の中の赤ちゃん(弟)を「あーちゃん」と名付けて、弟の誕生を今か今かと楽しみにしてくれていたのです。
そんなある日、いつものように、私のお腹に口を当てて、
「あーちゃん!」と呼びかけている長女に、ふと尋ねてみました。
「お腹の中にいた時はどんな感じだったの? どうやってママのところに来たの?」
長女は少し考えた後、小さな声で衝撃の一言を発したのです。
「『あっち行け』って言われた…」。
真剣な表情の長女に驚きつつ、
「え? 『あっち行け」って言われたの?』と尋ね返すと、「うん」と頷くのです。
神様に嫌われていた? 長女
親子で胎内記憶の話をしたのはその時が初めてだったので、私も興味本位で質問を続けました。
「誰に言われたの?」と聞くと、長女は指で上を差しながら、
「神様が言ったの。『あっちに行け、あっちに行け』って。だからママのところに来たのよ」と。
悲しいことに、長女は生まれてくる前、神様に嫌われていたと感じていたようです。
長女から聞いた胎内記憶を信じると、「本当は別のママのところに生まれるはずだったけど、神様からあっちに行けと言われたから、ママのところに来たのよ」ということのようです。
振り返ってみると、長女の妊娠は私たち夫婦にとって思いがけないものでした。私の生理周期だけで考えると、妊娠しにくいはずの時期だったので、「別のお母さんのところに生まれてくる予定だった」という長女の記憶は、とてもしっくりときたのです。
もっと聞き出したいと思って繰り返し尋ねてみましたが、これ以上詳しいことはわからず…。
長男が誕生した後は、胎内記憶のことすら忘れてしまったようです。4歳のころに再度尋ねてみましたが、「何のこと?」という反応しか返ってきませんでした。
胎内記憶は2〜3歳で尋ねるのがベスト
専門家によると、3人に1人の割合で胎内記憶があるそうです。
長女のように母親のお腹に来る前の記憶を話す子もいれば、お腹の中で過ごした日々、陣痛から誕生までの記憶を話す子どももいるといいます。
胎内記憶について尋ねる時期は、ある程度の言葉が順序立てて話せるようになる2〜3歳の時期がベストとも言われています。2歳になった頃、長男にも尋ねてみましたが、全く覚えていませんでした。
胎内記憶には科学的根拠はないため、事実かどうかは証明できません。でも、子どもに胎内記憶が残るかもしれないと思って、お腹に向かって喋りかけたり、音楽を聴かせてあげたりすることで、母親自身も妊娠期をより楽しく過ごせるようになるのではないでしょうか。
わが家の場合は、意地悪な神様(?)のおかげで、長女が私たちの元にやってきてくれたわけで、意地悪な神様には感謝の気持ちしかありません。
(ファンファン福岡公式ライター / nayuka)