もう2度と実現しない想い出の授業TOP5!~福岡テンジン大学10年間の軌跡~

福岡テンジン大学はこれまで様々な活動を通して天神を盛り上げてきました。そこから始まったプロジェクトや取り組みも多々ある中、「あぁもう、これは二度とできないなぁ」と思うイベントもあるといいます。今回は、その中でも福岡テンジン大学の岩永学長が、特に「忘れられない」できごとTOP5を挙げてもらいました。もう二度とできない、そのときだけの「熱量」から、今後の天神について想いを馳せてみてください。

出典:フクリパ

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目次

授業を企画する上で大切にしている言語化プロセス

「福岡テンジン大学」、その名前を聞いたことがある人はどれほどいるのでしょうか。2010年9月に開校してまもなく11年、これまで約500コマほどの授業を開催してきました。 その全ての授業に企画をした「授業コーディネーター」が存在し、企画する際には必ず通らなければならない言語化のプロセスがあります。 Why:なぜその授業が福岡のまち・テンジン大学に必要なのか? What:授業を通して伝えたいことは何か?何を持って帰ってもらいたいか? Who:どのような人に伝えたいのか? How:その人へどのような体験を通して伝えるのか? これらの解像度を高めて言語化したものを、授業マイスターという第3者目線でフィードバックをしてくれる役割を置いているのが福岡テンジン大学の特徴です。 さて、今回はこれまで約11年間に渡って企画してきた授業の中から「もう2度と実現しない想い出の授業」をランキング形式でお届けしようと思います!

第5位!今はなき“天神コア”のバックヤードツアー

2020年3月31日をもって44年の生涯を閉じた若者向けファッションビル“天神コア”。福岡の人でも天神コアが西鉄電車・バスの西日本鉄道が運営していると知らない人もいたりしますが、隣接する福岡ビルと同時に天神ビッグバンで建替えのため閉館することに。 そんな天神コアの福岡テンジン大学として最初で最後のバックヤードツアーを企画、2020年2月12日(水)の夜に開催しました。 若かりし頃に天神コアにお世話になったという30・40代の方が多く集まった授業で、もう今となっては見ることが出来なくなった屋上の天神コアのロゴ看板の前で集合写真。

出典:フクリパ

授業の最後は「天神コアの営業時間が終わり、シャッターが閉まるシーンを“内側から見たい!”」という私のアイデアが採用され、全員スマホで動画を撮りながらシャッターが閉まるのを見るという、別れを惜しむような授業になりました。

出典:フクリパ

第4位!福岡市の科学館・博物館・美術館の館長が集結!

2018年に福岡市中央区六本松の九州大学六本松キャンパス跡地に開館した福岡市科学館。この科学館の開館前からサイエンスカフェの企画等に関わっていたご縁もあり、「サイエンスカフェ拡大版のようなことを企画したい」という相談が。 それと同時に福岡都市圏にある15大学と福岡市と商工会や福岡中小企業経営者協会などで構成する福岡未来創造プラットフォームから「大人の学びの場を企画したい」という相談も。 これを同時にやれないか?と考えた結果、福岡市科学館の館長と、市博物館と市美術館の館長にも声をかけ、奇跡的にスケジュールも合い実現したのが2019年6月22日(土)の「テクノロジー時代の大人の学び~科学館・博物館・美術館の館長に聞いてみよう!~」という授業。

出典:フクリパ

科学館の大きなサイエンスホールがいっぱいになるほど人気となった授業は、3館長の台本無しのトークが絶妙に絡まり、さらにワールドカフェという参加者全員で対話する時間も設け、いたるところで脳内スパークが起きていたのではないか?というほど対話が盛り上がっていました。

出典:フクリパ

第3位!前代未聞!?博多のお寺でうどんづくり!

古来より博多は大陸の玄関口として多くの人の出入りのある都市でした。その博多にある東長寺は、空海が遣唐使から帰ってきて最初に建てたお寺。この東長寺にて空海劇場というイベントが開催され、その姉妹イベントとして企画したのが2012年5月26日(土)の「前代未聞!?博多のお寺でうどんづくり!」。 西日本最大規模の木造座像大仏が鎮座するすぐ真横の一室、様々な仏像が周囲を囲む空間で、歴史も学びながら「うどんを粉からつくる」という企画が実現。

出典:フクリパ

室内では火気厳禁ということで東長寺の境内にて大鍋を展開し、参加者1人1人が作った麺を湯がきうどんを作って食べました。

出典:フクリパ

ちなみにうどん発祥は同じ博多のすぐ近くにある承天寺。ということで、うどんを食べたあとは承天寺へまちあるきし、特別に石庭 「洗濤庭(せんとうてい)」を見学させていただく、という歴史と食が融合した授業になりました。

第2位!福岡都市高速で2度とできないチョークで絵を描く!

2012年に福岡都市高速の環状化が完成して開通したため、2度と一般の人が立ち入ることができなくなりました。 そう、開通前の都市高速の上を闊歩し、実現したのが「お弁当を食べてピクニックしたい!」「チョークで絵を描きたい!」という企画。福岡北九州高速道路公社より「全線開通したら市民に都市高速のことをポジティブに感じてもらう機会がなかなか作れない」という相談が来たことがキッカケでした。 2012年6月30日(土)の朝、まずは東区東浜にある公社本社に集合し、福岡都市高速の役割や概要を学び1日限定の社員に任命。そしてあの黄色パトカーに全員乗り込み、西区福重へ移動。階段を登ったその先は!もう2度と歩けない都市高速のアスファルト。

出典:フクリパ

その各々が持ちよったお弁当を食べた後に、全員でチョークで描いたのが「福岡都市高速が環状化した先にある未来の福岡の姿」です。

出典:フクリパ

大人になってもこんな社会科見学ができて、人生楽しすぎるって思うくらい印象に残っている授業です。

第1位!福岡の未来の種を対話から“生み出す”方法

2011年9月23日(祝)、開校1周年の企画は開校式以来の参加者100人越え。その授業のタイトルは「あなたとまちの未来の作り方」。 教室は福岡市中央区天神のど真ん中、福岡市役所15階にある講堂。窓のない広々とした空間に午前中から夕方まで、ひたすら福岡のまちについて“対話”するという、こう聞くととても参加のハードルが高いイベントです。 福岡市副市長や市役所職員、他の自治体職員の方、経営者の方、開校以来1年で先生をしていただいた方、福岡テンジン大学の開校を支援いただいた方、直接声をかけて参加いただいた方も多く、普段は交わらない多様な背景をもった方々が集まりました。 当日の進行を務めたのは、当時福岡のファシリテーターとしてば“この人”と名の通った田坂逸郎氏(現在は広島県で一般社団法人 地域価値共創センター センター長 を務める)。

出典:フクリパ

・今日にいたるまでの福岡では何が起きた?年表づくり ・福岡の誇りに思うことは?残念に思うことは? ・福岡の新しい“常識”とは? ・未来のためのアクションプランと分科会 という対話のテーマを通して、ほぼ丸1日「話す」「考える」「聞く」に没頭した授業。

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このときの熱量と、対話から生み出されるアイデア、そのアイデアという種を発芽させるさらなる対話。ファシリテーションが引き出す参加者の思考と言葉とそれらの交わり。“場”が持つ力の可能性を感じたと同時に、福岡の未来を明るく感じられる授業になりました。

番外編!1日限りの校舎が誕生、奇跡の開校3周年

私事ですが、2010年9月の開校当初は独身だったものの、無事に結婚することができ、福岡テンジン大学も3周年を迎えようとしていた2013年。 妻の第一子妊娠が分かり出産予定日が9月27日。福岡テンジン大学の開校3周年の企画実施日は秋分の日である2013年9月23日。 これはもしかしたらあり得るぞ、と開校3周年の企画には学長が入らず、運営スタッフたちで行おう!となったのです。 その企画は開校3周年の“これまで”を全部詰め込んだテーマ「テン大博」。そして「まち全体がキャンパス」というコンセプトのもと、固定の校舎を持たない福岡テンジン大学が「1日限定で校舎が現れる!」というもの。福岡市中央区大名にある紺屋2023が校舎となったのです。

出典:フクリパ
出典:フクリパ

もちろん、1日限定の校舎には朝から晩まで多くの人が来校し ・ビルの屋上ではテン大マルシェ ・過去授業の展示と授業アイデアを考える、テン大ラボの部屋 ・これまでの先生、福岡のキーパーソンから募った本を展示するテン大図書館 ・1日の中で3本の対談企画「学長百人組手」  (ほぼ徹夜状態で対談を3本こなしました!) ・みんなで見て感想を対話し合う映画上映会 ・最後にアフターパーティー

出典:フクリパ

これらの企画を準備段階から当日の運営まで、約30人ほどのスタッフたちが作り上げてしまったことに開校以来最高潮の感動! といきたいところですが、結果的に開校3周年当日の早朝に、第一子が誕生するという奇跡。徹夜で付きっ切りだったこともあり、3周年は日中のみ現場へ。 とは言え、スタッフたちが作り上げたすばらしい場への感動なのか、第一子誕生の感動なのか、当日の感情も記憶も非常に曖昧でごちゃまぜ。 そうこれが感動の筑前煮やー! いや記憶の博多どんたくやー! そんな奇跡な1日をプレゼントしてくれたスタッフにも長男にも感謝しかありません。 さてさて、このように福岡テンジン大学では「もう2度と実現しない学びと対話の場づくり」を企画するべく、今月も来月も活動は続いていくのであります。 そんな福岡テンジン大学のこれまで実施した約500の授業企画は、「先生」ではなく、すべて「授業コーディネーター」と呼ばれるボランティアスタッフが企画しました。上は60代から下は高校生まで、学校や職場といったコミュニティとは違うサードプレイス(第3の居場所)で、「福岡のまちを自分でもおもしろくしたい、何か貢献できそう」と門をたたいてくれた人たちです。 進学・就職・転職・起業にも繋がったりしているスタッフたちを見ると、一番「学んでいる」のはやはり“つくる側の人たち”なんだなと10年経った今は思います。 どうですか? 福岡のまちで、おもしろい体験を生み出す仲間になってみませんか? 文=岩永 真一

福岡テンジン大学

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※この記事内容は公開日時点での情報です。

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