タピオカの大ブームの後、「次にブレイクするスイーツはこれでは?」と世間が注目する話題の台湾デザート「豆花(トーファー)」。福岡市内に味わえるお店があるよと聞きつけ、地下鉄大濠公園駅4番出口から徒歩約3分、簀子(すのこ)公園そばの台湾カフェ「倉商店」(福岡市中央区)を訪ねました。
台湾の本やかわいいグッズが並ぶ店内。朝から忙しく厨房(ちゅうぼう)に立つのは、台湾人オーナシェフの謝逢城(シャ・フォンチョン)さんです。 てっきり「倉」という姓の人だと思っていたので店名の由来を尋ねると、謝さんの妻・のり子さんが「台湾人はほとんど英名のセカンドネームを持っていて、彼は“クラーク”なんです。呼んでいるうちに短くなって“くら”になりました」と笑顔で教えてくれました。
元は台湾でシステムエンジニアとして働いていたという、くらさん。何事にも好奇心やこだわりが強く、独学で製菓・パン作りの国家資格を取得したといいます(台湾ではシェフに高い専門性が求められるため製パン業にも国家資格が必要)。 台日交流会で出会ったのり子さんと2016年に結婚し、福岡に住むための生活プランを考えていた時に、のり子さんが大好きな台湾の伝統的なデザート「豆花」を提供しようと思い立ちます。台湾では、豆乳をふんわりと固めた豆花の上に、炊いた豆や芋団子などの具材を乗せて甘いシロップで食べられています。
くらさんは、すぐに現地の料理学校で豆花作りを習得し「自分が幼い頃から食べていた昔ながらの豆花を再現しよう」と研究を重ねました。 そこでたどり着いたのが、大豆から豆乳を搾るところから手掛ける、完全な手作り豆花。 「私が調べて見聞きした限りでは、日本国内で豆乳を搾ることから豆花を作っているお店はうちだけではないでしょうか。伝統的な作り方で驚くほど手間のかかる作業が必要なので、どこもやりたくてもやれないみたいです。2018年のオープン以来、台湾から業務用の豆乳搾り機を輸入して毎営業日に豆花を作っています」とのり子さんは話します。 豆花の固め方、シロップの中身などは「秘密です」ということでした。
同カフェの豆花メニューは3種類。看板メニューの「台湾定番豆花」(税込み680円)には、白玉、芋団子、漢方で作られる伝統的な仙草ゼリーにゆでたピーナッツか緑豆がたっぷりトッピングされています。
「総合豆花」(780円)には、「本日のトッピング」として日替わりで紹介されている7、8種類のトッピングが乗っています。 「選べる豆花」(680円)はトッピングが3種類まで選べます。 3月までは温かいシロップのみのホットスイーツで、春から夏は冷たいシロップで提供されます。
豆花と同じくらい台湾茶にも魅せられたのり子さんのおすすめする茶葉が、日替わりで2、3種類、店としては14種類前後そろえてあります。 「台湾茶セット」(1,000円)を頼むと、上記メニューにトッピングをさらに1種類プラスでき、本日の台湾茶が楽しめるというからお得です。
この日、いれてもらったのは「木柵鉄観音茶」(茶葉付き650円)。お湯を足せば4杯くらいまで楽しめるので寒い日にゆっくり楽しみたい時にぴったりです。
くらさんは、朝5時から大豆を丁寧に搾ってフレッシュな豆花を作っています。 のり子さんは「もっと営業時間を長くしてほしいなどの声もありますが、早朝からひたすら豆花を作り、休業日にはトッピングの仕込みもしています。絶対に作り置きせず安心安全な品を提供したいというポリシーがあり、これ以上は無理というほど手間暇かけているので、どうぞご理解ください」と話します。
真心こもった豆花が食べられるのは土、日曜のみ。木、金曜は焼仙草と呼ばれる温かいスイーツが提供されています。 「夏は愛玉という爽やかなゼリー状のスイーツになるかもしれません。台湾人が大切にする“医食同源”という思いを込めて作るスイーツを体験しにきてくださいね」とのり子さん。
不定期で台湾式朝ごはんの会やお茶会、中国語教室など、台湾カルチャーファンにうれしいイベントも実施されています。詳しくはインスタグラムで確認を。 ※今回の表示価格はすべてイートイン価格。テークアウト価格は異なりますので店頭でご確認ください
倉商店
住所:福岡市中央区大手門3-3-24 小金丸ビル1階 電話:092-791-8093 営業:12:00〜17:00(L.O.16:30) ※豆花は土・日曜のみ販売し、売り切れ次第終了 月・火・水曜休
施設名:倉商店
住所:福岡県福岡市中央区大手門3-3-24 小金丸ビル 1F
営業時間:12:00〜17:00(L.O.16:30) ※豆花は土・日曜のみ販売し、売り切れ次第終了
定休日:月・火・水曜休
アクセス:地下鉄・大濠公園駅4番出口より徒歩3分。 大濠公園駅から224m