頭痛は一次性頭痛と二次性頭痛に大きく分かれ、さらに細かく分類されます。よしむら脳神経外科・頭痛クリニック(福岡市東区)の頭痛専門医、吉村文秀先生に詳しい話を聞きました。
【脳神経外科専門医】よしむら脳神経外科・頭痛クリニック 吉村文秀 先生
福岡県出身。久留米大学医学部卒業。久留米大学脳神経外科講師、済生会福岡総合病院脳神経外科部長などを経て、2017 年「よしむら脳神経外科・頭痛クリニック」開業。「名医たらずとも良医たれ」をモットーに患者に寄り添う医療を目指す。
あなたの頭痛は大丈夫? 頭痛くらいで…と躊躇せず 専門医を受診して原因を究明
健康な日常生活を脅かす頭痛
頭痛には、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛のような痛みの治療が中心になる「一次性頭痛」と、クモ膜下出血、脳腫瘍、神経変性疾患、炎症などの頭蓋内疾患、頸部疾患などの疾患が頭痛の原因になっている「二次性頭痛」があります。 一次性頭痛と二次性頭痛は、頭痛の強さだけで見分けることは不可能です。二次性頭痛は命に関わる病気が原因の場合があり、きちんと診断、治療を行う必要があります。 突然強い頭痛が出現した場合、麻痺、めまい、ろれつが回らないなどの神経症状がある場合などは、急いで脳神経外科を受診してください。
定期的に起こる片頭痛は大丈夫?
片頭痛は強い拍動性の痛みで、嘔吐(おうと)を伴い動けない状態になることが多い頭痛です。予定通りの行動ができず社会生活に支障をきたし、頭痛頻度が多いと失業することさえあります。「たかが頭痛、されど頭痛」とも言うべき疾患です。 このような片頭痛の原因は分かっていませんが、75%には何らかの誘因があると言われています。誘因は「月経に伴うホルモンバランスの崩れ」「睡眠不足または過多」「天気の変化」「アレルギー」などさまざまありますが、時に貧血、甲状腺ホルモン異常などの内科疾患も誘因となる場合があります。 片頭痛は、「頭痛くらいで病院に行くのは大げさ」と鎮痛剤でやり過ごしたり、症状を放置したりされがちですが、それが症状をさらに悪化させます。 厄介なのは「薬物乱用頭痛」で、月に10日以上鎮痛薬を内服されている方が、3~4カ月継続して内服していると痛みに敏感になり、頭痛回数が増えて痛みが変化してくる病態です。片頭痛には予防薬があり、片頭痛予防薬を使用しながら、鎮痛薬をやめる必要があります。このような方もきちんと診察を受ける必要があります。 頭痛診療は症状の確認が重要です。そのため当院では数種類の問診表を使用しています。また、頭痛の記録を行う「頭痛ダイアリー」を記入していただき、患者さんと頭痛回数、頻度のなどの情報を共有しながら、治療を進めていきます。