息子が小学1年生の運動会での出来事です。練習では負け続きだった競技で優勝した息子は、嬉しさのあまりジャンプしながら喜んでいました。その様子を動画に撮影していたクラスのママ友から、決めつけで驚きの一言が飛び出したのです…。
大玉転がしで優勝! 息子は大喜び
運動会当日、応援席から見える息子の顔は、緊張と興奮が混ざっているようでした。その姿を見ながら、私は「どうか大玉転がしで転びませんように」と祈っていました。
息子の学校では1、2年生が合同で大玉転がしを行います。大玉は子どもの身長よりも大きく、まっすぐ前に転がすのも難しいのが見ていてわかりました。
1チーム4人で、校庭の端にいる次のチームに大玉を渡すリレー形式でした。当日は4チームが順位を競い、16人の小さな子どもと、あちこちに転がる4つの大玉で校庭は大混乱!
その様子を見て、息子が練習で
「一緒に走る子とぶつかって転んだ」と何度か言っていた意味がわかりました。転ぶと順位が下がるので、本番で転ばないか心配していたのも納得です。
本番の大玉転がしでは、息子は転ぶこともなく順調に次のグループに大玉をつなぐことができました。私も胸をなでおろしました。
ホッとしたのも束の間、今度は息子のチームが優勝争いを繰り広げているのが視界に入ってきました。練習ではいつも3位か4位だと聞いていたので、私もドキドキしながら勝負の行方を見守ります。接戦の末、息子のチームは1位でゴールイン! 思わずお友だちと肩を組んで飛び跳ねる息子の姿に、胸が熱くなりました。
ママ友の信じられない一言
運動会の後、入学式から何かと声をかけてくれるママ友Bさんが携帯電話で撮影した動画を見せてくれました。そこには、息子がお友だちと喜んでジャンプしている姿が映っています。
そして、その動画を見せながら、Bさんは信じられない言葉を発したのです。
「あのさ、あまり言いたくないけど、小学生なのに運動会で立ち上がって喜ぶのは心配だよ。病院で発達検査を受けた方がいいと思うよ」 と、深刻な表情で言うではありませんか。
突然の言葉に、私は返事ができないほど驚きました。運動会で喜びのあまりお友だちとジャンプする ことがそんなに心配なことなのか、私には理解ができませんでした。でも、そう言われると強くも反論できず、どうしたらいいのか固まってしまいました。
その場をどうやり過ごしたかは覚えていませんが、親しいママ友に相談したことは覚えています。すると
「あのママ、保育園のころからクラスの子を発達障害だって決めつけるって有名なのよ」と教えてくれました。
それまで、子育て中の母親は同志だと思っていたので、そんな人がいると知ってショックを受けました。
運動会の一件以来、Bさんとは距離をとるようになりました。息子について何かを言ってくることはなくなりましたが、他のお子さんに同じようなこと言っているという噂は耳に入ってきます。
育児に不安は付き物
楽しいはずの運動会の思い出が、モヤモヤするものになってしまったのは残念です。でも、発達障害を疑われたとき、とっさに否定することができませんでした。きっと、私の中に息子に対する育児の不安があったからだと思います。
そのことに気づけたのは良かったと思うようにしていますが、毎年運動会の季節になると心がざわつく思い出です。
(ファンファン福岡一般ライター/ネコト)