ある日、小学2年生の息子の教室に、ママ友が怖い顔をして乗り込んできたそうです。理由は、自分の子どもの筆箱がなくなったから。クラスメイトが盗ったに違いないと、警察に被害届を出したとか…。いじめを心配して暴走してしまったママ友。子ども達の反応は? そして筆箱はどこで見つかったのでしょうか?
教室に乗り込んできたママ友
息子が小学校2年生の時の話です。
「朝の会の時、ものすごく怒ったAくんのママが教室に入ってきたの」と、家につくなり興奮した様子で息子が言いました。
教室に乗り込んできたAくんのお母さんは
「うちの子の筆箱を盗んだだろ! 昨日、警察に行ってきたからな!」と、クラスの子どもたちをにらみながら言ったそうです。
先生が慌てて廊下に連れ出したそうですが、子どもたちの混乱は大きく、筆箱をなくしたAくんは下を向いたままだったとか。息子には、念のためAくんの筆箱が間違ってランドセルに入っていないかを確認させました。小学2年生だと、鉛筆や消しゴムの紛失は日常茶飯事ですし、誰かの筆箱や教科書を間違えてしまうこともよくある話だったからです。
ママ友はいじめをいつも心配していた
Aくんママは、保育園が一緒でLINEも交換していたママ友でした 。少し心配性で過保護な面があって、おとなしくて、のんびりしている息子さんがいじめられないか、いつも気にしていたのを覚えています。
何となく気になって
「Aくんの筆箱、見つかるといいね」とLINEをしてみたところ、
「警察に被害届を出しに行ったら、学校内のことは扱えないって言われたの。いじめのはじまりかもしれないし、心配で…」と、返事がきました。
警察に行ったことが事実なのもショックでしたが、クラスメイトを疑っていることにも驚きました。一度筆箱がなくなっただけで、自分の子どもがいじめにあっているかもしれないと思うのには、少し違和感を覚えました。
筆箱は見つかったけれど…
結局、Aくんの筆箱は校庭の片隅で見つかりました。ミニトマトの観察日記を書くために校庭に筆箱を持って行って、置き忘れていたそうです。
お母さんが教室にのり込んできたとき、Aくんが下を向いていたのは、本当のことを知っていたからかもしれません。
筆箱の一件があってから、子どもたちはAくんに関わるのが怖くなってしまったといいます。
「ケンカになったら、またママが教室に来そうでイヤだな」と、息子も気を使っている様子でした。
筆箱が発見された後の保護者会にAくんママの姿はありませんでした。その後、2学期の終わりの保護者会には参加していましたが、保護者会が終わるとすぐに帰ってしまいました。誰かに話しかけられるのを避けている印象を受けたのを覚えています。
その後3年生になるまでの間、Aくん親子は話しかけるのに躊躇してしまう、クラスで浮いた存在になってしまいました。
不安からの暴走? 心配性のママ友から学んだこと
自分の子どもがいじめられないか、という不安は私にもあります。Aくんママの暴走が不安からきていたことも想像できます。でも、どんなに不安に思っても子どものクラスメイトを疑ってはいけないと思いました。
不安な時ほど、周りの人を信じることが大切だとAくんのお母さんを見て感じました。いつか、Aくんのお母さんも周りの人を信じられる日がきたらいいな、と今は思っています。
(ファンファン福岡公式ライター/ネコネコハラ)