40年以上の愛煙家である義両親は、煙草を吸った後すぐに新生児の息子を抱っこしたがりました。煙草を控えるようお願いするも逆ギレ… しかし、夫が放った予想外の一言によってすぐに禁煙させることが出来たのです。
煙草を注意するも逆ギレされる
産前は月1回義両親の家に遊びに行ったり、夫と4人で出掛けたりと良好な関係でした。私は非喫煙者ですが、いつも優しくて気遣いのできる義両親の煙草について、1度も気にしたことはありませんでした。
しかし、産後に助産師さんから乳児突然死症候群(SIDS)になる原因の1つが、煙草の煙だと聞いてからはかなり敏感に。
産院を退院する日、夫と義両親が迎えに来て帰宅。義両親は生まれてまだ間もない息子を代わる代わる抱っこしながらも、煙草を吸いに外へ。帰ってくると、煙草の匂いがべっとり付いたまま、手も洗わずに息子を抱っこしました。
そんなことが1時間以上続き、いつもはミルクの良いにおいのする息子が、煙草臭くなって私の元へ帰ってきたのです。今思えば大げさかもしれませんが、義両親のせいで受動喫煙にさらされた息子が死んでしまうかもしれないという不安と怒りで一杯になりました。
夫も非喫煙者ですが、物心ついた頃から煙草が身近にある環境で育ったせいか、このことについて義両親同様、特に気にしていない様子。しかし、息子の為にも夫から後日、義両親へ注意してもらうことに。
「息子の健康に悪影響だから、煙草を吸ってからすぐに抱っこするのは控えて欲しい」という内容を丁寧に伝えました。
しかし義母は
「嫁ちゃんが言ったの? 世の中にはいろんな人が居るんだから、自分の考えばかり通さないで、協調性を持たないと世間でやっていけないわよ」と逆ギレ。
その後も夫から何度か話してもらいましたが、40年以上の愛煙家には何を言っても伝わらず… 次第に説得を諦めるようになりました。
義両親が禁煙を決意した一言
説得は諦めたものの、月に1度わが家へ遊びにくる義両親。息子にとって百害あって一利なしの煙草問題に頭を抱えました。慣れない育児とガルガル期も重なり、ある夜ストレスが爆発。私は夫に泣きながら胸の内を話しました。
夫は
「そんなに思い詰めていると思わなかった… ごめん。俺が何とかするから。」とだけ言い、覚悟したような顔で義母へすぐに電話。
いつもなら角が立たないように話す夫ですが、この時ばかりは激怒。かなり強い口調で禁煙をするよう説得するも、義母は一歩も引かず… ここまで言って駄目なら、もうどうしようもない、他の方法を考えようと思った矢先、夫が放った一言が義母を黙らせました。
数カ月間、私と義両親から話を聞かされ板挟みになっていた夫。きっと彼も追い詰められていたのだと思います。今まで聞いたことがない低い声のトーンで
「禁煙しないなら俺、死ぬから…」と言ったのです。
あまりにも予想外な悲しい一言でした。義母はかなりショックだったようで、電話越しに泣いていました。 後日、すぐに義母は禁煙外来へ。3カ月通った末、禁煙に成功しました。禁煙は難しいだろうと思っていた義父も、電話をした翌日になんと自力で禁煙に成功したのでした。
一時期はギクシャクしてしまった義両親との関係も修復でき、現在は月1、2回息子を見せに行っています。
親として考えさせられたこと
義両親に限らず、私も貫きたい習慣や自分の常識があります。でも、この体験を反面教師にして、自分にとって本当に大切なものは何なのか、一度冷静になって考えるべきだと思うのでした。
(ファンファン福岡公式ライター/くまよ)