皆さんのおうちにも、虫好き男子はいませんか? わが家の5歳の息子は無類のカマキリ好き。捕まえたカマキリを大切に育てていたのですが、まさかあんな惨劇を引き起こすとは…。わが家をパニックにおとしいれた、恐怖の虫エピソードをお届けします。
大切に育てたカマキリが残してくれたものとは?

わが家の5歳の息子が大好きなものはカマキリ。毎年夏になると、野原を駆けまわってはカマキリ探しに夢中になっていました。
捕まえたカマキリのためにエサのバッタを捕まえたり飼育ケースを掃除したりと、熱心に世話をする息子。虫が大の苦手な私でしたが、息子の懸命な姿に愛おしさを感じ、静かに見守っていました。
しかし生き物とははかない命です。秋も深まるにつれて息子のカマキリも日に日に弱り、とうとうご臨終…。
悲しみにくれる息子でしたが、カマキリは素敵なプレゼントを残していってくれていました。息子がせっせとバッタをあげたおかげで元気に育ったカマキリは、卵を産んでいたのです!
飼育ケースのふたの裏に産み付けられた白いふわふわのかたまり。その卵から新たな命が誕生するのを楽しみにしながら、お母さんカマキリにさよならを告げました。
しかしその置き土産が、わが家(おもに私)を恐怖のどん底に突き落とすとは、そのときは思いもよらなかったのです…。
玄関の隅にうごめく無数の生き物の正体

その恐怖は、ある日突然やってきました。時は5月。ゴールデンウィークも終わり、ようやく落ち着いた日常が戻ってきたと、ほっとしていたころです。
いつものように子どもたちを保育園に送り届け玄関の戸を開けると、土間の隅にふわっとした小さな白い物体を発見。「ほこりかな?」と思い、何気なくのぞきこむと… なんとそこには、大量のカマキリの赤ちゃんがうごめいているではありませんか!!!
そう、あれです。去年の夏、息子が育てていたカマキリが生んだ卵がふ化していたのです。その数、なんと数百匹。
母カマキリが死んでからすっかり忘れ去られていた飼育ケースの中で、カマキリの卵は無事に冬を越し、春の陽気とともにこの世にご誕生していたのです。
よくよく見ると、飼育ケースの近くだけでなく、玄関中いたるところにカマキリの赤ちゃんが逃走しているではありませんか。
直径2センチほどの白く半透明な虫がうじゃうじゃと動き回るその景色の恐ろしいことといったら…。虫たちに罪はないけれど、さすがに気持ち悪すぎる!!
数の多さと、かたまりになってうごめく姿に卒倒しそうになりながらも、早く捕まえなければ家中がカマキリだらけになってしまうと思い、なんとか捕獲作業に取りかかります。ですが作業は難航。なんせ相手は数百匹の生まれたてのカマキリです。
数が多いうえに、力を入れると簡単につぶれてしまうため、細心の注意を払ってすばやくつまみあげるしかありません。
できるだけ力を入れないようにそうっとつまんでビニール袋の中に入れる。そんな作業を30分以上続け、ようやく肉眼で確認できる個体の捕獲が終了しました。
腰は痛いし気持ち悪いし、さすがにこの時ばかりは息子のカマキリ好きを呪いたくなりました。
生き物を飼うときは、最後まで目を離さないで!

子どもたちが帰ってきてから、ことのてん末を説明。さすがの息子も、カマキリの赤ちゃんを必死で捕獲する母の姿を想像し悪いと思ったのか、神妙な顔をしていました(笑)。
捕まえたカマキリの赤ちゃんたちを見ながら、生き物を飼うときは最後まで責任をもつことを子どもたちと一緒に約束しました。(私も卵のことはすっかり忘れていたので…)
最後は赤ちゃんカマキリを庭に放してあげることに。一つの卵から数百匹生まれても、無事成虫になれるのはわずか数匹ほどということも子供たちに伝え、大きくなってまたわが家へ遊びに来てねと送り出します。
めったに見られないカマキリの卵のふ化という自然の神秘さ、そして生き残ることの過酷さにも思いを寄せながら、わが家のカマキリ騒動は幕を閉じました。
みなさんも、生き物を飼育するときは、最後まで責任をもって観察することをおすすめします。
世の中の昆虫大好き男子のお母さん方、一緒に頑張りましょうね…!!
(ファンファン福岡公式ライター/kotoko)

