目の水晶体が濁って見えにくくなる「白内障」について、川原眼科(福岡県粕屋町)の川原周平先生に聞きました。
【眼科専門医】川原眼科 川原周平先生
長崎県出身。九州大学医学部卒業。九州大学病院、国立病院機構小倉医療センターなどで研鑽を積み、2016 年「川原眼科」を開業。白内障や緑内障をはじめ、網膜硝子体手術など専門的手術療法を得意とし、福岡県外からも患者が訪れる。
白内障手術は質を求める時代。人生100年時代はクリアな視界で人生を豊かに
光がまぶしいなど違和感を覚えたら専門医へ
「白内障」とは、モノを見るレンズ部分に当たる目の水晶体が、さまざまな理由によって濁り見えにくくなる状態のこと。原因はさまざまですが、当院に訪れる白内障患者の9割以上は老化現象によるものです。白内障は珍しい病気ではなく、60歳以上の方は、何らかの白内障の症状を抱えていると言われています。 白内障は命に関わる疾患ではありませんが、近年は治療することで認知症予防になるというデータも出ており、早めの治療が肝心です。また、白内障と思い込んでいて実は緑内障であったり、網膜硝子体疾患や黄斑上膜など、網膜の病気であったりすることも少なくありません。安易に自己判断せず、視力に違和感を覚えたら、早めに専門医を受診してください。
手術はわずか7分! 多焦点レンズも選択肢に
治療はほとんどの場合、手術をお勧めしています。白内障の手術は、一般の眼科でもポピュラーな治療法として普及しています。とは言え目の手術ですから、万が一の不安もつきものです。眼科医を探す際は、高度な技術を要する硝子体手術を行っているかどうかを確認するのも、1つの判断基準になるかもしれません。 白内障治療の「小切開手術」は、目の表面を2.4㎜ ほど切開して濁った水晶体を超音波で砕いて取り出し、人工のレンズを入れる手術法です。時間はわずか7分程度、日帰りで行います。 当院で手術時に入れる人工レンズは、単焦点眼内レンズに加え、多焦点眼内レンズも選択できます。多焦点眼内レンズは、遠くと近くとに広くピントが合い、老眼が矯正できるため、希望される方が増えています。 今や人生100年時代。生活スタイルに合わせて、確かな見え方を手に入れることは、生活の質を向上させる上でも大きなメリットになるのではないでしょうか。