「絵本ミュージアム」の壁画を手掛けたMAYA MAXXさんインタビュー!

 今年で15回目となる「NTT西日本スペシャル おいでよ!絵本ミュージアム2021」が8月22日(日)まで、福岡アジア美術館(福岡市博多区)で開催中です。エントランスと会場内には、画家で絵本作家のMAYA MAXX(マヤ マックス)さんが手掛けた壁画が展示されています。MAYA MAXXさんに制作についての思いを聞いてきました。 ※撮影時のみマスクを外しています。

目次

「『かわいい! 大きい! わあー!』と思える手描きの壁画を」

出典:http://fanfunfukuoka.aumo.jp

―エントランスから会場内にかけて展示されている壁画について聞かせてください。  私が好きなオランウータンを描きました。オランウータンの子どものかわいらしさには、無常の喜びを感じます。子どもたちに「かわいい!」「大きい!」「わあー!」と思ってもらえるような手描きの絵です。洞窟の中にたくさんのオランウータンがいる様子を表現しました。

出典:http://fanfunfukuoka.aumo.jp

―壁画に使った赤と青の色にはどんな思いを込めていますか。  自分の気持ちが一番フィットするのが赤です。赤と白が目に飛び込んできたときに、潔さを感じます。子どもは単色で描いた絵を自分の見たい色で見るんです。赤単色の作品なのに「葉っぱの緑がさ」と話す子がいて驚いたことがあります。  オランウータンはブルーにしました。チケット売り場(エントランス)から赤い色の絵が展開して、会場に入ると青い色の絵になります。視界が「カタン」とずれるような、目に新鮮に映る感覚が欲しかったんです。

出典:http://fanfunfukuoka.aumo.jp

―ワークショップではどんなことをしますか。  子どもに自画像を描いてもらいます。最初は目からです。それが、どんなに小さくても、キャンバスの端っこにあっても、面白いと褒めます。余白がきれいな絵は、いい絵なんです。それぞれの良さを認めてあげたい。ワークショップは保育園や難病の子どもがいる病院などでも実施しています。

出典:http://fanfunfukuoka.aumo.jp

―好きな絵本はありますか。  「100万回生きたねこ」(作・絵、佐野 洋子)です。大学生のときに読んで、それまで味わったことのない感動があり、最後の場面で自分の周りの世界が崩れ落ちていくような感覚になりました。

「手の上にのる、ページをめくる感覚は大切」

出典:http://fanfunfukuoka.aumo.jp

―本展覧会のテーマは「絵本の力」。MAYAさんが考える絵本の力とは。  今は“YouTubeの時代”です。つまらなかったら、どんどん(チャンネルが)替えられていきます。1冊の本を最後まで読む・見るという、替えられないものもあったほうがいい。絵本が自分の手の上にのる感覚、ページをめくる感覚は大切だと思います。  インタラクティブ(双方向性)やAIが主流になる中で、“動かない絵画”がどう生きていくかは難しい問題。最終的には人間は人間が描いたものが好きだと信じるしかないと思っています。

出典:http://fanfunfukuoka.aumo.jp

MAYA MAXXさんプロフィル

 1961年愛媛県生まれ。絵画をはじめさまざまなジャンルの作品を手掛ける。来場者との対話から生まれるライブペインティングや子どもを対象としたワークショップなどを各地で実施。「おらんちゃん」「らっこちゃん」(ともに福音館書店)などの絵本も出版。2020年に東京都から北海道に移住。

NTT西日本スペシャル おいでよ!絵本ミュージアム2021

出典:http://fanfunfukuoka.aumo.jp

 約1,000冊の絵本が会場内に設置され、「わたしのワンピース」「からすのパンやさん」「せん」などの絵本をテーマとした展示があります。そのほか、NTTの最新技術を利用した展示も。

出典:http://fanfunfukuoka.aumo.jp

会期:〜8月22日(日)会期中無休 会場:福岡アジア美術館 企画ギャラリーなど (福岡市博多区下川端町3-1リバレインセンタービル7階) 料金:一般1,200円、高大生1,000円、小中生600円、未就学児は無料 チケット:ARTNEチケットオンライン、ローソンチケットによる日時指定チケット(事前予約)がおすすめ ※会場内の混雑を避けるため、観覧時間は約2時間 入場時間帯: (1)9:30〜11:00 (2)11:00〜12:30 (3)12:30〜14:00 (4)14:00〜15:30 (5)15:30〜17:00 問い合わせ:福岡アジア美術館 電話:092-263-1100

おいでよ!絵本ミュージアム2021

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

ファンファン福岡(fanfunfukuoka)は、街ネタやグルメ、コラム、イベント等、地元福岡・博多・天神の情報が満載の街メディア。「福岡の、人が動き、人を動かし、街を動かす」メディアを目指しています。

目次