巻き爪もホクロも、重篤化する病のシグナルの場合があります。木村専太郎クリニック(福岡市南区)の外科専門医・木村祐介ノーマン先生に聞きました。
【外科専門医】木村専太郎クリニック 木村祐介ノーマン先生
アメリカ・アイオワ州生まれ。父・專太郎の背中を追い、外科医を目指す。久留米大学医学部卒、医学博士取得。キレーション療法認定医、高濃度ビタミンC点滴療法認定医など多方面から患者にアプローチできる医師として父とともにオーソモレキュラー医学を勉強中。
巻き爪もホクロも、外的要因だけでなく栄養にも問題が
「これくらい」と放置するとより深刻な病へ繋がる巻き爪
内臓疾患や怪我(けが)などと比べ、巻き爪やホクロは気になっていても後回しにしがちです。しかし何事も放置することで新たな病が生まれ、重篤化する可能性もあります。 巻き爪は「陥入爪(かんにゅうそう)」と言い、爪の端が趾(ゆび)の皮膚に食い込んで化膿する症状で、成長期によく起こります。 親趾(親指)が風船のように膨れ、膿のせいで痛む足を引きずりながら来院される方もいます。特に多いのが20〜30代の男性で、サッカーをしている若者にも多い症状です。放っておくと、化膿から「敗血症」や「破傷風」など死に至る可能性のある症状への進行も考えられます。 私どもが行う治療は「陥入爪根治法」といい、爪が生まれる「爪母(そうぼ)」を電気メスで焼き切り、爪の生える幅を狭くすることで皮膚への食い込みを防止する「木村式(木村專太郎医師が40年前に考案した手術法)」とも言われる手術法です。 ワイヤーで爪を矯正する方法もありますが、根治できないうえに自費診療のため高額です。しかし、木村式の陥入爪根治法なら保険適用のうえ、傷が癒えるまで2週間あれば十分です。 巻き爪の予防法は「深爪しないように爪を切る」「サイズの合う靴を履く」「足の趾(ゆび)までよく洗う」というシンプルなものです。 それでもこの症状に苦しむ人が多いのは、現代の偏った食事にも 一 因があると考えています。爪は髪や肌と同じコラーゲンでできています。鉄や亜鉛、ビタミンC、良質のタンパク質が摂れていないと、爪が巻いたり反ったりして変形し、巻き爪へと繋がります。
必要な栄養素が足りないとホクロやシミが増えていく
「ホクロが大きくなった、少し痛みやかゆみを感じる」と気になりながら放置する人が多いのですが、私どもはホクロひとつも術後すべて病理検査を行います。 外科のメスと電気メスで手術をする「電気メス分解法(木村專太郎医師考案)」で切除したホクロが、悪性かそうでないかきちんと確認することで、患者に安心感を与えます。保険適用なので手術費も安く患者の負担も軽くなります。ホクロだと思っていたのが実は黒色細胞腫だった、という可能性もあります。 また、爪と同じように鉄や亜鉛、ビタミンCやタンパク質などが不足の場合、ホクロやシミができやすい ともいわれており、当院では患者に合った栄養指導も行っております。