【産婦人科医監修】妊娠中期・後期にも葉酸は重要?摂取量&ポイント・不足したらどうなる?

ビタミンB群の一種である葉酸は、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低下させるなど、妊娠初期に大きな役割を果たしてくれる栄養素です。それだけではなく、妊娠中期や後期にもママと赤ちゃんの健康のために大切な働きがあります。こちらの記事では、妊婦がかかりやすい巨赤芽球性貧血の予防という視点から、葉酸についてご紹介します。

目次

なぜ葉酸が妊娠中期から後期以降に必要?

葉酸は妊活中から妊娠初期に欠かせない栄養素として知られていますが、妊娠中期・妊娠後期にも積極的に摂取すべき栄養素です。その理由は、妊婦がなりやすい貧血を予防する作用があるからです。

妊娠中は赤ちゃんに十分な血液を送り届けるために、多くの血液を循環させようとします。しかし、葉酸が不足すると赤血球の数はそれほど増えることがないため、赤血球の数が減少し、結果的に貧血になりやすいとされています。

貧血は鉄分不足が原因で起こる鉄欠乏性貧血のほかに、葉酸やビタミンB12が不足することで起こる「巨赤芽球性貧血(きょせきがきゅうせいひんけつ)」があります。巨赤芽球性貧血は別名「悪性貧血」と呼ばれているもので、下痢や舌炎に代表される全身の不調を引き起こします。

葉酸には赤血球を生み出すのを助ける作用があるため、積極的に摂取することで、巨赤芽球性貧血の予防効果が期待できます。

妊娠中期・後期に必要な葉酸摂取量

写真AC

厚生労働省は、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の中で、葉酸の1日の摂取基準について次の通りに示しています。

時期推奨摂取量
成人女性240μg
妊活中~妊娠初期の女性240μg+サプリメントなどから400μg
妊娠中期~後期の女性480μg(食事・サプリメント問わず)
授乳中の女性340μg(食事・サプリメント問わず)
ままのて

胎児の先天障害リスクを軽減するためには、特に妊娠初期の葉酸摂取が重要ですが、妊娠中期から妊娠後期においても、非妊娠時の2倍の葉酸が必要となります。必要量を満たすために、野菜を中心としたバランスの良い食事を意識しましょう。

しかし、食事から摂取した葉酸は体内への吸収率が低いことが知られています。より効果的に葉酸を摂取るために、吸収率の良いモノグルタミン酸型の葉酸を使用したサプリメントを活用することをおすすめします。

葉酸は不足するとどうなる?

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妊活中~妊娠初期

妊活中~妊娠初期において葉酸が不足すると、「神経管閉鎖障害」という胎児の先天障害のリスクが高まります。妊活中~妊娠初期において葉酸が不足すると、「神経管閉鎖障害」という胎児の先天障害のリスクが高まります。

妊娠中期~後期

一方で、妊娠中期~後期において葉酸が不足すると、巨赤芽球性貧血を引き起こしやすくなります。巨赤芽球性貧血になると、疲れやすい、めまいがあるなどの貧血症状に加え、下痢などの消化器官のトラブルや、舌炎という舌がピリピリする症状などがあります。

また、貧血状態のままお産を迎えてしまうと、出産時の出血が多くなる、産後血液が固まりにくくなるなどのトラブルを招くおそれがあります。

妊娠後期の動悸・息切れの症状、原因は?対策と予防法についても解説!https://mamanoko.jp/articles/20248

葉酸の効果的な摂取方法

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効率的に葉酸を摂取できる食べ物

葉酸はホウレンソウなどの緑の野菜、イチゴなどの果物などに多く含まれています。葉酸は熱や水に弱いため、調理過程で失われる可能性があります。そのまま食べられる食材は、なるべく生で食べると良いでしょう。

また、葉酸はレバーやウナギにも多く含まれますが、レバーやウナギに含まれる、「レチノール(ビタミンAの一種)」は脂溶性ビタミンで代謝がしにくいため、摂取しすぎると胎児が奇形や先天異常などの障害を持つ可能性が高まります。食べる量や頻度には注意が必要です。

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葉酸はサプリメントでも摂取可能

食事から摂取する葉酸は、熱や水に弱いという弱点があります。厚生労働省は、サプリメントに含まれる葉酸は85%が利用されるのに対し、食品中の葉酸は50%しか利用されないと報告しています。より効率的に葉酸を摂取したい場合は、サプリメントで補給することが大切です。

葉酸サプリメントにはさまざまな種類がありますが、配合している成分や粒の大きさ、1回に飲む量などは異なります。それぞれを見比べながら、自分にあったものを選びましょう。アレルギー体質の方や摂取に不安がある方は医師に相談してください。

葉酸サプリおすすめ人気ランキング!妊活・妊娠中のポイントや口コミをご紹介https://mamanoko.jp/articles/28265

妊娠中期・後期のおすすめ葉酸サプリ

メルミー

メルミー

メルミーの魅力は、産婦人科医と管理栄養士によるダブル監修を受けていることです。葉酸のほか鉄やカルシウムなど、妊娠中に特に重要な17種類の栄養素を配合し、内14種類の栄養素については厚生労働省の定める栄養機能食品の基準値をクリア。「無添加」なのも嬉しいポイントですね。

厚生労働省が定める管理基準を満たしたGMP認定工場で生産されているほか、放射能検査や残留農薬検査もクリアして品質にこだわって作られています。また、配合されているすべての成分について、原産国と最終加工国の両方が公開されています。

妊娠中期・後期に葉酸の他に摂取したい栄養素

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妊娠中・後期の貧血予防のためには、鉄分の摂取が重要です。鉄分は非妊娠時にプラス13mgの摂取量が推奨されています。鉄分を多く含む魚の血合い部分やアサリ、小松菜やプルーンなどを意識的に取り入れるようにしましょう。

また、タンパク質も貧血予防に効果があります。タンパク質は、赤血球の中のヘモグロビンの材料となり、かつ鉄分の吸収率を高めてくれる働きがあります。魚、肉、卵に含まれていますが、体重管理に苦労している方は低カロリーのお豆腐がおすすめです。

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過剰摂取による副作用に要注意!

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葉酸は、食事から摂取する天然葉酸と、サプリメントに配合されていることの多い合成葉酸(モノグルタミン酸型の葉酸)にわけられます。天然葉酸は摂りすぎても体内に残らずに排出されるため、過剰摂取の心配がありません。

一方、合成葉酸の場合は過剰摂取(1000μg~/1日)すると葉酸過敏症という副作用が現れることがあります。たとえば、発熱やじんましん、かゆみ、呼吸障害などの症状です。また、アメリカでは葉酸を過剰摂取していた場合、子どもが喘息になるリスクが1.26倍高くなると指摘されています。葉酸サプリは目安量を守って摂取しましょう。

葉酸は授乳期にもおすすめの栄養素!

葉酸は妊娠中から産後にいたるまで、ママと赤ちゃんの健康をサポートしてくれる栄養素です。授乳中のママにとっても、葉酸の摂取はとても大切。葉酸は血液を作るために重要なビタミンであり、赤ちゃんに与える母乳は、ママの血液が原料となっているからです。

また葉酸は、産後のママの身体の回復を促し、ホルモンバランスを整えることで、「産後うつ」の予防につながる効果も期待できます。食事やサプリメントからしっかり摂取するように心がけてくださいね。

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この記事の監修
藤東 淳也
藤東クリニック院長
https://fujito.clinic/home/
日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長。専門知識を活かして女性の快適ライフをサポートします。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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