<体験レポート>良質な眠りは、毎日を健やかに過ごすために大切です。いびきや疲労感などの症状は「睡眠時無呼吸症候群」かもしれません。睡眠障害センター 福岡浦添クリニックでの検査の様子をリポートします。
[総合内科専門医] 睡眠障害センター 福岡浦添クリニック 山口祐司先生
福岡市出身。自治医科大学卒業。浜の町病院、熊本大学、ハーバード大学医学部ベスイスラエル病院などで研鑽を重ね、2000 年から「福岡浦添クリニック」院長。「グッドスリープ・グッドライフ」をモットーに日々診療を続けている。日本睡眠学会専門医。
目覚めがスッキリしない あなたのその眠りは大丈夫?
「いびきがある」「昼間も眠い」「就寝中に何度も目を覚ます」「慢性的に血圧が高い」という4つの症状がそろえば、睡眠時無呼吸症候群を疑います。いびきを自覚しているケースはまれで、大半の方は家族や友人からの指摘で来院されます。 また、睡眠時無呼吸症候群は中・高年の方ばかりでなく、小さなお子さんや若年層など幅広い世代に認められる病気でもあるのです。 当院を受診される方の多くは、40〜60歳の働き盛り。運転中に眠気に襲われるなど、日常生活に支障をきたすケースも見られます。放っておくと高血圧や不整脈、胃食道逆流症、緑内障、心筋梗塞、脳梗塞、突然死などのリスクを伴います。 一方、小児の場合は原因の約8割が咽頭扁桃または口蓋扁桃の肥大です。夜尿症や健全な成長に影響を及ぼすこともあるため、外科的な治療を行います。いずれにせよ、睡眠時無呼吸症候群は治療できる病気なので、早めの受診をお勧めします。
睡眠時無呼吸症候群の検査の様子をリポート
1. 初 診
[睡眠ポリグラフ検査の流れ]※入院は1泊2日。保険診療が適用されます。 いつから、どのような症状があるのか問診します。いびきの有無、昼間に眠気があるか、夜に目を覚ますかなど。聴診などの身体的な所見から判断し、検査日を決めます。
2. スクリーニング検査
検査入院の前に、自宅で簡単にできるスクリーニング検査を実施します。指先にセンサーをつけて眠るだけ。検査結果のデータをもとに面談を行います。
3. 検査入院当日
夜6~7時に来院してください。臨床検査技師から説明を受けた後、検査のための準備を行います。慣れない装置で緊張されないようスタッフが丁寧に声掛けしています。
4. 就 寝
検査では、できる限り普段の眠りの様子を確認したいと考えています。リラックスできるよう、普段使っているパジャマやマイピローを持ち込むこともできます。
夜9時頃にはベッドに横になります。睡眠ポリグラフ検査で、脳波や心電図、口や鼻からの空気の流れ、胸部と腹部の動き、眼球運動、動脈血の酸素飽和度などを記録します。 検査装置が正常に動いていることを確認した後は、ゆっくりとお休みください。個室には好みの明るさに調節できる間接照明や遮光カーテンを完備しています。
5. 検査結果
睡眠ポリグラフ検査により、睡眠中のさまざまなデータを細かく知ることができます。軽症、中等症、重症の診断結果を見ながら、これからの治療方針を立てていきます。
検査から約1~2週間後、収集したデータを解析した結果をお伝えします。睡眠中の体位の工夫や飲酒・睡眠剤服用の中止、点鼻剤、口テープなど、生活の中で改善を促す治療から、マウスピース装着やCPAPと呼ばれる鼻マスクを装着する治療まで、症状に応じて最適な治療を行います。場合によっては外科的治療を選択します。