息子が小学二年生、8歳の時のホワイトデーの話です。息子には、幼稚園時代から仲のいいお友だちのMちゃんがいます。家が近いこともあり、よく遊ぶ間柄です。私は男女の意識もない年齢だと思っていたのですが、どうやらMちゃんは息子に対して好意を抱いていることが判明しました。息子の反応はいかに…!?
幼なじみのMちゃんからバレンタインデーに愛の告白!?
毎年決まってバレンタインチョコをくれるのは、幼稚園のころから仲のいいMちゃん。
今回はチョコマフィンでした。いつも凝った手作りチョコを持ってきてくれるなあと感心しながら、紙袋を見ると… 何やら小さなメモ紙が入っていました。 捨ててしまいそうなくらい、小さく折りたたんだメモ紙です。
「これは何だろう?」と思い、私はつい広げてしまいました。それは、なんと息子へのラブレターでした! 鉛筆で「ずっと大好きでした」と丁寧に書かれ、息子のかわいい似顔絵も描かれていました。こんなことは初めてだったので、母としてもうれしかったです。
息子には中身は知らないふりをして
「お手紙が入っていたよ」と言って、手渡しました。それを見た息子の表情はニンマリ。
「どうしたの?」と聞いても無言で、大事に手紙を引き出しにしまっていた姿が、愛らしかったです。
バレンタインデーから1カ月が経ち、今度はホワイトデーです。Mちゃんへのお返しは、毎年ケーキ屋さんでお菓子を購入しているので、今年もそうしようと思っていました。
しかしある日、息子は突然
「手作りクッキーを作りたい」と言ってきたのです。
「おっ!? これはどういう意味だ? もしかしてMちゃんに脈ありなのかしら…」冷やかしたくなる気持ちを抑えながら
「いいよ」と、二つ返事をしたのでした。
初挑戦のクッキー作りで、息子が見せた本気度
息子にとって、クッキー作りは初めての挑戦でした。上手に生地が伸ばせなかったり、思うように型抜きができなかったり悪戦苦闘していましたが、何度かやっていくうちに慣れてきた様子。息子の真剣な姿に、自然と笑みがこぼれました。
いつもだとすぐ飽きてしまうような作業ですが、1時間もの間クッキー作りに集中することができ、息子の意外な一面を垣間見れて、うれしかったです。相手に喜んでもらいたい、という息子の気持ちがすごく伝わってきます。
無事にクッキーが完成すると、今度はゴゾゴゾと妹の引き出しを開け、何かを探している様子。
何をするのかと思い見ていたら、レターセットを手にしていました。どうやらMちゃんに、手紙を書きたいようです。息子は私に見られまいと、隠れながら一生懸命に書いていました。
手紙を書き終わると、作ったクッキーと手紙を紙袋に入れ、そそくさとMちゃんの家へ行っちゃいました。
帰ってきた息子の顔は、とても満足した表情。どうやらMちゃんはとても喜んでくれたようです。
さて次に気になるのは、息子が書いた手紙の内容です。一体どんなことを書いたのでしょうか? どうしても気になり、Mちゃんのお母さんに聞くと、息子が書いた手紙の写真をメールで送ってくれました。
ドキドキしながら写真の画像を見ると
「ぼくも大好きだよ」と大きな文字で書かれた手紙が写っていたのです! 「相思相愛ではないですか!」母は興奮冷めやらぬ、ホワイトデーを過ごしたのでした。
(ファンファン福岡公式ライター/伊藤優香)