オフィスビルやマンションが立ち並ぶ地下鉄千代県庁口駅そばに、ビール好きがうなるクラフトビールを提供している店「あすなろブルワリー」(福岡市博多区)があると聞いて訪れてみました。思わず見過ごしてしまいそうな小さなガラス張りの店をのぞくと、大きな2つの醸造タンクが。「ビールはできたてが一番!」と以前訪れたドイツでの実感がよみがえり「絶対おいしいビールが飲めそう」という期待感いっぱいに店内に入りました。
![](https://fanfunfukuoka.nishinippon.co.jp/wp-content/uploads/photo/upload_photo/data/1871595/xlarge_2164f060-6eb6-468b-bb39-158c0bc63546.jpeg)
「あすなろブルワリー」は、オーナーで醸造家の村井真吾さんの夢が詰まったブルワリーパブ。長年、外資系航空会社の客室乗務員として世界中の街を飛び回っていた村井さんは「ビールが好きで、訪れる国々でビールを飲み比べて楽しんでいたのですが、あるビール作りの本と出合い、飲むだけでなく作りたいと思うようになりました」と話します。 思い立ったらすぐ行動。ビールの本場ドイツ・バイエルン州リーデンブルクの醸造所の門を叩き、半年間の修業を経て、2018年11月にこの店をオープンしました。
![](https://fanfunfukuoka.nishinippon.co.jp/wp-content/uploads/photo/upload_photo/data/1871596/xlarge_a20ffaab-9665-45bc-bb53-924018a4c75f.jpeg)
高校時代にドイツ留学経験があった村井さんは「ドイツ語ができたおかげで、本場で醸造を一から学ぶことができました。さらに航空会社勤務時代の同僚から紹介されたベトナム在住のベルギー人醸造家と出会え、その人脈を生かして店の醸造機器などを海外で直接買い付けて割安に設備投資ができました。人生経験が生きています」と笑います。
![](https://fanfunfukuoka.nishinippon.co.jp/wp-content/uploads/photo/upload_photo/data/1871631/xlarge_3cbe8d30-ce34-4a0e-92e5-02e0463ea0ef.jpeg)
![](https://fanfunfukuoka.nishinippon.co.jp/wp-content/uploads/photo/upload_photo/data/1871642/xlarge_0f61979e-3391-4e7b-960b-e9570f5b3ed5.jpeg)
このように大事に醸造された店オリジナルのクラフトビールは住所の「千代」から名付けられた「ちよ」シリーズ3種類。オリジナルぺールエールの「ちよエール」「ちよIPA」、そして黒ビールの「ちよブラック」です。
![](https://fanfunfukuoka.nishinippon.co.jp/wp-content/uploads/photo/upload_photo/data/1871599/xlarge_de2a18b8-7a38-48b6-b881-442008bb654b.jpeg)
UKパイントと呼ばれるイギリス基準のグラスで提供され(アメリカ基準のUSパイントより約100ml多い)、グラスは大きめです。「ちよ」シリーズの値段はそのグラスのサイズで統一され、のフルパイント(Lサイズ600ml前後)は税込み900円、ハーフパイント(Mサイズ290ml前後)は550円です。
![](https://fanfunfukuoka.nishinippon.co.jp/wp-content/uploads/photo/upload_photo/data/1871600/xlarge_59ac33f1-8665-4c51-a570-358dda2a9a6d.jpeg)
「女性も楽しめるよう軽やかで爽やかな味わいを目指しました」という「ちよ」シリーズ。今回「ちよIPA」のハーフパイントをいただきました。特別に、と発酵タンクから直接注がれたフレッシュな黄金色のビールはまるで花のような香り! 「かんきつ系の香りが立つアロマホップを使用し、フローラルかつフルーティーな風味に仕上げています」と村井さん。微炭酸、アルコール度数はIPAにしては低めの4.8度で、つい何杯も飲んでしまいそうです。
![](https://fanfunfukuoka.nishinippon.co.jp/wp-content/uploads/photo/upload_photo/data/1871618/xlarge_845dd773-0846-4048-a1a6-bd126799e3c0.jpeg)
個性際立つ「ちよ」シリーズ3種類を130mlのミニグラスで飲み比べできる「飲み比べセット」(1,000円)は、おつまみも付いたお得なセット。このセットで「ちよブラック」を試飲してみました。まるでコーヒーのような香りで、口に含むとほのかに甘く、軽やかな味わいです。 「飲み比べセット」の内容は、時期によって、ちよ2種類と九州産クラフトビール1種類になることもあります。
「麦芽を焙煎(ばいせん)したロースト麦芽とチョコレートモルトをエール麦芽にブレンドして仕込むんです。感じる甘さは麦芽が生み出す自然の甘み。本当にコーヒーを飲んでいるみたいでしょう」と村井さんは笑います。 さらに香り、コク、苦味が絶妙のバランスの爽やかな定番ビール「ちよエール」も加え、3種類の個性をそれぞれ楽しんでみませんか。
![](https://fanfunfukuoka.nishinippon.co.jp/wp-content/uploads/photo/upload_photo/data/1871625/xlarge_9e76bcb6-7227-4a5e-8109-7f1bf26e2ce5.jpeg)
![](https://fanfunfukuoka.nishinippon.co.jp/wp-content/uploads/photo/upload_photo/data/1871627/xlarge_4ababe60-53a7-4595-990e-07b5db2bce4f.jpeg)
食事メニューは自家製の「クリームチーズ」(550円)や、「ソーセージの盛り合わせ」(700円)なビールに合うおつまみ系の軽食が中心です。
近隣には外国人向けのゲストハウスなども増えていることから外国人客も多いそうで、英語やドイツ語が堪能な村井さんは世界のビールファンとの交流も楽しみの一つと話します。
![](https://fanfunfukuoka.nishinippon.co.jp/wp-content/uploads/photo/upload_photo/data/1871635/xlarge_ce86bce7-c084-4dc9-98f1-9a5ddf19f072.jpeg)
なぜ人気の商業エリアではなく、少し離れた千代を選んだのか聞くと「地域に根ざし、地域の人が集まる店にしたかったんです。天神や博多のような人気の商業地は人の流れが早過ぎて」と村井さん。店名は大分県で母親が営んでいた飲食店の名前を受け継いだということからも、アットホームさやルーツを大事にしたい村井さんの人柄がうかがえます。
3月21日~25日はフィリピンの醸造所へ研修に行くため休業とのこと。常に良いもの、新しい技術、世界の味の追求を続ける街の小さな醸造所の進化が楽しみです。
あすなろブルワリー
住所:福岡市博多区千代4-6-3 電話:092-710-4842 営業:17:30〜L.O.23:30 日・月曜休(3/21~25は休業)
施設名:あすなろブルワリー
住所:福岡県福岡市博多区千代4-6-3 えびすガーデン 1F
営業時間:18:00~24:00
定休日:毎週日曜日と第2第4月曜日
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。
アクセス:地下鉄箱崎線/千代県庁口駅7番出口から、徒歩約1分 千代県庁口駅から207m