<小3の壁にぶつかる息子> 焦る親子を救ってくれた担任の一言とは

 小学校3年生は、科目数が増えるのに加え、難しい漢字やローマ字を学びます。得意・不得意がはっきりする時期でもあり、勉強がそれまでのように進まないことも。今回は、わが家の息子がぶつかった「小3の壁」についてお話しします。

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下がるテストの点数

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 息子は3年生に進級し、テストの点数が急降下しました。2年生までは100点や90点が当たり前でしたが、3年生最初の国語テストは60点。本人はショックを受けてしょんぼり。私も驚き、勉強方法を見直す必要性を感じました。

まずは息子に
 「何が苦手だと思う?」と尋ねます。
 「漢字だよ。すぐに忘れちゃうから」息子の言う通り、テストでバツが付いたのは、漢字の書き取り。暗記力に自信がないなら、反復学習が必要です。

 学校は時間割が増え、帰宅時間が去年より遅くなったため、息子と相談して習い事を減らしました。空いた時間を自宅学習にあてることができます。前年度まで宿題以外の学習は週末のみ取り組んでいましたが、今年度からは毎日少しずつ漢字の書き取りを行うことに。息子は
 「やりたくないなあ」とぼやきながらも、根が真面目な性格のため、コツコツ取り組みます。

 そして迎えた2回目の国語テスト、返却された点数は70点。息子は
 「思ってたより全然できなかった…」と、落ち込みました。

 私は
 「前より良くなってるから、このまま頑張ろうよ!」と励ましますが、息子の気持ちは晴れない様子。よほどショックだったのか学習意欲が落ち、
 「今日の分は明日まとめてする」など、サボりがちになりました。

息子の長所に気付かせてくれた先生

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 テストの点数は伸びないまま7月に入り、担任の先生と保護者の面談が行われる時期になりました。私は、息子の学力や自宅学習の方法について相談します。先生は、話を真剣に聞いた後、眉尻を下げて
 「そうなんです、3年生になると覚えることが増えて、本人がかなり努力しないと付いていくのが難しくなります。うちの子も突然点数が下がりました」と言いました。

 先生は、3人のお子さんを持つベテランの女性教諭。ご自身のお子さんの経験も踏まえて話を続けます。
 「正直なところ、みんな同じような状況ですから○○さんの成績は問題ないですよ! 学校では躓きやすい箇所を何度か勉強しますし、自宅ではできそうなら頑張ってもらって。でも、家では無理しないでゆっくりしてもいいと思います」私は先生の言葉に驚き、思わず
 「ゆっくりさせて平気なんですか?!」と尋ねました。先生は頷き、言葉を続けます。

 「○○さんは、友達同士の喧嘩が始まると間に入って一生懸命止めています。周囲に気遣いができるので、疲れないかなって心配になることがあるんです。家でしっかり休んで、余裕ができたら勉強に取り組んでも遅くないと思います」

 先生の言葉でハッとしました。息子は、学習意欲が落ちたのではなく、学校生活で疲れ、自宅学習まで手が回らなくなっていたのではないでしょうか。私は、学習面ばかりを問題視し、学校生活の大部分を占める人間関係や生活面に目が向いていなかったのです。

心と体を整えて、学びの土台作りを

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 先生との面談以降、息子が話す「学校生活の様子」に耳を傾けるようになりました。
 先生が心配していた「気遣いをしすぎること」について息子は無自覚でしたが、男子の悪ふざけや、からかいについての愚痴はたっぷりある様子。話を聞き、心や体が疲れているときは
 「今日は宿題だけにしとく?」と提案し、無理をさせないよう心掛けました。

 また、息子と一緒に動画で暗記方法のコツを見て、効率的な漢字の覚え方について模索することも。その結果、息子には、漢字をイメージで覚える方法が合っていることがわかりました。例えば、水に関係する言葉なら「さんずい」が付くなど、漢字の意味から推測すると比較的覚えやすいようです。
 テストの点数だけ見れば、以降もなかなか上がりませんでしたが、「今回で学習の習慣ができた」「前より意欲的に取り組めた」など、努力の過程に目を向けるようになりました。

 小3の壁は息子にとって最初の挫折で、親としては早く突破してもらいたいもの。しかし、焦りは禁物だと学びました。小3の壁も、これからの挫折も、息子の心と体の健康を第一に考え、気長に乗り越えていければなあと思います。

(ファンファン福岡公式ライター/芦谷)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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