仕事のやりがいって何? 親子で語る10トレ

 東日本大震災で被災した夫婦が、福岡県川崎町に移住し、一度は諦めかけたリンゴ栽培を再開しています。夫婦を奮い立たせた思いとは何か。子どもの考える力を養う「10分トレーニング」を使って、親子で考えてみてください!

目次

1.まずは記事を読んでみよう!

出典:10トレ

  東日本大震災で被災し福島市を離れたリンゴ農家の夫婦が、福岡県川崎町の観光農園で再びリンゴ栽培に挑んでいる。東京電力福島第1原発事故の影響で農地を手放した渡辺正典さん(69)、喜美子さん(69)。多くの人に喜ばれるリンゴを育てようと約40年、福島で培った経験や技術を注ぐ。昨春から長男も同町に移住。古里の地への思いも胸に、「前に進もう」と丹精込めて手入れを続ける。

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 正典さんは農業高校卒業後、父とともに1・2ヘクタールの農園でリンゴや桃を栽培。特にリンゴは福島県の品評会で金賞を重ねる品質に育て上げ、北海道から沖縄まで全国に顧客がいた。  2011年3月、暮らしが一変した。原発から約60キロ離れた福島市の農園にも放射性物質を含む雪が積もり、1カ月半、除染作業に追われた。震災後に出荷したリンゴには買い手がつかなかった。顧客の8割を失い、価格も10分の1まで下がった。検査で安全は証明されていたが、生産者として葛藤もあった。「被災者が加害者になりかねない」。13年1月、東電や国への怒りを抱えたまま、リンゴ栽培を断念した。

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 福岡との縁は、同県出身のボランティアを通じて生まれた。震災翌年に講演で福岡に招かれ、15年に再訪した際、川崎町営の観光リンゴ園を紹介された。標高400メートルの山間部。「不安はあったけど、過去ではなく前を向きたかった」と喜美子さん。福島の土地を売り、10月に移り住んだ。  川崎町から運営を任された80アールの観光農園は「一口オーナー」用のリンゴが約900本植えられていた。全ての枝と、根が張る土壌に日光が届くよう、無駄な枝を切り落とし、有機肥料を施して減農薬にも取り組んだ。「剪定(せんてい)は栽培で最も重要。木の成長や品質すべてが変わる」(正典さん)。福島市より平均気温は低く、寒暖差があってリンゴの着色がよかった。真っ赤に色づく大粒で甘い実が評判を呼び、オーナーは倍近くになった。直売所に足を運ぶリピーターも増えた。  観光農園のリンゴを自ら購入、福島に送る活動も始めた。パティシエを目指す女子高生から「リンゴでケーキを作りました」とメールが届くなど、古里との縁もつながった。 育てたリンゴをおいしく食べてもらえる。生産者の喜びを取り戻した。  昨年4月、東京で暮らしていた長男の正隆さん(41)が家族とともに川崎町に移り住んだ。東京で服飾や電気工事の仕事をしながら「いつか父に技術を教わりたい」と考えていた正隆さんは「自分の果樹園を持ちたい」という夢を描く。  3月は一番大切な剪定の季節。渡辺さん一家は、消費者の笑顔を思い浮かべながら、新天地のリンゴを慈しむ。  (座親伸吾)

2.設問に答えてみよう! 口頭でもOKです

問1 渡辺さん夫婦が、福島でのリンゴ栽培を諦めた理由について、適当なものを一つ選んでください。 (1)リンゴが放射能に汚染され、売れなくなったから (2)リンゴの安全性は保証されたが、被害を出してしまうことを恐れたから (3)年を取り、やめるにはちょうどいいと思ったから 問2 渡辺さん夫婦が、福岡県川崎町に移住した理由について、妻の喜美子さんは何といっていますか。 問3 渡辺さん夫婦は、川崎町でどんな気持ちを取り戻しましたか。

出典:10トレ

3.感想などを親子で話し合ってみよう!

<会話のポイント>   渡辺さんはなぜ、移住してまでリンゴ栽培を続けているのかについて、親子で話し合ってみてはいかがでしょうか。働く意味や働きがいについて、お子様に考えてもらうというのが目的です。  私は、渡辺さん夫妻が知らない土地に移住し、70歳近くになっても働き続けられる理由は、おいしいものを育て、消費者に喜んでもらうという生産者としての喜びがあるからではないかと思います。もちろん お金のためという理由もあるかもしれませんが、やはり、「やりがい」がないと、仕事はなかなか続けられないのではないかと思うからです。  平均寿命が延び、人生100 年時代ともいわれています。年をとっても働き続けることは、生活のためだけでなく、生きがいを感じるためだと思っています。子どもたちも、常に生きがい探しを続け、充実した人生を送ってほしいと願っています。

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4.解答例です。答えは一つとは限りません

問1の答え:2 ※ファンファン福岡フリーペーパー3月20日号の読者プレゼントに応募する人は、問1の解答を書いてください。 問2の答え:不安はあったけど、過去ではなく前を向きたかったから 問3の答え:育てたリンゴをおいしく食べてもらえるという生産者の喜び

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 今回の10トレ、いかがでしたか? ファンファン福岡では随時、更新していきます。 ☆「もっと10トレのことを知りたい!」という人は「子どもの読解力を育てる家庭でできる10分トレーニング(10トレ)」をご覧ください。登録すると、毎週月・水・金曜に問題と解答例がメールで届きます。無料です。

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※この記事内容は公開日時点での情報です。

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