タイパを重視?! 遅刻魔の新入社員の言い訳にドン引きした話

 今どきの若者はタイパ(タイムパフォーマンス)を大切にして、時間効率を重視する人が多いそうです。わが社の新入社員のAくんもそのタイプ。一見真面目そうに見える彼は、実は遅刻魔だったんです! 遅刻を改善するよう指摘すると、まさかの言い訳が…。いまどきの若者との考え方の違いにドン引きした話をご紹介します。

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高学歴で真面目そうな新入社員

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 私が勤めている会社は、従業員数30名以下の小さな会社です。これまでは中途採用ばかりでしたが、従業員の若返りのために… と初めて新卒を雇うことに!

 そこで入社したのが、ちょうど私と20歳年の離れたAくん。有名大学の建築学部を卒業している、いわゆる“高学歴男子”でした。
 育ちも良いせいか、しゃべり方1つとっても賢さや真面目さが感じられ、電話の応対も丁寧だったので、「若いのに偉いな~」と思っていました。

入社してから1週間… 遅刻する日が増えてきた

 一見、真面目そうな新入社員Aくんですが、1週間が経過したころ、徐々に遅刻をすることが増えてきたのです。

 最初は電車の遅延が理由だったので、「仕方ないな」とみんな理解を示していたのですが、それがなぜか3日に1度のペースで起こるように。

 確かに彼が利用する電車は、強風などの悪天候によって遅延することが多い路線。しかし、「それにしても多いよな…」と、私も含め他のスタッフも疑問に思うようになりました。

まさかの重役出勤?!

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 みんなが「コイツ、遅刻魔じゃないか…?」と疑念を抱くようになったある日のこと。
 毎年行う、お客様向けのバーベキューイベントの下見に、Aくんを含めた6名で行くことになりました。

 当日の集合時間は朝9時半。私は同僚の女性社員と一緒に、少し前に到着しました。
 バーベキュー会場の下見をし、実際にイベントで注文するお肉セットを注文。焼く下準備に取り掛かります。しばらくして他のスタッフも合流し、火起こしなどの手伝いをしてくれました。

 しかし… 待てど暮らせど新入社員Aくんは現れません。
 気が付くと、時計の針は10時10分を指していました。「え、まさかの遅刻?」とみんながざわついていると、
 「おはようございます」と颯爽と現れるではありませんか!

 しかも、遅刻したことへの謝罪もなく、平気な顔で焼けたお肉を食べようとします。思わず「ありえない…」と数名のスタッフが顔を見合わせてしまいました。

「1本前の電車に乗ったら?」提案すると、まさかの逆ギレ

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 さすがにこれはマズイと思った私は、片付けをしながらAくんに思い切って聞いてみることに。
 「今日も電車が遅刻したの?」
 「はい、なんか人身事故で…」とAくん。

 「今度から、1本早い電車に乗るようにしたら? そしたら遅延しても遅刻しないで済むじゃない?」
するとAくんは
 「え~! 嫌ですよ。もしスムーズに電車が来たら、早く着いちゃうじゃないですか! それって時間の無駄ですよね? いや… ないな、ありえない!」と、呆れた顔で私に逆ギレしてきたんです。

 そのやり取りを見て、他のスタッフは苦笑い。まさかの言葉に、私は呆れて何も言うことができませんでした。
 “5分前行動”を教えられてきた私たちとは、考え方が180度違うことに、「これがジェネレーションギャップか…」と落胆してしまいました。

若者世代とのギャップを埋めるのはコミュニケーション!

 最初は呆れていた私達先輩社員ですが、この出来事以降「これじゃ、マズイ」と、普段から休憩時間になるべく彼に話しかけて距離を縮めるようにしました。

 趣味のサッカーの話や彼女との恋愛話など、他愛もない話もしたことで、Aくんも私たちのことを信頼し、素直に話を聞けるようになったのかもしれません。

 1年が経った今。あんなに多かったAくんの遅刻は、ぱたりとなくなりました。業務も本格的に任されるようになったことで、社会人としての自覚が芽生えた様子。

 後で聞いたのですが。あの日、私が遅刻について指摘したことで、Aくんは「どんな事情であれ、遅刻ばかりしていては周りに信頼してもらえない」ということに気が付いたのだそうです。

 世代間ギャップを埋めるには、やはり根気よく伝えることが大切。
 お互いを理解し、信頼関係を築いていかないと、正しいことも伝わらないんだなと思いました。やはりコミュニケーションって大事ですね!

(ファンファン福岡公式ライター / なないろさん)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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