地下鉄渡辺通駅から日赤通り沿いに徒歩約6分、FBS福岡放送ビルの隣に2月27日にオープンしたばかりの「HAMATAモンゴル薬膳火鍋」(福岡市中央区)。モンゴル出身のマイラスさんが営むモンゴル鍋料理のレストランです。
店内に入ってびっくり。スポットライトの当たる立派な舞台があり、まるでライブハウスのようです。実は、マイラスさんの本業は料理人ではなく、プロの馬頭琴(ばとうきん)奏者。8歳から馬頭琴を始め、さらに演奏に磨きをかけるため中国・内モンゴル自治区の芸術学校で馬頭琴を学んだそうです。
「馬頭琴は2千年以上の歴史があるといわれる素晴らしい楽器ですが、世界的にはまだまだ知られていません。そこで、自分でも馬頭琴を日本に広めたいと思い、北九州市の大学に留学。その後、福岡市に移住して来日11年目です」とマイラスさん。 「演奏会やイベントなど演奏家として活動していましたが、食を通じてもっと馬頭琴の地名度広げたいと、レストランのオープンを決めました」と流ちょうな日本語で話してくれます。 「実は、日本の小学校では馬頭琴が描かれた物語『スーホの白い馬』を授業で習うので、楽器の存在自体はかなり知られている、ということを来日して初めて知ったんですよ」と笑います。
店の看板メニューは、モンゴルで普通に食べられている火鍋。健康にいい素材や香辛料をたくさん使う薬膳鍋です。スープは4種類あり、辛さが選べる「麻辣スープ」、「鶏ガラスープ」、「きのこスープ」、「トマトスープ」から好みで2種類を選べます。
「メインの肉は羊肉。故郷では、牛よりも羊のほうが高級で、よく食べられています」とマイラスさん。極薄にカットされた羊肉は、しゃぶしゃぶして食べるだけではなく、野菜と一緒にぐつぐつ煮込んでも固くならず、うまみたっぷりに楽しめます。
羊肉はビタミンが豊富で低カロリー。脂肪を燃焼させるL-カルニチンが含まれていることで知られ、ダイエットが気になる人や筋トレマニアが好んで食べるヘルシーなお肉として、近頃特に人気が高まっているそうです。
「Cセット」には羊肉、牛ロース肉、イカ団子、スパム、豆腐、きのこ盛り、野菜盛り、大根、シメの麺などがあり、ボリューム満点です。
火鍋のもう一つの楽しみは自分で調合するタレ。 店の中央に薬味台があり、特製の牛肉みそやニラみそ、辛子(からし)みそや練りごま、モンゴル塩、ナッツやポン酢、パクチーなど自分で自由に合わせてオリジナルのタレを作ります。
マイラスさんがおすすめのタレを作ってくれることもあります。「現地では夏でも火鍋は普通に食べられています。これから暖かくなりますが、夏でもクーラーの効いた店内で楽しんでください」とマイラスさん。
食事中にマイラスさんの演奏が始まり、さながら店内はゲル(遊牧民が暮らすテント)の中のようなアットホームな雰囲気に。
HAMATAとはモンゴル語で「共に、一緒に」という意味とか。優雅な馬頭琴の音色を聞きながら、仲間と鍋を囲むのもよさそうです。
「これからは一品料理のレパートリーも増やしてきたいと考えています」とマイラスさん。今後の新メニューも楽しみですね。
HAMATAモンゴル薬膳火鍋
住所:福岡市中央区清川2-21-22 電話:092-401-1618 営業:18:00~23:00(L.O.22:00) 不定休