悪行を繰り返していた元上司が、ある日突然、クビに。デスクには、恥ずかしすぎる“置き土産”がありました。まじめに働いていれば、こんなことにはならなかったのですが…。かなり特殊な例ではありますが、今ごろ猛省しているはずなので、どうぞ笑ってあげてください。
やりたい放題の部長が築いた“帝国”
前職は、社員20人弱の小さな会社。「名ばかり」の会長・社長は、数カ月に一度しか顔を出さないため、社内を牛耳っていたのは、部長でした。
この部長、気にいらない相手には、社員・パートのみならず、取引先や飛び込みの営業マンまで、罵詈雑言を浴びせて心身ともにボロボロに…。一方で、お気に入りの女子社員には、何かと理由をつけて出張に帯同させ、ギリギリの言動を繰り返す。
パワハラ・セクハラ何でもありの“超危険人物”でした。
表向きには
「この仕事は女性の視点が大切だから」と言っていたものの、男性社員に少しでも反抗されるのが嫌だったのでしょう。違う部署の人事までチェックし、部長以外、全員女性の“帝国”を築きあげていました。
女性しか採用しなかったのは、このためだった?
会長・社長を含め、女性しかいなかったのは、部長にとっていい口実だったのでしょう。就任早々、
「女性は数字に弱いから。あとから確認するより、僕がやったほうが早い」と、経理の仕事を全て部長がやることに。
社長が口出ししても
「会社に来ていない人間にはわからない」と跳ね返し、社員には
「僕がやっておくから」と管理をさせなかったため、最終的にはお金の流れを把握している人間が部長のみに。
その結果、1億円以上の着服が7年間も見過ごされてしまったのです。
デスクは自分で片付けたい。その真意は…
売り上げを不審に思った社長が、弁護士や税理士とともに入念に調査を重ねること半年。ようやく証拠が揃ったところで「一発退場」を突きつけられた部長は、ぐうの音も出ず、全てを認めました。
ただ、最後にひと言だけ
「デスクは自分で片付けさせてほしい」と懇願してきたそう。
しかし、何をされるかわからない状況だったため、金輪際、会社には来ない・社内の人間には連絡を取らないことを約束させたそうです。
私も含め、スタッフは全員、翌日になって初めて全貌を聞かされました。今までひどい仕打ちを受けた人間も多く、混乱よりは「解放された」という安堵が広がっていました。
「今日は仕事どころじゃないね」と笑いながら、部長のデスクを片付けることになったのですが…。
引き出しから出てきたものは、露出の高いアニメのフィギュア、自身で編集したエッチな動画のDVD… そして、食品保存袋に入った大量の使用済みコンドーム。
あちこちで悲鳴が起こり、震えあがるスタッフたち。間違いなく、人生で一番、恐怖を感じた瞬間でした。
誰もいない社内で何をしていたのか
「毎日、夜中まで会社で仕事をしている。土日も出社しているし、1年間で休むのは元日くらい」と、常々豪語していた部長。それだけ忙しいとアピールしていましたが、全員が帰宅したあとの社内で何をしていたのか。
さらに、部長が勝手に社内に入れないよう、鍵を交換をしようとすると
「以前、部長さんにカードキーを30枚渡しています」と、ビルの管理会社から告げられました。
社員は1枚ずつカードキーを持っていましたが、入退職者への受け渡しや数の管理をしていたのは、別の社員。何の目的で、30枚ものカードキーが必要だったのか… 謎は深まるばかりです。
本人に聞くこともできず、真相は闇の中。不潔すぎる部長のデスクは、後日ごみ処理業者が来るまでの間、誰も触れることはありませんでした。結局、民事で済ませたため、ほとんどお金は返ってこなかったと、社長は嘆いていましたが…。
実は数年前に一度、部長の仕事でのミスを指摘し、数週間「ターゲット」として散々ボロボロにされたことがある私。
部長が自分で蒔いた種とはいえ、一発退場になったこと、その後に恥ずかしすぎる醜態をさらしたこと… 今まで受けた仕打ちが、すっかり浄化されたような感覚になりました。
(ファンファン福岡公式ライター/ふわずみ みか)