「赤信号で渡るのがカッコイイ!」と誘ってくる小学生の息子の友達に喝を!

小学生になり、子どもたちだけでの登下校はちょっと心配がありますよね。そんな中、息子の友達が「赤信号を赤で渡るのがカッコイイ!」と言っていたら… 今回は、息子の友達を思わず注意しに行ってしまった出来事をお話します。

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小学校で初めてできた友だち

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 長男が小学校へ入学した際、Aくんという友達ができました。違う幼稚園出身でしたが、さすが子ども同士! あっという間に仲良しに。登下校を含めいつも一緒のようでした。Aくんは礼儀正しく優等生タイプ。いつもお辞儀をしながら
 「(息子)くんのお母さん、おはようございます」と挨拶をする子で偉いなぁと思っていました。

 ある日、学校から帰った息子が複雑な表情をしながら私に言いました。
 「ママ、赤信号って渡っちゃいけないよね」
 「え? 当たり前でしょ」小さい頃から教えている当たり前のことを聞かれて、ついそう言ってしまいます。

 「そうだよね…」息子は何やら暗い顔をしています。

 「危ないよ。車が来てぶつかったら、ケガをしたり、死んじゃったりすることもあるよ」
 「走っても?」
 「走ってもダメだよ。赤のときは渡らない。点滅していても、渡らないで次の信号を待つようにしようね」

 「… わかった」息子の様子が気になったので、何があったのか聞くと、重い口を開いて、息子が話し出します。

Aくんのびっくり発言

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 「Aくんが、信号を赤で渡ろうって言うの」
 「えっ、Aくんが?」
 「うん。みんなで赤で渡ろうって。僕は『危ないからだめ』って言うんだけど、『赤で渡るのがカッコイイ』って言われる」

 赤で渡るのがカッコイイ!? 挨拶もしっかりでき、優等生のAくんがそんなこと言うなんて信じられません。

 「Aくんは渡るの?」
 「うん。Bくんも渡る。僕だけ渡らないからダサいって笑われる…」
 「いつから?」と聞くと、
 「結構前から、毎日…」これは聞き捨てなりません。

 「それはAくんも、Bくんも間違っているね。『だめだよ』って言えて、偉かったね」そう言って息子を抱きしめると、涙ぐんでいました。家が近所で同じクラス。そして何より小学校で初めてできた友達のため、仲良くしたい気持ちが大きい息子の様子を見て、これは注意した方がいいなと感じました。

待ち伏せして様子を見ることに

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 次の日、問題の横断歩道のところに行き、息子たちの帰りを待ちました。しばらくすると賑やかな声が聞こえ、Aくん・Bくん・息子が楽しそうにじゃれ合いながら歩いてきました。

 「今日も赤で渡ろう!」Aくんが言うのが聞こえました。
 「〇〇(息子)もさ、そろそろ頑張ろうぜ」Bくんも言います。
 「僕は危ないから渡らない。危ないからやめなよ」二人に向かって言う息子がなんだか大人に見えました。

 「赤信号も渡れないとかガキじゃん!」
 「だっせー!」
 「見てみろよ、今ならいけるぜ!」二人のそんな言葉を聞いて、もう黙っていることはできませんでした。

 渡ろうとした瞬間、
 「あ! 危ない!」私は大きな声で言い、両手を広げて二人の前に出ました。
 「信号赤だよ! ちゃんと見ないと!」二人は慌てて戻ります。

 Aくんは
 「教えてくれてありがとうございます。しゃべっていてちゃんと見ていませんでした」なんて言うんです。さっきとは全然違う態度のAくんに、大人げなくも腹が立ち
 「いつも赤で渡ってるんじゃないの?」と言ってしまいました。

 「信号が青になったら渡ってる? 赤で渡ったりしていない?」
 「いや…」二人は気まずそうに黙ってしまいます。 

 「赤信号で渡ってはいけないこと知ってるよね。車が来ていないとか、誰も見ていなければ渡っていいわけじゃないんだよ。赤信号で渡っても、全然カッコよくなんかない。もし事故にあってしまったら、みんな悲しいんだよ。もうやめようね」

 「はい…」二人はシュンとしながら、
 「ごめんなさい」と謝っていました。その後、赤信号で渡ることはなくなったようで、息子の笑顔も戻ってきて一安心。

 よその子に注意をするのは初めてだったのでちょっとドキドキしましたが、何かあってからでは遅いので注意してよかったと思っています。悪いことをすると大人になった気分になり“カッコイイ”と思うのかもしれませんが、たった一つしかない命を大切にしてほしいなと思った出来事でした。

(ファンファン福岡公式ライター/さとう なつこ)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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