7月28日~30日、六本松蔦屋書店(福岡市中央区)のイベントスペースで「せかいたび深発見~タイランド編~in六本松蔦屋書店」が開かれました〈主催:タイ国政府観光庁福岡事務所、西日本新聞社〉。28、29日に展開した同店の“旅のコンシェルジュ”森卓也さんとタイ国政府観光庁(TAT)福岡事務所のスタッフによるトークイベント。その2は29日の様子をリポートします。
森さんが週末旅で訪れた“大人のビーチリゾート”の横顔を紹介
当イベントの前週末から2泊4日でタイを旅したばかりの森さんと、その前週にタイを訪れていたTAT福岡事務所の冨松寛考さんは、偶然にも王室の保養地「ホアヒン」を訪ねたというので話が盛り上がりました。同じようなアングルで収めてきた写真などもあり、打ち合わせの時に、お互い思わず目を見合わせたとか。この日は大人が楽しめるリゾートの魅力と、タイの旅の楽しみ方を発信しました。
ビーチ沿いを優雅に乗馬できるのは、ホアヒンならでは
タイの首都バンコクの南西約200kmに位置するホアヒン。タイ湾に面し、王様の保養地(避暑地)として古くから栄えたビーチリゾートです。冨松さんは「日本で言うと、葉山の御用邸のような感じでしょうか。ホアヒン鉄道駅には、王室だけが利用できるタイで最も美しいと賞される待合室があります」と話します。今回、冨松さんはバンコクからバスで移動したそうで「スワンナプーム国際空港からホアヒン行きのバスがあります。トイレ付きで、ホアヒンまでの道路が整備されているので渋滞もなく、約3時間で到着しました」。一方の森さんは、バンコクから約4時間の電車を利用。「空調も効いていて快適でしたよ」と報告します。
ホアヒンはビーチで乗馬ができることでも知られています。「街の中でも馬のお世話係の人が手綱を引いてゆっくり歩く姿に遭遇するなど、とても優雅な雰囲気です。時速60kmぐらいで走り過ぎた馬もいましたけどね(笑)。日本で乗馬をするよりもホアヒンでの乗馬体験のほうが、ひょっとしたらコスト的には安いかもしれないですよ」と森さん。
冨松さんは「タイに行くとゾウに乗るイメージが強いですが、優雅に馬に乗る体験もすてきですよね。しかも、海岸沿いを馬に乗って闊歩(かっぽ)できるのは、タイではホアヒンが唯一かもしれないですね」と説明しました。
海岸沿いのホテルに宿泊し、美しいサンライズに息を飲む
東側に海が広がるホアヒンでは、海岸線から朝日が昇る光景を楽しめるのも魅力の一つ。「ホアヒンはサンライズがとてもきれいな所です。海が遠浅になっているタイミングだと、朝日が昇る海岸沿いを托鉢(たくはつ)する僧侶の姿に遭遇するなど、幻想的でもあります。少し早起きするとこんなにいい光景に出合えるのかと感激しました」と冨松さん。「海岸沿いに建つホテルに宿泊しているからこそ、できる体験とも言えます。ロケーションでホテルを選ぶのもいいですね」と続けます。
ホテルの話になると森さんは「ホアヒンは最高級のホテルに比較的リーズナブルに泊まれる所ですね。僕が泊まったのはコンドミニアムでした。日本からインターネットで予約しましたが、キッチンとベッドルーム、リビングもあって1泊3,800円ぐらい。最高級のホテルにも8,000円ぐらいで泊まれるようです」。
ちょうど今、タイはグリーンシーズン(6~10月)といわれる雨期ですが、冨松さんは「ホアヒンの西側はミャンマーにつながる山が広がっていて、その山側から吹き下ろす風が吹き、乾燥もするし寒暖差があるのが特徴です。ワイナリーもあるんですよ」と説明しました。
シカダ・マーケットでアーティストに出会う楽しみ
ホアヒンを代表するスポットの一つ、週末に限定開催される「シカダ・マーケット」にも足を運んだ森さん。「バンコクやチェンマイなどでもマーケットには行きますが、シカダは一番洗練されているマーケットだと思います。ホアヒンは欧米の人も好んで滞在しているエリアなので、デザインセンスが欧米寄りのアイテムも多く見られます」とお気に入りの様子。
さらに「タイの伝統的な工芸品なども充実しています。アーティストや職人がその場で作っている場合もあるので、例えば自分の絵を描いてほしいとリクエストすれば応えてくれるかもしれません」と楽しみ方を伝授しました。
「次はトンブリー地区を訪れてみたいですね」(森さん)
写真を見ながら、話はバンコクへ。バンコク郊外のトンブリー地区にある「ワット・パークナム」は、アユタヤ時代に創設された歴史ある瞑想(めいそう)寺院。仏陀の生涯(仏教観)を描いた鮮やかな天井画が有名で、その美しさに“映える”寺院としても話題だったので、ご存じの人も多いかもしれません。
「コロナ禍の2021年、白亜の大仏塔の隣に大きな黄金の仏像が建てられました。この仏像を運河沿いから見た夕景の写真も注目されています」と冨松さん。
トンブリー地区のもう一つの特徴といえば運河。「バンコクは以前“東洋のベニス”と言われていたほどで、運河が張り巡らされていたのですが、ここは運河が残るエリアです」と冨松さんが説明すると、森さんが「僕はあまり行ったことがなく、次はトンブリー地区に宿泊してしっかり散策してみたいですね。バンコクは大都会でビル群のイメージですが、昔のバンコクの趣が残っているエリアもある。地価が安いこともあり、クリエーターがこぞってこの辺りに工房などを構えているらしいと聞いています」と続けました。
来場者からの質問タイム「おすすめのレストランは?」
最後に会場からの質問に答えた2人。いくつかピックアップしてみると…。
―おすすめのレストランがあれば。
森 僕は初めての方などには「タリンプリン」というタイ料理店をおすすめしています。バンコク市内に数店舗展開していて、サイアムパララゴン内などにもあります。何を食べてもおいしいですよ。
冨松 時間がない方、1人旅の方などにはショッピングセンター内のフードコートを上手に利用するのをおすすめします。どの施設もすごく力を入れていてタイの伝統的な料理はほぼそろっているし、洋食や和食もある。味のクオリティーが高いんですよ。
―ホテル選びのコツはありますか。
冨松 友達とわいわい街を歩きたいという場合は、駅に近いホテルだと移動が便利に。お子さんも一緒など家族の場合はプールがあるホテルもいいですね。せっかくよいホテルを予約した場合、寝に帰るだけではもったいないと思いますよ。ジムやマッサージ、レストランなど、ホテルの施設を思う存分使いこなして過ごしてみてください。
森 1拍は最高級のホテルに泊まり、それぞれに異なるサービスを体験してみるのもいいですね。
―タイに行くときのお金の準備は。
森 僕は日本の銀行口座から旅行先の現地通貨が引き出せる「国際キャッシュカード」を持っていて、便利なので重宝しています。いつもタイに着いて空港で引き出しています。
冨松 日本で両替すると手数料がかかるので、日本円を持っていき、タイに着いたら空港内の銀行で移動費分くらいを両替え。後は街のいたるところにある両替所でパスポートがあれば両替できます。また、バンコク市内だとほとんどの店やコンビニでクレジットカードが使えるのでカードがあると便利。地下鉄もクレジットカードタッチでキャッシュレス決済ができるようになっています。