偏食がひどく、なかなかお肉を食べてくれない双子の息子たち。ある日、いただき物の高級牛肉を食べると、予想外のリアクションに思わず爆笑してしまいました。
偏食すぎる4歳の息子たち
わが家には4歳の双子がいるのですが、偏食がひどく2人ともなかなか食が進みません。
特にお肉は、からあげやトンカツなど衣をまぶして揚げたものしか食べてくれません。良質なたんぱく質摂取のためにもお肉は食べてほしい、でも毎日揚げ物をするのは労力的にもカロリー的にもつらい…。日々献立作りに苦戦して頭を抱える毎日でした。
そんなある日、ひょんなことからとても高級なステーキ肉をいただく機会がありました。
厳重に包装された木箱を開けてみると、誰もが知っているであろうブランド牛の名前が書かれたシールが一枚一枚のお肉に丁寧に貼られ、キラキラと光り輝いていました! お肉は3枚入っていて、すべての肉に細かいサシが入っています。
夫と2人で食べようかとも思いましたが、そうすると1枚余ってしまいます。どうしようかと迷った結果、双子にも焼いてあげることにしました。
今までBBQなどでお肉を焼いても一切興味を示さなかったため、おそらく食べないと思いましたが「ちょっともったいないけれど、高級肉の味を知ってもらうのも悪くないかな」と、軽い気持ちでした。
大人顔負けのグルメリポートにびっくり!
晩ごはんの時間になり、息子たちを席に座らせます。
「今日のメニューは、とってもとってもおいしいお肉のステーキです! 滅多に食べられないので心して食べてください!」と盛大に前宣伝をする私。
そして双子が残しても、温かいうちにすぐ食べられるようにと、大人用のわさび醤油も用意しました。高級なお肉を無駄にしまいと大人も必死です。
「おにく…? ステーキ?」
はじめは訝しげにステーキをフォークでつついていた息子たちでしたが、一切れお肉を口に運ぶと顔色が変わりました。
「おいしい?」と私が聞くと、ぶんぶんと首を縦に振ります。
そして飲み込むや否や、満面の笑みで次の一切れを口に放り込んだのです! そして口いっぱいにお肉をほおばりながら、大人顔負けのグルメレポートを始めました 。
「かむとにくじるがすごい」
「じゅーしーすぎない?」
「しるだけでものみたい」
「あと100こたべたい」
「ぼくは1,000こ!!」
興奮しながらお肉について語る息子たちがあまりにおかしくて、私は思わず笑ってしまいました。こんなにおいしそうにお肉を食べている息子たちを見るのは初めてです。
双子はどんどんステーキを食べ進め、あっという間にお皿は空っぽになりました。そして2人で声をそろえて叫びました。
「もっと焼いちゃって!」
私は人生ではじめての「おかわり」を聞いたのでした。
味を占めた双子
それからというものの、“高級な”牛肉の味を覚えた双子は、ことあるごとにステーキや焼き肉が食べたいと言うようになりました。
スーパーに一緒に行くと、いつもは素通りするはずの牛肉売り場で立ち止まり、買ってほしいと駄々をこねるようになってしまったのです。
お肉を食べられるようになったのはうれしいのですが… まさかよりによって「高級牛肉」が好物になるなんて! 私と夫用の鶏むね肉をカートに入れ、そして子ども用の黒毛和牛を手に取りながらトホホと心の中で涙する私。
お菓子売り場だけでなく、牛肉売り場も鬼門となってしまったわが家なのでした 。
(ファンファン福岡公式ライター / はやしグラタン)