【舞台】福岡の劇団“ガラパ”が代表作「ひとんちで騒ぐな」を再演! 9月7~9日、西鉄ホール

 福岡市を拠点に2005年から活動する劇団「万能グローブ ガラパゴスダイナモス」(通称:ガラパ)が9月7日(木)~9日(土)、西鉄ホール(福岡市中央区)で初期の代表作「ひとんちで騒ぐな」を上演します。07年に初演し10年に再演して以来2度目の再演で、キャストを一新してリメーク。公演を前に、劇団主宰で俳優の椎木樹人さん、脚本・演出家の川口大樹さん、今回主役を務める古賀駿作さんにインタビュー。結成当初からこだわるコメディーへの思いや本作の見どころなどを聞きました。

目次

“家の中”で巻き起こる王道のシチュエーションコメディー

「遊園地みたいな舞台です。遊びに来てね」左から古賀駿作さん、川口大樹さん、椎木樹人さん

<あらすじ> 親の反対を押し切り役者を目指して上京した勘介が、数年ぶりに実家に帰ってきた。実は役者になる夢を諦め、テレビ局でアシスタントディレクターのバイトをしている勘介。周囲には秘密にしているため、友人にも「出演ドラマの撮影だ」と偽り、地方ロケのスタッフとして実家に戻ることに。家族が旅行に出かけている間にと画策したのだが、家の中には見知らぬ女性や半裸の男性が、わが物顔でうろついている。混乱する勘介の前に、勘介に憧れているという幼なじみが現れ…。勘違いやすれ違いが巻き起こす、王道のシチュエーションコメディーが展開されます。

さまざまな登場人物が織りなす群像劇で「とことん楽しませる!」

2022年に西鉄ホールで上演された「この中に裏切り者がいますよ」から
提供:万能グローブ ガラパゴスダイナモス

 ガラパは椎木さんと川口さんが福岡大学付属大濠高校演劇部時代に結成し、高校卒業後の05年に旗揚げ。「観客を楽しませる」というスタンスで当初から作・演出を担当する川口さんは、さまざまな登場人物が織りなす群像劇を生み出しています。

「劇団員のエピソードやキャラクターから作品を紡いでいくんですよ」と椎木さん

 ガラパの作品づくりは、一つのテーマについて劇団員全員で話すことからスタート。それぞれが経験したエピソードをもとに、川口さんが人物像を膨らませて書き始めます。椎木さんは「ストーリーのベースラインは川口の中にあるけれど、登場人物には劇団員のエッセンスが入っています」と話します。

「コメディーだからノリや自由な雰囲気が大事」と川口さん

 稽古も独特で最初は遊びから入るとか。「ボードゲームを持ってきて、みんなで遊んでいるだけですよ」と古賀さん。川口さんは「みんなでノリをつくるみたいな感じです。コメディーなので面白いことやっていいんだ、自由でいいんだという空気感を共有したいので」と続けます。

 「ひとんちで騒ぐな」は、結成5周年を目指して取り組んだ初期の代表作。「初めて前売り券が完売した作品で、その後の公演から動員が伸びていきました。そろそろ東京にも進出したいと思っていたとき、こまばアゴラ劇場(東京都)から公演のオファーを受け、自分たちの自信作である本作を上演しました」と椎木さんは当時を振り返ります。

「椎木さんや川口さんと年齢が一回りも違うんで、最初は少し怖かったんですよ(笑)」(古賀さん)

 また、コロナ禍を経験したことで“今”が大事だと気付いたと椎木さん。「劇団員の多くは今、20代です。(今の)若い世代でもっと面白くしたい。劇団としても一段階上がりたいとの思いから、この作品をリメークすることにしました」。

細かい部分まで作り込んだ「ガラパ自慢の舞台装置をじっくり味わって」

「僕まだ若いんで(笑)目立ちたいです」と古賀さん

 主役の勘介を演じる古賀さんは、西南学院大学演劇部出身。引退公演を見た椎木さんにスカウトされ4年前に入団しました。「(ガラパでの活動が)演劇とは何か、もっと多くの人に見てもらうためにはどうすればいいのかなど、いろいろな視点で考えるきっかけをくれた」と言います。今回の公演については「目立ちたいですね。若い割にフレッシュさがなく落ち着いて見られがちなので、今回はパッと明るくいきたいなと思います。物語を引っ張っていけるような」と意欲的です。

「前回よりセットがスケールアップ。登場人物みんなが家の中を動き回りますよ~」

 大がかりな舞台セットにも定評のあるガラパの公演。“家の中だけ”のワンシチューエーションで展開される本作の舞台にも、相当のこだわりを見せます。「“舞台装置で遊ぶ”をコンセプトにしていて、今回の作品は特にそうですね。前回よりも会場が大きくなるので、家の中の構造は同じですがスケールアップしていますよ」と椎木さん。

作り込まれた舞台セットも楽しみ。今年東京でも上演された「運動会をやりたくない」から
提供:万能グローブ ガラパゴスダイナモス

 さらに、終演後のお楽しみもあるとか。「お客さんを初めて舞台に上げる試み“ひとんちおじゃましますツアー”をやります。間近で装置を見て、細かい部分まで作り込んでいるこだわりを、しっかり見てほしいです」(椎木さん)、「演劇って硬いイメージがあるので、遊園地に行くような感じで来てもらえたらと思います。舞台上(のツアー)では映える写真も撮れますよ」(川口さん)。

万能グローブ ガラパゴスダイナモス第31回公演「ひとんちで騒ぐな」

日時:9月7日(木)、8日(金) 19:00 開演
   ※終演後、「記念撮影付き!ひとんち(舞台上)おじゃましますツアー」あり(要チケット、詳細は劇団公式サイト参照)
     9日(土) 12:00開演☆/16:00開演
☆終演後、「ガラパ名物!生コメンタリー」あり
場所:西鉄ホール(福岡市中央区天神2-11-3 ソラリアステージビル6階)
料金:一般4,200円、ペア券8,000円、親子ペア券(小中学生と保護者)4,200円ほか ※いずれも税込み
※未就学児入場不可
問い合わせ:ガラパ制作部
Eメール:info@garapagos-dynamos.com
電話:092-600-2383

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