福岡の書店員さんに福岡ゆかりの本を紹介してもらうファンファン福岡の「福岡キミスイ本」シリーズ。60回目は黒木書店・フィルモアレコード 七隈店(福岡市城南区)の小林誠毅さんを訪ねました。あわせて、この時期に読みたい話題の6冊を紹介します。
福岡出身の作家が書き下ろす怪談実話集
「忌み地 屍 怪談社奇聞録」福澤徹三著
―こんにちは! 今回小林さんが紹介されるのはどんな本でしょうか?
福岡県北九州市出身の小説家・福澤徹三さんの「忌み地 屍 怪談社奇聞録」(2023年8月講談社発行、704円、税込み)です。怪談イベントを主催する「怪談社」所属の実話怪談師・糸柳寿昭さんと上間月貴さんが実際に取材した話を福澤さんが書きおこした怪談実話「忌み地」シリーズ第4弾となっています。
―怖そうですが、内容が気になります。
「忌み地」とは、怪異が起こる土地や家、建物のことを指します。本書では3~5ページの短編が55話収録され、日本全国の心霊スポットや事故物件などが取り上げられています。怪談実話なので、どの話も淡々とつづられ、特別怖いという感情を抱くことは少ないです。どちらかというと嘘(うそ)くささがなく、実際に現地へ足を運んだからこそ書けるリアリティーがあります。
―本書の中で特に印象的な話はありますか?
「おせんころがし」という話が印象に残っています。殺人事件的な怪談話ですが、オチがはっきりしないといいますか…。最後の一言はギャグだったのか何なのか、奇妙さが残ります。各話取材そのままの話が書かれているので、“よくわからない話”もあり、そこがリアルで面白いなと思います。
―オススメしたい人は?
30~40代の男性が購入する印象ですが、年齢性別に関係なく手に取ってもらえたら。各話のページ数が少ないため、スキマ時間でサクッと読めます。また、心霊スポットに行ってみたいという人は、この本で怪異の現場を追体験してから行くと、より恐怖を味わえるかもしれません。
―黒木書店・フィルモアレコード 七隈店では主にどんな書籍を取り扱っていますか?
当店は福岡大学が近く、同大学の学生が多く来店します。そのため、資格書や就職本、参考書を多く取り扱っています。もちろん漫画や雑誌、絵本なども。子どもに人気の駄菓子コーナーもありますよ。
―CD・DVDも取り扱っているのですね!
はい。最新の楽曲をはじめ、ヒーリングミュージック、カフェミュージックなどを展開しています。アイドル系も充実していて、店頭にない商品は取り寄せ可能です。気になる商品がある際は、ぜひ当店にてスタッフにお尋ねください!
―ありがとうございました。派手な怖さはない怪談実話集、あなたも挑戦してみては。続けて話題の6冊を紹介します。
「英語の発音はこの15語だけで身につきます!」【Gakken】
頼野えりこ 著/1,650円(税込み)
たった15語を練習するだけで、英語の基本の発音42音がマスターできてしまうと本書。会話などでもよく使う簡単な英単語がピックアップされています。フォニックスの原則を応用した発音練習も。15の単語で発音を向上させるとともに、よく使うフレーズも練習できてしまう、一石二鳥の一冊です。
「いくつになっても『すっぴん美肌』になれるコツ」【青春出版社】
梅原美里 著/1,650円(税込み)
“スキンケアのアップデートで-5歳肌、復活!”と本書。肌が変わり始めたと感じる女性に向けて、ゆっくり年齢を重ねる「スローエイジング」スキンケアを提案。サロンオーナーの知識と技術を盛り込み、肌トラブルのない“すっぴん美肌”を約束する一冊ができました。
「お金の賢い減らし方」【光文社】
大江英樹 著/924円(税込み)
刊行以来、話題を呼んでいる新書は定年を迎える世代はもちろん、老後を過ごす親を持つ世代が多く手に取っています。本書に記されるのは「最も労力を使わずに実行できる投資とは」「『サラリーマン脳』は捨てよう」「『効率』よりも大事なもの」など。「お金の本質」をつかんで、人生後半を豊かにしませんか?
「最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか」【小学館】
大西康之 著/1,980円(税込み)
「価格破壊」を旗印に、携帯事業に斬り込むも大苦戦を強いられた楽天・三木谷浩史さん。メディアや世間からの目は厳しい一方で、楽天モバイルの「完全仮想化技術」は2年連続で「グローバル・モバイル賞」を受賞し、東大生の就職先の3年連続第1位を獲得しました。日本のレガシィメディアと、海外の目と若者たち…一体、どちらの評価が正しいのか? その真相に迫ります。
「レトロ喫茶おおどけい」【双葉社】
内山純 著/770円(税込み)
東中野の昭和レトロな喫茶店には、悩みを抱えたお客さんが偶然訪れる。悩みを打ち明けると、店の大時計により“時”が昭和時代に巻き戻ります。クリームソーダ、オムチキンライス、ミルクセーキ…昔懐かしい絶品喫茶メニューと不思議な大時計が、生きづらさを感じるお客さんたちに前を向く力を与えます。懐かしくてほっとできる、5つのあたたかな物語が詰まった一冊。
「BLOF(ブロフ)理論で有機菜園 初めてでもうまくいくしくみ」【農文協】
三澤明久 著、小祝政明 監修/2,420円(税込み)
有機栽培でも驚くような収量がとれ、味が濃く栄養価の高い野菜がつくれる「BLOF」理論をイラスト豊富に解説。団粒構造が作れる太陽熱養生処理、光合成を高めるミネラル肥料やアミノ酸肥料の使い方、酵母菌・納豆菌・乳酸菌等の増やし方、野菜43種の栽培レシピが掲載されています。話題の「BLOF」理論の入門書です。
いかがでしたか? 心地良い秋風にあたりながら、読書にいそしんでは。次回もお楽しみに!