来るか福岡の中華そばブーム「ラーメン屋のせがれ」第15回

 ずい分久しぶりにこの「ラーメン屋のせがれ」を書きます。

 ネタもかなり尽きてきた感もあるんですが、きょうはちょいと角度を変えた話です。

 先日二時間行列に並んでラーメンを食べました。福岡では珍しいしょう油ラーメン、というか中華そばという方が合ってるような気がしました。

 私は外食を並んで食べることはほとんどなく、ラーメン屋のせがれと称しながら、ラーメンを外でいただくこともあまりないのですが。

 寿限無(じゅげむ)さんというお店です。福岡市中央区高砂の路地にありました。

 過去形なのは、9月15日で廃業、閉店してしまったからです。

 きょうだい4人でLINEグループを作って情報交換してるんですが、下の弟から「寿限無」というお店の存在を知らされ、食べログで見たところ、間もなく店が無くなると書いてあったので、あわてて駆けつけた次第です。

 11時半の開店30分前には、既に30人以上が並んでました。カウンター6席しかなく、大将一人で回しているんで、そりゃ時間かかります。あきらめて離脱する人もいて、私も家にお客さんが来る予定があったので、何度かやめようかとも思ったんですが、なんとか午後1時過ぎ入店し、チャーシューメン1,250円の食券を買いました。ラーメンに千円以上出したの、初めてかもしれません。

 店名の通り、落語の流れる店内で待つこと数分、ありついたラーメン、いや中華そばのおいしかったこと。ダシのうまみ、コクが利いたスープにやや太めのキチキチした麺が絶妙にからみます。たちまち完食。スープも飲み干さないとバチが当たるレベルです。

 ↑上の写真に「製麺屋 慶史謹製」という木札がかかっています。ラーメン通の方ならご存じかもしれませんが、近年九州を主に「麺界」で大活躍しているとのことです。あちこちのお店で慶史の麺に出会う確率が高まっているはずです。

 さて、寿限無さんはもうありません。ご家庭の事情で埼玉の実家に帰らなければならないので、と理由を書いた紙が貼ってありました。最後に一度だけでも食べられて良かったわけですが、欲を言えば、もっと早く知りたかった。

 ”中華そば舌”になってしまったのか、時を置かず、もう一軒しょう油味のお店に行ってしまいました。

 福岡市西区姪の浜にある、きりやさんです。20年くらい前から時々行きます。余談ですが、姪の浜と書いたり、姪浜と書いたり地名複雑です。

 これが名物で、来店客の多くが注文する「きりやそば」850円です。中華丼にかかるような具沢山のとろみのあるあんが上からかかっています。見るだけでもわかるほどアツアツで、落ち着いて食べないとやけどしそうです。

 これがまた美味。塩味は強くないのに、凝縮されたうまみが濃厚さを感じさせます。麺はかなり細いんですが、ヤワヤワではなく、一本一本しっかりしたコシがあります。量もタップリでおなかいっぱいになりました。

 

 自分たち、4人で入ったんですが、その後に入って来られたご夫婦を最後に麺が無くなったみたいで、その旦那さんが実感込めて「あぁ、良かったぁ」と言われてました。私たちもアブナイところでした。

 私が行った2件のお店、いずれも大将は関東出身です(きりやさんは千葉県)。福岡にいても、関東風のしょう油ラーメン、中華そばが食べたい人、食べたくなる人はいるものです。今回私がきりやにご案内した3人のうち2人は関東人で転勤で福岡にいるので、大変喜んでました。

 先に書いた製麺屋慶史さん関連で、福岡に中華そばの新店が複数オープンしたようです。

 長浜ラーメンなどとんこつになじんだ福岡人の舌に食い込んで行けるか、”元ラーメン屋のせがれ”として、着目していきたいと思います。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

米国の本家と同い年のシニアブロガー。毎晩長いときは30分に及ぶ歯磨きを欠かさない。最近覚えたメルカリへの出品にはまっている。
17年乗った作業用の軽トラックをカッコいいカーキ色の新車に買い替えた。

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