10月6日(金)公開「アントニオ猪木をさがして」

©2023映画「アントニオ猪木をさがして」製作委員会

プロレス界の巨人、アントニオ猪木の一周忌を迎えるにあたり、彼の壮絶な人生を描いたドキュメンタリー映画が公開される。アントニオ猪木は日本を代表するプロレスラーでありながら、実業家や政治家としても活躍し、数々の伝説を残した男だ。彼には多くの肩書きや称号があるが、それらは本当に彼の姿を表しているのだろうか?そして、私たちにとって、アントニオ猪木という人物はどんな意味を持つのだろうか?

「元気ですか!?」など、誰もが聞いたことのあるアントニオ猪木の名言をテーマに、“挑戦者・アントニオ猪木”の素顔に迫るドキュメンタリー映画が、新日本プロレス創立50周年記念企画として、また猪木一周忌を機に全国で上映される。この映画は以下の3つのパートからなる。

①ドキュメンタリー:猪木に影響され、猪木を追いかけてきたさまざまな分野の人々が“旅人”となって、それぞれの視点や場所から“人間・アントニオ猪木”について語る。
②短編映画:テレビや試合会場などで猪木の名言から勇気や希望を得たであろうファンの視点から、80年代の少年時代、90年代の青春時代、2000年代の中年時代という3つの時代にわたる人生ドラマを描く。
③貴重な映像や写真:猪木の生き方や魅力が溢れる映像や写真を随所に散りばめる。


現代は不安や苦しみが多く、生きづらさを感じる人も少なくない。そんな時代において、常識にとらわれずに常に挑戦し続けたアントニオ猪木の姿から、私たちは何を学び、何を感じることができるだろうか?誰も見たことのない 《燃える闘魂》 がここにある。

©2023映画「アントニオ猪木をさがして」製作委員会

まず私はアントニオ猪木のファンではないのです。だから正直この映画あんまり興味がなかったんですよね・・・。でもアントニオ猪木ファンのおじさん達が話題にしているのを見て、ちょっと興味を持ったので一足先に試写で観せてもらいました。

冒頭で紹介した通り、この映画はドキュメンタリーではあるけれども短編映画が差し込まれており、過去の映像や写真とともに、“アントニオ猪木の生き方とその時代”がとてもわかりやすく、そしてなんだか心に突き刺さる作り方をしているドキュメンタリー映画で、ファンでもないのに気がついたら泣いていて、観終わった後はなぜあんなに猪木ファンが熱狂していたのかがわかったような気がしました。

©2023映画「アントニオ猪木をさがして」製作委員会

ファンでなくとも、昭和のあの時代に子ども時代を過ごし、世の中がプロレスブームで猪木の名言を耳にしたこともあり、プロレス好きでなくともキン肉マンやタイガーマスクは好きだった子ども時代を思い出すような短編映画でまず一気に“これ私たちの映画だ・・・”と自分ごとになりました。

就職氷河期を経て波乱万丈な若者時代を過ごし、今の若者たちよりも絶対に貧乏な時代を経験し(笑)、手取り13万5000円でよく生活してたなと思い返すぐらいつらい時期もあったりしたことを、この映画でアントニオ猪木全盛期のエピソードや時代背景を観ながら思い出すっていう、ドキュメンタリーなのにあの頃の自分も思い出してしまう、ものすごく入り込めてしまう作品でした。

©2023映画「アントニオ猪木をさがして」製作委員会

すごく上からな言い方になってしまうんですけど、この人って本当に純粋な嘘がないまっすぐな人なんだろうなぁ・・・といい意味で“バカ”という言葉で表現できる人なんだろうなと強く感じました。この映画でニュースでも流れて知っているはずの事実はもちろん、知らなかったエピソードも混じって観ているうちに感動しちゃっている自分がいて、最後は号泣でした。

昭和の時代だからできたんだろうなぁと思われるとんでもない企画やったり、自分で団体つくって騙されちゃってお金持ち逃げされたり、借金背負っても一度も逃げずにただまっすぐに生きた人なんだろうなぁということを、今更ながらこの映画で知ったような気がします。

©2023映画「アントニオ猪木をさがして」製作委員会

アントニオ猪木ファンはもちろん、私のようにプロレスにもアントニオ猪木にもそんなに興味ないんだけどな〜というような人、昭和の時代を知らない世代にもぜひ観てもらいたいドキュメンタリー映画です。いやー最後のタイトルの出し方にぞわっとしたんですよね。出演している俳優さんやプロレスラーの人たちの思いもビジバシ伝わって、いいもの観せてもらったー!と思える作品です。ぜひ映画館でどうぞ!!

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■監督:和田圭介 三原光尋
■出演:アントニオ猪木、有田哲平、海野翔太、オカダ・カズチカ、神田伯山、棚橋弘至、藤波辰爾、藤原喜明、安田顕、田口隆祐、後藤洋央紀 他
■製作:「アントニオ猪木をさがして」製作委員会
■制作プロダクション:パイプラインスタジオブルー
■配給:ギャガ

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

長崎県壱岐出身。福岡女子短期大学音楽科卒。卒業後ラジオ局の番組制作に関わる。その後転職し、福岡の数々の情報誌とWEBメディアの編集・ライターを勤める。編集では映画紹介やコラム、インタビューを経験。2015 年よりフリーの広報、ライターとして主に映画、グルメ、旅行コラムを執筆中。

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